最近、父が亡くなった。頑固ではあったが非常に愛らしい父でもあり、私にとっては最愛の人の一人である。最後の1年は、コロナ禍だったことや自身の子育てなどが重なり、帰省が非常に難しく、1回の帰省を除いては、どんどん弱っていく父親の様子を電話越しで伝え聞く苦しい1年であった。それでも、最後の10日間くらいは危篤の連絡を受け駆け付けることができ、制限はあるものの病院での面会が可能となり、「ありがとう、私はとても幸せだったよ」と伝えることができた。コロナ禍で会えないことも予測できた中で、この感謝を伝えられたことに今、心が救われている。
先日卒業式が行われた。卒業生の皆さんの中にはこれから地元を離れるという方もおられると思う。また、仕事に没頭するあまり、大切な人に会う時間がなかなか取れないこともあるかもしれない。普段感謝を伝えたい人にどれだけ伝えられているだろうか。会いたい人になかなか会えないことが現実になった今、「ありがとう」は伝えられるときに伝えておこう。
(MM)
第1095回