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教室からフィールドワークへ! 山から木造建築を考える

木造実験【創造理工学部設置科目】

創造理工学部 4年 𠮷原 光哉(よしはら・こうや)

西早稲田キャンパス 山田宮土理研究室にて。吉原さん(左)と山田先生(右)

皆さんは、普段生活している建築物の材料がどのように生産されているものなのか、考えたことはありますか? 「木造実験」という授業では、木造建築に欠かせない「木材」がどこでどのように生産、加工、使用されているのかを体験しながら学ぶことができます。

授業では、建築を組み立て方や生産体制から見る山田宮土理先生(理工学術院准教授)、材料の性質から見る輿石直幸先生、構造の安全性から見る早部安弘先生(いずれも理工学術院教授)と共に、木材の生産体制と力学的性質を学びます。最大の魅力であり特徴的なのは、フィールドワークと実験が中心で、座学がほとんどない点です。

授業は大きく2つの段階に分かれます。第一段階の目標は、「木材の生産体制について理解する」。授業のほとんどが夏季休業期間に実施されるという利点を生かして、林業や製材などの木材生産に関わる川上の業者(※)を訪問し、その実態を学びます。非常に長い期間と多くの労力をかけて建材が生産されている事実を、自身の体験を通して修得できるのです。川上でどのような生産が行われているかを理解した上で、木材が用いられている実際の建築物を訪れると、その見方も変わってくるかもしれません。

※原料、製品、販売までの一連の過程を川の流れに例え、川上が原料、川中が製品、川下が販売を指す。

実習の写真は全て2024年に実施したものです
写真左:埼玉県小川町の山林での林業実習
写真右:木材の製材を行う金子製材で見学した様子

第二段階の目標は、「木材の材料・構造的性質を理解する」。実際にカンナやノミを用いて大工の方と一緒に加工を行うことで、木材加工の技術や難しさを身を持って体感できます。さらに、加工した木材で架構(柱と梁で構成する構造)を製作し、建造物の力学的な特性を理解するために破壊実験を行います。梁の部分に水平荷重をかけることで、どのように壊れるのか、どこが壊れやすい弱点なのかを知る実験です。

材料実験室(西早稲田キャンパス 59号館1階)にて加工、製作、実験を行った様子
写真左:手刻み(手作業)による木材加工を体験
写真右:学生と先生が共に木材で架構を製作

破壊実験では、地震発生時実際に建物にかかる水平荷重をかけ、架構の耐力を見ます

座学の授業では得られない「体験」をしながら学ぶことで、これまでの設計課題で何気なく選んできた材料がどのようなものなのかを考えさせられました。また、「建材の生産を川上から体験できる授業」なので、手を動かすのが好きな人や建築材料の生産について興味がある人には、非常に魅力的な授業だと思います。さらに、一緒に体験しながら学ぶ形式のため、学生と先生との距離が近く、仲良くなれるという点もこの授業のお勧めポイントです。

木造建築を見学する様子

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