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ダニング・クルーガー効果 ー能力と自己評価の相関ー

心理学の分野で「ダニング・クルーガー効果」と呼ばれる認知バイアスに関する仮説が知られている〔Kruger J and Dunning D, J. Pers. Soc. Psychol. 77 (1999)〕。筆者は心理学者ではないので特に詳しいわけではないが、イグノーベル賞も受賞した有名な仮説のようだ。では一体どのような仮説なのかというと、「能力の低い人ほど自己評価が高く、高い人ほど自己評価が低い」ということらしい。例えば、あるクラスでテストを実施し、クラスにおける自分の順位を予想させると、成績の悪い人は実際よりも高い順位を予想し、成績の良い人は低い順位を予想する傾向があるということのようだ。

「能力の低い〜」の部分に関しては、昨今の受験などに関するさまざまな報道に接していると頷(うなず)ける部分も多い。また、実生活でも自信過剰な人に振り回されて大変な思いをすることもあるだろう。一方、「高い〜」については、謙虚な人だなと思うくらいで実害はないためそれほど印象に残らないが、成績優秀なのに妙に自信のない学生もいるので、これもダニング・クルーガー効果なのだろう。

さて、学問的成果を実生活に役に立てようという立場から、筆者の実践しているダニング・クルーガー効果の活用方法を紹介しよう。

  1. 大したことないのにマウントをとってくる人に対しては、「はいはい。ダニング・クルーガー効果ね」と思って心の平穏を保つ
  2. 勉強や仕事に自信が持てないときは、「ダニング・クルーガー効果で負のバイアスがかかっているのでは?」と思って冷静に自分の状況を整理してみる

皆さんもお試しあれ。

(A.N.)

第1118回

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