趣ある店構えながら、学生に優しい敷居の低さが人気の名店
「てんぷら 高七(たかしち)」
【取材・文・撮影】
早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)
人間科学部 3年 佐藤 里咲(さとう・りさき)
東京メトロ東西線・早稲田駅から、夏目坂を徒歩10分ほどかけて登った先にある「てんぷら 高七」。1884年(明治17年)に東京・日本橋で初代が店を開いてから、創業約140年を迎える老舗の天ぷら屋です。戦時中に3代目が早稲田に店を移転した際には総菜屋を営んでいましたが、終戦後、4代目が天ぷら屋としての営業を再開。現在は5代目がお店を続けています。ランチタイムには、早稲田の学生や教職員、近隣の会社員などが多く訪れ、毎日にぎわっている人気店です。
写真左:夏目坂の頂上付近に現れる、趣ある店構え。ランチタイムにはお店の外に列ができるほど盛況なので、開店すぐの入店が狙い目。先端生命医科学センター(TWIns)や都営地下鉄大江戸線・若松河田駅からは徒歩5分ほど
写真右:店内にはカウンター席と座敷の席があり、一人でもグループでも訪れやすいのが魅力。夜の営業では、ゼミの食事会などで使われることも多く、留学生もよく利用するとか。天ぷらを通して日本の食文化を楽しむ訪日客の来店も増えてきているそう
今回いただくのは、ランチタイムの客の9割以上が注文するという「日替わり天ぷら定食」。天ぷら盛り合わせとお刺身、ご飯、お味噌汁、お新香がセットになった定食です。驚くべきはその価格で、なんと1,000円! 熟練の天ぷら職人が揚げる本格的な天ぷらがお札一枚でいただけるなんて、お店のもうけが心配になるような価格設定です(笑)。

「日替わり天ぷら定食」(1,000円)。定番のエビ、イカの他、魚と野菜は季節のものが日替わりで提供される
カゴに盛り付けられた天ぷらの中から、まずはエビをいただきます。サクッとした薄い衣と、大きくプリッとしたエビの身の食感がたまりません。塩だけでいただくと、エビのうま味がより濃く際立ちます。次に箸に取った直径12センチ、厚み1センチほどの食材は、サツマ芋かと思いきや、なんと大根の天ぷら! 衣の中でホクホクに蒸された大根は、その甘味がぎゅっと凝縮されています。これは、ぜひとも一度食べてみる価値のある一品です。
そして、鮮度抜群のお刺身は、旬の魚が日替わりで提供されます。天ぷらの具材・お刺身ともに、食材は豊洲市場から毎日仕入れているそう。先代から付き合いのある、信頼できるお店から仕入れを行うことで、その日一番の新鮮な魚を提供できていると、店主の飯田さんは話します。
写真左:大根の天ぷら。他に珍しい具材としてキュウリの天ぷらも人気とか
写真右:注文が入ってから一つずつ丁寧に揚げる天ぷら。衣には卵を使用していないため、卵アレルギーがある人でも安心して食べられる
日替わり天ぷら定食の他に、この店の代表的メニューが「元祖・かきあげあんかけ天丼」。かき揚げの上に、おだしの効いたあんがたっぷりとかかっていて、ここでしか味わえない新感覚の天丼です。かき揚げの中にはぷりぷりのエビや帆立にシャキシャキのレンコンが入り、それらの食感の組み合わせが絶妙で、食べ応えも抜群! この天丼はテレビ番組『嵐にしやがれ』(日本テレビ系列)で嵐のメンバーが絶賛したことからさらに有名になり、これを目当てに日本全国から訪れるお客さんも多いといいます。
「高七」の食材へのこだわりは、天ぷらに使われる食材だけではありません。お米にもこだわっていて、店主の奥さまの出身地である新潟のコシヒカリを使用。厳選した農家から直接仕入れたお米は、もっちりした粘りと甘みが強く、ご飯だけでもおいしくいただけるほど。定食、天丼ともにご飯を、中盛り(70円追加)、大盛り(120円追加)、すごい大盛り(250円追加)と増量することができ、「すごい大盛り」はなんとお茶わん2.5杯〜3杯分にもなります。腹ペコの早大生にもおすすめです。

「元祖・かきあげあんかけ天丼」(1,600円)。今回紹介した以外のメニューでは、天茶づけ(1,600円)もおすすめ。かき揚げに熱いおだしがかかったもので、寒い冬にぴったり
学生にとって、普段専門店で天ぷらを思う存分楽しめる機会はなかなかないと思います。しかし、こちらのコスパ最強のおいしい天ぷらならば、お腹も心も、そしてお財布も大満足。いつもとは違う気分で、豪華なランチを味わいたい。そんなときに「てんぷら 高七」を訪れてみるのはいかがでしょうか。
店舗情報
【店名】てんぷら 高七
【住所】東京都新宿区若松町36-27
【TEL】03-3202-4035
【営業時間】月・火・水 11:30~14:00(ラストオーダー13:30)
木・金・土 11:30~14:00(ラストオーダー13:30)、17:30~20:00(ラストオーダー19:00)※夜の営業のみ予約可能
【定休日】日曜・祝日
※記事中の価格は全て税込み

店主の飯田さん(左)と奥さま
店主の飯田さんから早大生へ一言
「まずは、早稲田大学から長い坂を登ってお店まで来てくれてありがとうと伝えたいですね。学生の皆さんでも利用しやすい価格設定にしているので、ぜひお友達とのご来店をお待ちしています!」