Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

ラグビー早慶・早明戦 新監督の下「Be Hungry」で王座奪還を目指す!

早慶戦 11月23日(祝・火)、早明戦 12月5日(日)開催。今年も秩父宮で応援しよう

11月3日に行われた今季の対抗戦5戦目、帝京大学戦。最終スコア22‐29で、早大は今季初めての黒星となったが、対抗戦は終わったわけではない。早慶・早明戦、残りの2戦で全勝を目指す!(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

昨季、コロナ禍での難しいシーズンを戦った早稲田大学ラグビー蹴球部。結果、「関東大学ラグビー対抗戦(以下、対抗戦)」は2位、連覇を目指した「第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会(以下、大学選手権)」も準優勝と、どちらも栄冠にあと一歩及びませんでした。

雪辱を果たすべく、今季は大田尾竜彦監督が就任。現役時代に日本代表経験もあるなど豊富な実績を持つ新指揮官の下、対抗戦ではここまで4勝1敗。残る2戦は早慶・早明戦。負けられない伝統の試合に挑みます。

『早稲田ウィークリー』では大田尾新監督をはじめ、1年次から主力として活躍し、2年前の優勝も知る長田智希主将(スポーツ科学部 4年)、一度は入部テストに落ちた経験がありながらも主力に上り詰めた不屈の男・桑田陽介選手(スポーツ科学部 4年)の3人にインタビュー。新生・早稲田ラグビーはどんな組織を目指すのか?  間近に控える対抗戦、早慶・早明戦に対する意気込みと共に聞きました。

何よりもまず、学生たちが輝ける組織に

監督 大田尾 竜彦(おおたお・たつひこ)
2003年度早稲田大学ラグビー蹴球部主将
県立佐賀工業高等学校出身

学生時代はスタンドオフ(SO)として活躍。大学3年生の時には大学日本一を経験し、4年生では主将を務めた。ヤマハ発動機ジュビロでも2014年度にチーム初の日本選手権優勝に貢献し、日本代表として7試合に出場

――監督就任にあたって、まず考えたことはなんでしょうか?

話をいただいて、どんな組織になるのがふさわしいのかをじっくり考えました。そこで出た結論は、学生の主体性・自主性を育てながら日本一を目指すこと。何よりもまず、学生たちが輝けるような組織にしたい、ということでした。

この部にいる学生は「早稲田のラグビー部に入りたい」「赤黒ジャージを着たい」という強い思いを持って集まった人間ばかり。早稲田ならではとも言えるこの強い決意を存分に発揮するためにも、他のチームとは違う何かを極めることで日本一を目指そうと思いました。

今年のスローガンは「Be hungry」。ハングリー精神なくして勝利なしという意味の他、一日一日を大事にして貪欲に成長し続けること、1センチ、2センチにこだわって追求し続けることがこのスローガンに込められている(写真提供:早稲田大学ラグビー蹴球部)

―― 具体的に取り組んできたことは?

今年は「脚の力」というキーワードで練習にも取り組んでいます。昨年の戦いぶりを外から見て感じたことは、まだまだ身体を全部使い切れていない、ということです。そこで、以前、早稲田大学レスリング部でコーチ経験のある太田拓弥さんを招へいし、身体の使い方、脚の使い方を指導してもらっています。

春は本当にたくさんのことにチャレンジしたので、学生たちも大変だったと思います。ただ、そこを乗り越え、自分たちでも手応えをつかめたであろう夏場以降は、学生たちがリーダーシップを発揮できるよう、主体性の部分に期待を込めています。

具体的には、主将の長田に「自分たちはどうしたいの?」という話をよくしてきましたし、そこから「要求」というワードが生まれました。自分だけがやるんじゃなく、人にもそれを要求する。そしてチーム全体で強くなる。その部分は非常に成長したというか、一皮むけたんじゃないかなと思います。

―― 監督自身が考える、早慶・早明戦の重みとは?

