「アジアの多様な学生たちと交流し、自分の価値観が広がりました」
先進理工学部 4年 金 泉水(きむ・いずみ)
私は、2023年8月4日~8月18日にかけて早稲田大学で開催されたBXAI Summer Program 2023(以下、百賢サマープログラム)に、早稲田大学側のStudent Advisorとして参加しました。百賢サマープログラムとは、香港を拠点とする百賢アジア研究院(BXAI: Bai Xian Asia Institute)が運営する、アジア次世代指導者奨学金プログラム(AFLSP: Asian Future Leaders Scholarship Program)の奨学生が一堂に会し、さまざまなワークショップや文化活動を通じて共に学び交流を深める、年に一度のイベント。毎年、BXAIのパートナー大学が順にホストを務め、3年ぶりの対面開催となった今年はホストである早稲田大学に、アジア各地から68人の参加者が集まりました。
私が百賢サマープログラムのStudent Advisorに応募した理由は、過去の動画や写真を見てとても楽しそうだなと感じたこと、そして何より、アジアの学生との国際交流やイベントでのファシリテーションを通じて、自分の視野を広げて大きく成長できる絶好の機会だと思ったからです。
百賢サマープログラム2023のダイジェスト動画
実際に参加してみると、想像以上の学びと刺激がありました。Student Advisorとして参加者間の交流を促したり、さまざまなアクティビティーの準備や補助をしたりする中でまず驚いたのは、参加者の志の高さと努力する姿勢です。
私が担当したグループのメンバーには、東南アジアの地域開発と都市計画に関わるユースの団体を立ち上げた人や、現在の専攻分野を深めてアカデミアでの活躍を望む人、複数の国で学んだ経験を生かして国際的な仕事を手掛けたい人などがいて、一人一人が大きな夢を持っていたんです。
海外に留学して母語でない環境で学ぶこと、それを自ら選び取ることは決して簡単ではありませんが、熱意と向上心を持って、夢の実現に向けて意欲的に行動している彼らの姿にとても感銘を受けました。また、母語と英語に加え、留学先の言語といった数カ国語を流ちょうにしゃべれる人が多く、その背後にある努力に感心させられたとともに、自分自身の語学を学ぶモチベーションも高まりました。

今年の百賢サマープログラムでは、初日にチームビルディングとして、戸山キャンパス早稲田アリーナでスポーツチャンバラを実施しました
百賢サマープログラムでは、全体テーマとして「Transformation of Globalization」を掲げていました。テーマに沿った、アジアの政治や経済、AI(人工知能)、カーボンニュートラルと資源リサイクルに関する講義をはじめ、自己分析やリーダーシップ、アントレプレナーシップなどに関するセミナー・ワークショップが連日盛りだくさんで開催されました。
その中で私が担当したのはグループワークのファシリテーションなど。参加者は互いの発言や議論を聞き、一人一人が自分の頭で考え、意見を主張しているのが印象的でした。そこでは、無理やり意見を押し付けるのではなく、参加者それぞれのバックグラウンドの違いを認め合い、相手の主張に耳を傾け、時には知らないことを教え合いながら、意見をまとめていたんです。多様性があるからこそ、より豊かな議論に発展させられたのだと思いました。
写真左:講義やセミナーは主に早稲田キャンパス3号館で行いました。田中総長もいらしたオープニングセレモニーにて
写真右:講義風景。講師の方々は対面やオンラインで参加されていました
また、百賢サマープログラムは、講義やセミナーなどのアカデミックな活動にとどまりません。スポーツや日帰りの遠足、研修旅行などを通して、バックグラウンドの異なる参加者が交流し、友情を育むのも目的の一つであり、最大の魅力でもあります。担当グループのメンバーと一緒に行動し、お互いの国・地域の生活や文化、歴史などについて話すたびに、新たな気付きを得たり、もっと詳しく知りたいと思ったりと、自分の中で世界観が広がっていくのを感じました。
研修旅行では日光へ。華厳の滝や日光江戸村で充実した時間を過ごしました。浴衣を着て日光江戸村を散策する中で(右)、それぞれの出身地の伝統衣装や芸能に関する話を聞くことができました
同年代のアジアの学生たちと語り合い、体験を共有し合い、お互いのことを等身大で理解するという百賢サマープログラムでの経験は、非常に貴重なものだったと思います。普段アジア各地の学生と交流する機会は少ないため、今後もこのような異文化交流に意識的に参加していきたいです。

一緒にStudent Advisorを務めた8人の仲間たちと、BXAIのスタッフを囲んで。本当にお世話になりました!(左から2人目が筆者)