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フィギュアスケート永井優香 今季引退で「全日本では感謝の演技を」

「今後は一ファンとして、フィギュアスケートを応援し続けたい」

スケート部 フィギュアスケート部門
主将 社会科学部 4年 永井 優香(ながい・ゆうか)

ホームリンクのダイドードリンコアイスアリーナにて(撮影:石垣星児)

2020年10月開催の「2020東京フィギュアスケート選手権大会」で優勝したスケート部フィギュアスケート部門主将の永井優香選手。続く11月に行われた「第46回東日本フィギュアスケート選手権大会」で6位に入賞し、7年連続7回目の「第89回全日本フィギュアスケート選手権大会」(以下、全日本選手権。12月24~27日開催)への出場を決めました。これまで国際大会でも活躍してきた永井選手ですが、大学卒業を機に今シーズン限りで引退することを表明しています。自身最後の全日本選手権を前に、競技生活の思い出や卒業後の進路、そして大会への意気込みについて聞きました。

――フィギュアスケートを始めたきっかけを教えてください。

6歳頃、テレビで浅田真央さんの演技を見て、「すごい! 自分もやってみたい!」と思ったことがきっかけです。浅田さんがピンク色の衣装でクルクルと回っているのを見て心引かれたんです。それからスケートリンクに遊びに行くようになり、母に頼み込んで家の近くにある教室で小学2年生から本格的に習い始めました。

フィギュアスケートを始めて間もない頃。トリノ五輪で金メダルを獲得した荒川静香選手のフリー演技(FS)の最後のポーズをまねして

――その後、高校1年生の時に出場した2014年の全日本選手権では、初出場ながら4位入賞、2015年に行われた「ISUグランプリスケートカナダ」で3位に入賞するなど、世界大会でも活躍してきた永井選手ですが、早稲田大学に入学を決めた理由は?

撮影:石垣星児

早稲田大学にはスポーツと学業を両立している方が多い印象があり、憧れを抱いていました。また、村主章枝さん(2003年教育学部卒)や荒川静香さん(2004年教育学部卒)など、フィギュアスケート界でも偉大な先輩方を輩出しており、自分も後輩になれたらと思っていました。高校までフィギュアスケートに没頭してきたため、大学ではスポーツ以外のことを中心に学びたいと考え、自己推薦入試で社会科学部を受験しました。

2015年に行われた「ISUグランプリスケートカナダ」で3位に入り、海外勢と肩を並べてメダルを掲げる永井選手(右端。写真提供:共同通信)

――大学では、どのように学業とスケートを両立していましたか。

時間管理を工夫することを心掛け、ちょっとしたすき間時間をうまく使うことを意識していました。コロナ前は、6時から7時半まで東伏見の練習拠点(ダイドードリンコアイスアリーナ)で朝練を行い、その後早稲田キャンパスで1限から授業を受けていました。午後の授業がなければ、東伏見に戻って14時から一般滑走の時間帯に練習。その後一旦帰宅し、夜にまた東伏見で練習を行っていました。一日にスケートリンク場、大学、自宅の間を何往復もするため、電車には本当によく乗っていましたね。

電車の中では、行きは授業の予習を行い、授業の帰りは練習に備えて仮眠を取っていました。ハードなスケジュールの中、どれだけ時間をうまく使えるかが自分の中での楽しみの一つになっていました。

スケート部同期とのオフショット。フィギュアスケート部門主将として皆で尊重し合い、切磋琢磨(せっさたくま)していけるような雰囲気作りを心掛けているそう(左端が永井選手)

――コロナ禍による練習への影響はありましたか。

緊急事態宣言下は練習することができず、丸2カ月リンクで滑ることができませんでした。これほど長い間滑らなかったのは、14年のスケート人生で初めての経験でした。2カ月間も氷上で滑っていないと、感覚を取り戻すのは本当に大変です。練習再開初日は、前から後ろにターンをするだけでも転びそうになるほどでした。その時は本当に焦りを感じましたが、氷上練習だけでなく陸上でのトレーニングを毎日行うことで、足腰の筋力も徐々に取り戻し、今では以前の感覚が大分戻ってきました。

今シーズンのフリー演技(FS)『エデンの東』振付レッスン中の一コマ

――大学4年間の競技生活で、挫折やスランプなどの経験はありましたか。

挫折と言えば、2018年、大学2年次に出場した全日本選手権が思い出されます。普段の練習や本番前の6分間練習では普通にジャンプを飛べていましたが、演技が始まった途端に何もかもが分からなくなってしまい、気付いたらジャンプでミスを重ねて終わってしまいました。全日本はテレビ中継もされるほど注目度の高い試合で、やはり独特の雰囲気がありますし、過去にその会場で後悔の残る演技をしたときの記憶がよみがえったのも原因かもしれません。試合後には、「今までの練習は何だったんだろう…」という、むなしい気持ちになりました。

しかし、そこから1年間リベンジを果たすために努力した結果、昨年の全日本選手権ではシーズンベストを大きく更新するなど良い演技ができ、笑顔で終えられました。苦しい時期を経験したからこそ得られた喜びだったので、今となっては挫折も良い経験になったのかなと思います。

2019年の全日本選手権では好演技を披露。特にショートプログラム(SP)での演技は、大学4年間の中で最も印象に残っていると語る(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――大学卒業後の進路と、自身最後となる全日本選手権にかける思いについて聞かせてください。

2020東京フィギュアスケート選手権大会で優勝を飾った永井選手(中央。写真提供:共同通信)

大学卒業後は、スケートを引退して企業に就職します。スケートでは、いろいろな方と協力しながら一つの演技を作り上げていき、試合では自分にスポットライトが当たってきました。でも、私は誰かの役に立っていることを感じるときが一番落ち着き、力を発揮できるのかなと思っています。これは、スケートを通じて得た気付きでした。卒業を機に選手としてはフィギュアスケートから離れますが、今後は一ファンとして応援し続けたいです。

そして、ラストとなる全日本選手権では、今までお世話になった方々へ感謝の思いが伝わるように、心を込めて演技したいと思っています。今年の試合会場である長野県のビッグハットは、高校1年生で初めて全日本選手権に出場した場所。思い出の地で演技する機会に恵まれたことは本当にうれしく思います。初心にかえった気持ちで演技をしたいです。

2020東京フィギュアスケート選手権大会でのショートプログラム(SP)での演技(写真提供:共同通信)

第776回

取材・文:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
教育学部 2年 長谷川 拓海

【プロフィール】
東京都出身。駒場学園高等学校卒業。2014年「第83回全日本フィギュアスケート選手権大会」4位、2015 年「ISUグランプリスケートカナダ」3位、同年「ISU四大陸フィギュアスケート選手権大会」6位入賞。2020年は、「東京フィギュアスケート選手権大会」優勝、「第46回東日本フィギュアスケート選手権大会」6位に入賞し、自身最後の全日本選手権出場を決める。社会科学部では企業活動研究の井上正ゼミに所属。趣味はドラマ鑑賞、おいしいものを食べること。
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