自分自身、満員の観客のもとでプレーしたのは早慶戦が初めてでした。本当に異様な空気感があったことは今でも覚えていますし、そういった環境でプレーするからこそ、早慶・早明戦でチームのギアがググッと上がっていきます。逆に言うと、優勝する代はここでの成長具合が大きい。大学日本一になって『荒ぶる』(※)を歌うためにも大事な戦いです。4年生にとっては最後の早慶・早明戦。最後の伸びしろをもっとかみ締めてほしいですし、一瞬一瞬をもっと大事にできるんじゃないかなと期待しています。

色紙に書いていただいた、早慶戦・早明戦への決意。対抗戦優勝へ、そして『荒ぶる』奪取へ勝利をつかみに行く

また、観戦する立場からすると、早慶・早明戦は「そこにいるだけで楽しい」という空間ができあがっています。それを満喫できるのは早大生ならではの特権。席数は限られますが、その雰囲気をぜひ満喫してください。学生たちは厳しいトレーニングの末、約120人の部員の中からジャージを勝ち取ったプライドのある選手たちです。彼らが躍動する姿を応援していただければ幸いです。

(※)大学選手権で優勝し、大学日本一を達成したときにのみ歌う、早稲田大学ラグビー蹴球部の第二部歌。

チームに芯を通し、勢いを生む選手に

スポーツ科学部 4年 長田 智希(おさだ・ともき)
主将・センター(CTB)
東海大学付属大阪仰星高等学校出身

―― 昨年度は対抗戦2位、大学選手権準優勝と頂点まであと少しでした。その「少し」を埋めるために必要なものとは?

大学選手権決勝の天理戦は、コンタクトの局面で受け身に回ってしまったのが敗因だと考えています。今季はその課題を受け、まずはフィジカル面で負けないようにレスリングの練習を取り入れるなど、下半身強化に取り組んできました。

今年のスローガンは「Be Hungry」。常に成長を追い求め、チャレンジする心を持ち続けようと、このスローガンにしました。下半身強化を含めて、全員の共通認識で挑んでいる部分ですので、「引かない早稲田」を今年はお見せできるかなと思います。

2年ぶりの長野県菅平での夏合宿にて。長田選手と共に、東海大仰星高校3年時に全国高校ラグビーの優勝メンバーであり、大学1年生から半数以上の試合にスタメン出場しているフルバックの河瀬諒介選手(スポーツ科学部4年)との一コマ(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

―― 新監督のもと今季はどんなチームになりましたか? また、自慢のバックス陣の仕上がりはどうでしょう?

戦術面を含めて、目指すラグビーは大幅に変化しました。具体的に言うと、一人一人の役割がより明確になっています。アタックをする際も、各ポジション、選手個々の役割が明確になったことで、より厚みのあるアタックや継続したアタックを展開できるようになったと思います。

バックス陣として今年のテーマはこれ、というものは決めていませんが、やはり早稲田といえば、バックス陣で勢いをつけて得点を重ねていくチームです。フォワード陣の踏ん張りを最大限に生かすためにも、僕らバックスが勢いを生むんだ、という意識は例年以上に強いですね。

9月12日、無観客で行われた立教大学戦で果敢なボールキャリーを見せた長田選手。早大は試合開始直後から素早い展開で相手を圧倒し、70-0で快勝した(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――その中で、長田選手個人として意識していることはなんですか?

僕個人としては、昨年までの13番から12番にポジションが変わりました。同じ「センター」と呼ばれるポジションですが、12番はより相手に近いエリアで突破していく役割であり、ボールを持つ回数も増えました。

監督からも、「12番はチームに芯を通す選手だ」「キャプテンとしてだけでなく、12番としてもチームを引っ張っていける存在になってほしい」と言われています。そのポジションにふさわしいプレーができるよう、まずは自分がディフェンスを突破するなど、チームに勢いを与えるプレーを意識しています。

―― 最後のシーズン、そして早慶・早明戦にかける思いを!

それまでの対抗戦の結果や流れは関係なく、直接対決してみないとどちらが勝つか分からない、というのが早慶・早明戦です。その厳しい戦いをしっかり勝って、日本一へ勢いをつけたいと思います。

2年生のときに大学日本一を経験できたことは、僕たちのチームにとって大きな財産です。そのことを意識しつつ、2年前とはまた違った自分たちの早稲田ラグビーで日本一を狙っていきます。

今年の夏合宿にて。4年生の集合ショット

最前線で愚直に体を張れるかがテーマ

スポーツ科学部 4年 桑田 陽介(くわた・ようすけ)
ロック(LO)
県立明和高等学校出身

――早稲田ラグビーに憧れたきっかけは?

