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~早稲田から米国へ~オンライン型留学を経験して

新鮮な視点から社会を見るきっかけになった

政治経済学部 4年 岡 慧(おか・けい)

私は2020年8月から2021年5月まで、Global Leadership Fellows Program(GLFP)という留学プログラムを通して米国のジョンズ・ホプキンス大学にオンラインで留学しました。かねてより私は、留学を通じ優秀な学生たちと肩を並べて勉強し、多様な価値観や考え方について理解を深めたいと考えていました。この目標を実現する上で最適な選択肢として、GLFPを通した留学を決意しました。

ジョンズ・ホプキンス大学では、私の専門分野である政治経済学分野を中心に授業を受け、当時話題となったBlack Lives Matter(BLM)運動に関連し、多様性や経済格差についても学びました。実際、ジョンズ・ホプキンス大学があるメリーランド州ボルチモアでも、コロンブス像が海に投げ込まれるなど人種差別に抗議する動きが多く起きていました。また、自分の趣味に関連した考古学や美術史などの授業も容易に受講することができ、専門分野と趣味の分野をバランス良くカリキュラムに組み込むことができました。その結果、オンライン型留学では想像以上に満足のいく学習ができました。

授業の理解度確認として、Instagramへの投稿が課されたことも。「古代エジプトの商業化」について学んだ授業の際に私が投稿した、メトロポリタン美術館の古代エジプト美術をモチーフにしたメモスタンドの写真です

今回の留学中に受講した数多くの授業の中で、最も印象に残っているものは、ボルチモアの社会政策についての授業です。この授業ではさまざまな統計データなどを用いて、ボルチモアの社会問題の原因を探り、解決策を考えます。日本ではあまり議論されない、人種による経済格差や、貧困から脱することができない社会の仕組みなど、自分にとって新鮮な視点から社会を見るきっかけとなりました。

オンラインでの留学中に発見したことは、従来の現地に赴く「渡航型留学」に近い経験ができることでした。さらに、オンラインだからこそ可能だったことも多くありました。例を挙げると、私のためにオフィスアワーを日曜日に設定してくださる教授もいらっしゃいました。これはZoomで実施できるからこそのことだったのだろうと思います。

また、ボルチモアと日本との時差は14時間(夏時間は13時間)あるため、平日は昼夜逆転の生活を送っていました。18時に起きて家族と夕食(私にとっては朝食)をとり、22時頃から翌朝6時頃まで授業を受けていました。その後、家族と朝食(私にとっては夕食)をとってから正午頃に就寝というスケジュールでした。平日は米国時間で過ごし、現地のクラスメートとはZoomでコミュニケーションをとりながらも、週末は主に日本時間で過ごしたため家族と買い物へ行ったり、友人と会ったりしていました。これもオンライン型留学ならではの経験だったといえるでしょう。

写真左:左はコーヒーや茶などの歴史を経済学的視点から考える授業で使用した教科書。右はメソアメリカ美術の授業で使用した教科書。オルメカ文明やアステカ文明などにおける、政治や経済活動などの人々の生活を、美術品から解き明かしていく授業でした
写真右:ほとんどの授業で教科書がオンラインで配付されました。大抵、授業前に教科書のリーディングが課されるので、私は配付された教科書を印刷し、予習時にメモを取るなどして授業に備えました。なお、リーディングは100ページ単位で課されたので、留学を終えるまでに印刷した教科書は膨大な量になっていました

~米国へのオンライン型留学を通して驚いたこと~

オンライン授業のディスカッションの様子。時には激しく意見をぶつけ合うという場面もありました

授業中の学生の積極性に驚きました。米国の大学ではディスカッションが活発に行われることは知っていましたが、実際の授業では想像以上に白熱した議論が繰り広げられていました。当初は戸惑いましたが、2週間ほどで私も積極的に発言できるようになりました。このような環境で過ごす中で、お互いの意見を尊重し、建設的な意見を出すことで、議論前よりも洗練された考えを持つことができるということを実感できました。また、教授と学生の距離が近い点にも驚きました。授業中の議論の中に教授が参加することも多く、授業は「教授に教えていただく場」というよりも、「教授の考えに挑戦する場」という性質が強いと感じました。

米国・メリーランド州はこんなところ

米国内で最も古い州の一つで、東海岸の大西洋沿いに位置する。州都はアナポリス。州最大の都市であるボルチモアは、首都ワシントンD.C.の外港としての機能を有する重要な港湾都市で、商業と文化の中心。時差は日本より-14時間(夏時間は-13時間)。

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