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新人声優・砂田理子 早大でのアカペラ経験を自分の糧に

「『緊張感の中で自分を発揮』できる声優になりたい」

 人間科学部 2023年3月卒業 砂田 理子(すなだ・りこ)

大隈講堂前にて

株式会社サンミュージックプロダクションに所属し、声優として『アニメのまち・すぎなみ』や『シャイン・ポスト』などに出演している砂田理子さん。声優以外にも、公認サークル「Street Corner Symphony」(以下、SCS)に所属し、多くのステージでアカペラを披露。3年生のときには、『青春アカペラ甲子園! ハモネプリーグ 大学日本一決定戦(2021夏)』(フジテレビ系)に出場するなど活躍の場を広げています。今回は声優を目指したきっかけから、芸能活動と人間科学部での学生生活、アカペラサークルでの活動や今後の目標などについて聞きました。

――声優を目指したきっかけを教えてください。

声優を目指したのは、中学生のときにアニメにはまったことがきっかけです。本編の最後に流れるクレジットで、同じ声優さんの名前をよく目にして、役が違えば声や演じ方がこんなに変わるのかと衝撃を受けたんです。特に『進撃の巨人』で主人公の声を担当していた梶裕貴さんに憧れていましたね。見た目とは関係なく声さえあればどんな役にもなれるところに魅力を感じ、自分もやってみたいと思うようになりました。

思い立ったらすぐに行動する私は、両親を説得し中学3年生のときに地元関西の声優養成所に入りました。滑舌の練習やアフレコ、舞台の稽古実演など、基礎から応用までのレッスンを高校3年間ひたすら受けていました。早稲田へ入学する際に上京してからも、地元の事務所に所属しながら声優として活動していました。

中学3年生のときに通っていた養成所にて。前列左から2人目が砂田さん

――2年生のときには、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でオンライン授業になり、大学に行けない日々が続いたと思います。どのように過ごしていましたか。

2年生のときは、実家の京都からオンライン授業を受けていました。4年間を振り返ってみると、2年生が一番勉強に励んだと思います。人間科学部では、2年次の秋学期に専門とするゼミの選択を行うので、本当に自分が何を学びたいのか考えてみる良い時間になりましたね。所属していたアカペラサークルでは、Zoomでの交流会が行われていたのでよく参加していました。1年生のときには忙しくあまり活動に参加できていなかったのですが、サークルの仲間とはその交流会を通して仲を深められたと思います。良い意味で「普通の大学生活」を送ることができた1年間でした。

声優としての活動ですが、京都に戻ったタイミングで所属していた地元の事務所を退所しました。退所後は「フリーで活動できたらいいな」と傲慢(ごうまん)なことを考えていたこともありました。違う事務所に移籍することを当初考えなかったのは、声優の事務所に所属するには、養成所に入ってレッスンをまず受けることが一般的であるためです。当時の私は、もう一度養成所に入ることに悔しさを感じていました。けれど、コロナ禍を経て自分を見つめ直し、まっさらな状態で、新しい気持ちで頑張ってみようと思うようになったんです。その後、東京に戻ってきた3年生の4月から今の事務所の養成所に入り、その後事務所に所属するという形になりました。

――これまでの声優としての活動で特に印象的だったことを教えてください。

声優のアイドルユニットで活動したり、声優としていくつか作品に出演させていただきましたが、一番印象的だったのは、初めて現場に出たときです。『スパイ・コード: CICADA 3301』というアメリカの映画作品で、主人公が経営しているバーで働く女の子の吹き替えに挑戦しました。初めてだったので緊張してリハーサルで一度ミスをしてしまったのですが、そのミスはなんとスルー! そのまま本番を迎えて、何も言われることなく収録を終えてしまいました。養成所では、アフレコをした後は必ずアドバイスをもらえていたのですが、それが実際の現場では普通ではないと痛感したんです。プロとして活動することの難しさはもちろんですが、その緊張感がある場面で自分に求められる姿を出す「勝負」のようなところにとても面白さを感じて、このお仕事を続けたいなと思いましたね。

写真左:「実は声優7人のアイドルユニット『泡沫のクロワジェール』として1年弱活動していたこともあるんです」(砂田さん)。写真は解散ライブでの一枚
写真右:ステージでの一コマ。アイドル活動を通して、「自分ができることを一生懸命活動すれば、今まで見られなかった景色を見ることができるかも」と思うきっかけにもなったそう

