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教員になりたい学生に「STEM教育」を教えるには

オンライン時代に即した教育スタイルを実践から検討

大学院人間科学研究科 修士課程 2年
丸山 雅貴(まるやま・まさき)

皆さんは、小学校・中学校・高校などで、どのような授業を受けてきましたか?

国語や数学、理科など、さまざまな教科の記憶を思い出す方が多いのではないでしょうか。私は、そんな教科の枠組みを超え、横断的に探究をしながら、問題の発見や解決を目指した教育スタイルの研究をしています。

21世紀以降、国際的に広がりつつあるのが「STEM教育」です。STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとったものです。STEMはアメリカの科学教育改革によって生まれた考え方で、ヨーロッパやアジアでも盛り上がりを見せています。日本の高校の授業においても、これまでの「総合的な学習の時間」に替わって、最近では「総合的な探究の時間」が導入されているように、探究のプロセスを経ながら問題の発見・解決を行うことが重視されています。

しかしながら、日本の学校現場では、STEM教育を取り入れるために残された課題があります。その一つが、STEM教育を教えるためのスキルを有する教員が少ないことです。学校の教員は、極めて多忙であることが以前から問題視されています。そのため、STEM教育のような新しい教育スタイルについて学ぶ時間を、十分に取れないのが現状でしょう。加えて、教員になるために大学で学ぶ段階で、なかなかSTEM教育の指導について学ぶ機会がないという現状があります。そこで私は、教員を目指す学生にSTEM教育について教えることで、指導できるだけのスキルを習得させることができないかを研究しています。その一環として、昨年度は教員を目指す学生が履修する科目で、STEM教育に関する授業の実践に挑戦しました。

2019年12月に開催された日本科学教育学会の研究会にて、ポスター発表を行いました

大学院ではこのような研究の他に、ティーチング・アシスタント(TA)としての活動にも力を入れています。その中の一つが、春クォーターで「情報メディアを活用した教育」について扱っている大学院の授業です。この授業は例年オンデマンドで行われているのですが、授業の内容をより理解してもらえるように、多くの工夫をしました。例えば、オンデマンド授業の課題にはフィードバックが少なくなってしまうことが挙げられることから、その解決策として、毎週木曜日に「Lunch Break」という名の時間を設け、質問の受け付けや、提出された課題のフィードバックを行いました。

また、この授業では、担当教員である森田裕介教授(人間科学学術院)自身がYouTuberを研究し、学生が普段から見慣れているようなタイプの映像で興味を引きつけるようにも工夫されていたのですが、この授業を収録している様子がTOKYO MXのニュース番組でも取り上げられました(興味を持った方はぜひ見てください!)。

私はもともとこのような情報メディアを活用した教育に関心を持っており、これまで大学の授業などを通じて教育の情報化について学んできました。今後はオンライン時代に即したSTEM教育がどのようなものであるか、実践を通じて検討していきたいと考えています。

2019年9月、研究室のメンバーで米国・マサチューセッツを訪問。マサチューセッツ工科大学のラボやedX(エデックス)本部を見学したり、現地の学生と交流しました(前列右が森田教授、後列右から3人目が筆者)

ある日のスケジュール
  • 07:00 起床
  • 08:00    朝食
  • 11:00 散歩
  • 12:00 Lunch Break(大学院のオンデマンド授業の一環で、情報交換する時間を設けています)
  • 13:00 昼食
  • 14:00 学部生のゼミ(TAとして、研究事例の紹介などをしながらサポートしています)
  • 19:00 夕食
  • 20:00 オンライン授業を受講(7限まで授業がある日も。少人数なので、先生からもよく質問されます)
  • 22:00 授業の課題
  • 23:00 就寝

Collaborateを用いて研究の打ち合わせをしている様子

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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