理工学術院教授 松方 正彦(まつかた・まさひこ)

専門分野は触媒化学、膜分離工学。エネルギー、化学産業のカーボンニュートラル化に向けた、CO2の資源化、プラスチックリサイクル、水環境浄化などを対象として研究を展開。2022~2023年度化学工学会会長、グリーン・サステイナブルケミストリーネットワーク(GSCN)運営委員長など、多くの学外の団体の役員等を務める。Twitter@GroupMatsukata
私は、現在所属している先進理工学部応用化学科出身(当時は理工学部応用化学科)で、成蹊大学、大阪大学を経て早稲田大学で奉職する機会を得ました。学部生の頃は、早大生のたしなみであったマージャン、当時はやっていたボウリング、冬場はスキーといろいろ楽しんだものですが、大学院に進学して以降は趣味というとほぼ音楽だけなので、音楽について書こうと思います。
小学生の高学年頃から音楽を聴くことにはまった私は、自分でもやってみたくなり、中学生の時に両親にねだってフォークギターを買ってもらいました(当時の中学生のお小遣いでは手が届きませんでした)。学部生の時には、「ロッククライミング」という、当時は大久保キャンパス(現在の西早稲田キャンパス)に部室があったサークルでバンド活動をしていました。Rhythm &Bluesや、サイケデリックロックといった音楽でした。現在は学生会館に部室があるようです。以来ずっとボーカルです。
大学院に進学して以降は聴くだけで、今わが家にはレコード2,500枚ほど、CDが3,000枚ほどあります。1枚も誰かに譲ったり、中古盤屋に売ったりしたことはありません。計算してみたことがあるのですが、レコードだけでも2年間毎日24時間聴き続けても全部を聴くことはできません。もう生涯聴くことのできないものの方が多いようです。それでも新譜を買ってしまうのはなぜだろうと自分でも思いますが、ジャケットを眺めれば好きな曲は頭の中で再現されるので、手元にモノがあるのは大事です。サブスクでは得られない自分の音楽体験の「見える化」ですね。誰に見せるわけでもないので完全に自己満足ですが、人生を豊かにしてくれる自己満足は大事です。
写真左:自宅に整然と並ぶレコードコレクションの一部
写真右:シンガーソングライターの山下達郎がデビューした伝説のバンド、SUGER BABEの歴史的名盤。「世の中に1,500枚程度しかないうちの1枚。僕の宝物です」
2008年の終わり頃に、当時渋谷にあった喫茶店から友人を通じて、「昔音楽をやっていて、そろそろまたやりたい人がいるのでは?」というお誘いを受け、演奏活動を再開しました。そうこうするうちに、ジャズミュージシャンと知り合うようになり、今では、定期的にライブレストランで演奏するようになりました。プロのミュージシャンと一緒に演奏するし、不特定多数のお客さまからお金をいただくので、それなりに準備と覚悟、クオリティーが必要です。なので、「オフタイム」ということでもありませんが、譜面を書くために音楽を勉強してみると極めてロジカルで、とても面白いものです。歌うことにおいても、体の使い方はロジカルです(知っていることと、できることは違います)。

2022年8月末日、東京・六本木にあるライブレストラン「All of Me Club」にて。都内数カ所のライブレストランで月に2回ほどステージに立つ
音楽は人の気持ちを和ませたり、癒やしたりしてくれます。コロナと戦争でとても難しい時代ですが、音楽はとても大切なものです。しかし、音楽の製作や演奏活動は、平和でなくてはできません。少しでも早く、平穏な世界が訪れることを祈って筆を置きます。

2022年7月には、山下達郎の80年代の楽曲を自身Jazzアレンジしたアルバム『MILLIONS of COLORS』をリリースした。写真右下に写るアーティストは松方先生! 3,000円(税込み)。ライブ会場で購入可