――砂田さんは、SCSにも所属し、2023年2月に開催されたアマチュアアカペラの全国大会「第11回 A cappella Spirits」で見事ベストボーカル賞を受賞しました。芸能活動に加えて、サークル活動にも一生懸命取り組んでいたんですね。

大学入学当初は、声優活動と勉学で精いっぱいになってしまうだろうと考えていたので、サークルに所属するつもりはありませんでした。入学式でサークルが行っていたビラ配りも一切受け取らず、一緒に来ていた母にも心配されました(笑)。このサークルに参加することになったのは、学部の友達に「1回だけ見学に行ってみない?」と誘われたことがきっかけです。歌も大好きでしたし、参加する頻度も自分で調節できると聞いたので、取りあえずやってみてもいいかなと思って入りました。

どうしてもアカペラをやりたい! と意気込んで入ったわけではなかったのですが、このサークルに入って本当に良かったと思っています。一生懸命やっているうちに、ライブでは同級生や後輩と歌ったり、先輩に誘っていただいて『ハモネプリーグ』(フジテレビ系)にも出場したりすることができました。たまたま始めたアカペラでこんなにもいろいろな経験ができると思っていませんでしたし、大学生活を楽しく過ごすことができた大きな要因になりましたね。

写真左:「A cappella Spirits」の決勝に出演したときの写真
写真右:「早稲田祭2022」にて。SCS出身であるゴスペラーズのメンバー・黒沢薫さんと、アカペラクリエイターのとおるすさんとの集合写真。砂田さんは前列右端

――4年間でさまざまなことに取り組んだ砂田さんですが、なぜ早稲田大学に入学したのでしょうか。

最初のきっかけは、高校1年生のときにオープンキャンパスですね。早稲田は古くから演劇を始めとした文化活動も盛んでしたし、イメージ通りのキャンパスで漠然といいなと感じました。

もう一つのきっかけは、祖父母の存在です。私のことをとてもかわいがってくれ、最初は大学に進学しても京都から出ないでほしいと言われていたんです。ですが声優の活動はやはり東京中心ですし、東京の大学に絶対に進学したいと思っていました。そこで相談したところ、「早稲田ならいいよ」と言われまして。その後、私が高校2年生のときに祖父母は続けて亡くなってしまいましたが、どうしても約束を果たしたいと猛勉強しました。

人間科学部には、学ぶことができる分野の広さに魅力を感じ入学しました。ゼミは金子孝夫先生(人間科学学術院教授)の下で学び、卒論は「日本と海外での映画の宣伝ポスターの比較」について書きました。自分の興味を突き詰めて学ぶことができたのは、すごく楽しかったですね。

――今後の目標を教えてください。

卒業後も声優としての活動を継続する予定で、より多くの役に挑戦してみたいという気持ちが非常に強いです。また、サークルでできた出会いも大切にしたいです。例えば、SCS出身であるゴスペラーズのメンバー・黒沢さんと交流できたり、YouTube上で公開しているアカペラ動画の編集を、サークルからつながった方に手伝っていただいたりと活動が広がっています。声優としての活動はもちろんですが、新しいことにも活発に挑戦する姿勢は大切にしていきたいですね。

――砂田さんから新入生へメッセージをお願いします。

大学生活を謳歌(おうか)してたくさん遊ぶこともいいと思いますが、その中で自分のやりたいことを一つでもいいから突き詰めてください。卒業するときに、これは「やり切った!」と思えることが一つでもあるといいと思います。まずはサークルなどのコミュニティーに参加してみたり、いろいろなことに取り組んでみてはいかがでしょうか。早大での充実したキャンパスライフを応援しています!

卒業式に向けて撮影した袴姿の写真

第837回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
人間科学部 4年 佐藤 里咲

【プロフィール】

京都府出身。京都女子高等学校卒業。マイブームは帽子集め。お気に入りはKANGOL(カンゴール)の帽子で、気分によって帽子を使い分けているそう。Sally名義で運営するYouTubeチャンネルでは、「ひとりアカペラ」の動画を投稿中。特に再生数が伸びているのはYOASOBIの『ハルジオン』をカバーした動画。撮影は学生会館の部室で行ったそう。

Twitter:本人 @_RIKO_0719 歌 @Sally_to_issho

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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