小さい頃にテレビで見た大学選手権の試合で、早稲田の赤黒ジャージに憧れを抱きました。ただ、一浪しても受かることができず、一度はラグビーを離れて別の大学を受験しようと決めていました。でも、二浪目の受験前に、早慶戦の映像を見てしまったんです。そのラグビーがかっこよくて、「やっぱり早稲田に入りたい」と再認識。そこから一念発起し、早稲田に入ることができました。

2年のブランクは大変で、一度は入部テストで不合格に。でも、相良前監督に「どうしても今年入りたいんです」と直談判したところ、3カ月後にもう一度入部テストのチャンスをいただき、なんとか入部することができました。

――入ってみて実感できた早稲田ラグビーの魅力とは?

年齢も学年も関係なく、ラグビーの力に対してフラットな視点で評価してくれるところです。2浪した自分もそうですし、現1年には3浪して入った選手もいますが、どのコーチ陣も「フラットな視点で」という部分はブレずに評価してくれます。自分が頑張った分、努力した分、返ってくるものがあると感じています。

10月23日に行われた青山学院大学戦では、最終スコア61-13で対抗戦4連勝を飾った。相手を突破する桑田選手(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

その上で今季は監督が変わり、ラグビーの戦術やシステムも変わった中で、4年生として自分がまず下級生に見せていくべき立場にいます。新システムに慣れるまでだいぶ苦労しましたし、自分もけがで出られない時期もありましたが、ここにきてようやく順応できてきたと思います。

――今季のフォワード陣や桑田選手自身の課題はなんでしょう?

昨季からの課題は、フォワード陣がどれだけ勝負できるか。バックス陣はタレントぞろいと言われている分、フォワードが負けてしまうと悪目立ちします。セットプレーやスクラム、ラインアウトの精度というのはまだまだ課題も多く、そこをどれだけ突き詰められるか、対抗戦が始まってからも取り組んでいるところです。

自分の「ロック」というポジションは、どのチームでも一番身体の大きな選手が務めます。その選手がどれだけ前に出られるかで、チームに与える勢いも変わってきます。僕自身は器用なプレーも派手なプレーもできない分、試合でも練習でも最前線で愚直に体を張れるかをテーマにしています。

―― 最後の早慶戦、早明戦にかける思いを!

僕自身が「大学ラグビーをやりたい!」と思ったきっかけですし、いつも以上に落とせない一戦です。その大切な試合でどれだけ体を張り続けられるか。今年掲げた「Be Hungry」のスローガンのもと、自分たちも日々成長しながら、足りないものは何かを考えながらプレーしています。そんな僕たちの奮闘する姿をぜひ見ていただきたいです。

色紙に込めた、早慶・早明戦への決意

取材・文:オグマナオト(2002年、第二文学部卒業)
Twitter:@oguman1977

試合スケジュール
【早慶戦】11月23日(祝・火) 14時キックオフ @秩父宮ラグビー場
【早明戦】12月5日(日) 14時キックオフ @秩父宮ラグビー場
▶ラグビー蹴球部  WebサイトTwitter(@waseda_ragby)
チケット販売について(関東ラグビーフットボール協会)
観戦ルールとマナーについて

公認サークル「早稲田スポーツ新聞会」

1959年創立。早稲田大学体育各部44部の活躍を報道している、学生スポーツ新聞の先駆け的存在。取材・撮影・執筆・編集の全てを学生のみで行う。年12回(+号外)新聞を発行しているほか、Webサイトでは試合記事を日々更新。通常号の新聞は学内などで無料配布(早慶野球号のみ1部100円で販売)している。
Webサイト:http://wasedasports.com/
Twitter:@waseda_sports

【次回フォーカス予告】11月22日(月)公開「読書(ロシア文学)特集」

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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