「使うだけでちょっと環境にいいエコバッグを作りました」
教育学部 4年 古閑 耀太郎(こが・ようたろう)
私は2022年6月から、早稲田大学生協と協力したエコバッグ制作プロジェクトに参加しています。このプロジェクトは、生協の支援の下、学生自身が自分たちのためのエコバッグを一から企画するものとして発足しました。メンバーは私と他2名の計3名の学生で、私は主にロゴやポスターなどのデザインを担当しました。
このプロジェクトに参加したきっかけは、同じサークルの法学部の先輩から誘われて、ということもありますが、1番の理由は世の中の環境問題への取り組みに対する疑問からでした。ちょうど大学に入学するくらいのタイミングで、レジ袋が有料化されたり、プラスチックストローが紙ストローに置き換えられたりといったことが徐々に行われるようになりました。こうした取り組みについて私は、人々の環境問題への意識を高める一助にはなったものの、小手先の対策でしかないのでは? とも感じていました。当時環境問題への意識も知識もそれほどなかったのですが、心の中に芽生えたこうしたした思いから、自分にも何かできることがあるかもしれない、と今回のエコバッグ制作プロジェクトへの参加を決めました。

エコバッグプロジェクトの初回に行った話し合いのホワイトボード。レジ袋を使うことの問題点や、エコバッグを作る上で大切にしたいことを洗い出しました
制作にあたって、現状どのようなエコバッグが世間で使われているのか、なぜ環境保全のためにエコバッグが有効なのかを調査したり話し合ったりする中で、エコバッグに使われている多くの素材はそもそも環境に良くないのではないかという意見が出ました。では、何を使ってエコバッグを作ればいいのか…。そんなとき、生協の職員に高知県の「有限会社じぃんず工房大方」さんのブランド、「isa」を紹介していただきました。

工場の職人が端切れを使って、丁寧な縫製を施します
このブランドでは、ジーンズを作る際に出る端切れを使い、バッグや財布などを製造しています。エコバッグに使う素材も持続可能なものにしたいと考えていたわれわれは、長期の使用には丈夫なデニム地がぴったりだろうと考え、じぃんず工房大方の担当者とZoomやメールでやり取りを重ね、端切れで作ったバッグの完成を目指していきました。また細かな寸法を決める際には、早大生を対象にアンケートを採り、その結果を反映し、持ち手を長くする、底を広くするなど、学生の使い勝手に寄り添った工夫を加えていきました。
写真左:販売に向けたポスターやポップなどの最終調整中。プロジェクトメンバーの一人、法学部3年の山口奈々さん(写真左)、生協職員の中島さん(写真右)と一緒に
写真右:2023年のオープンキャンパスで販売したところ、受験生にも大人気でした。現在は早稲田キャンパス17号館ライフセンター他、生協の購買各店舗で¥1,100(税込)で販売しています
このプロジェクトに参加するまでは、環境問題を恥ずかしながらあまり意識することがありませんでした。そのため、自然環境に悪影響が及ぼされることで自分の生活そのものが脅かされることになるとは夢にも思っていなかったのですが、このプロジェクトに参加し環境問題について鋭敏に考えるようになるにつれて、環境と自分の生活は密接に関係しているのだと知りました。
この商品は、環境問題と自身の身の回りとの関わりについて意識する一つのきっかけになると考えています。普段あまりエコバッグを持ち歩かない、という皆さんも、早大生の声を多く取り入れた使い勝手の良いこの商品をぜひ活用し、環境に思いをはせてみませんか。

こちらのポスター制作とバッグのロゴデザインを担当しました