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ラブソングから消費税まで!? 言葉を通して社会を読み解く言説分析

政治学演習 II【政治経済学部設置科目】

2020年度春学期はオンラインで実施しています。

政治経済学部 4年 望月 優樹(もちづき・ゆうき)

ゼミ発表会での筆者(2019年度秋学期)

長い歴史を持つ早稲田大学政治経済学部。その佇(たたず)まいから「お堅い」印象を抱かれることもあるようですが、実際には自由かつ柔軟な研究が盛んに行われています。私が所属するソジエ内田恵美先生(政治経済学術院教授)の「政治学演習」(ソジエゼミ)もその一つです。ソジエゼミはジャーナリズム・メディア演習として開設されたのち、2019年度から政治学演習へと変更された、いわば「ジャーナリズム領域と政治領域を横断するゼミ」です。

理由は「言説分析」という、このゼミで学ぶ研究手法にあります。言説分析とは、さまざまな「表象」に着目することで、その根本となる事象へアプローチする研究手法です。例えば新聞報道や演説、白書などの言説を分析することで、その表象を生んだメディアのイデオロギーや社会の価値観の変容を探るなど、政治的事象を表象に着目して読み解きます。

ゼミの様子。それぞれが自由に発言できる環境が整っている(左:2019年度夏季ゼミオリエンテーションにて、右:2019年度春学期)

ゼミでは、まず政治ディスコース(言説)研究の基礎理論や量的・質的研究手法を学んだ後に、その手法を生かして各自のテーマで卒業研究を行います。先輩には「M-1グランプリ」(※吉本興業主催の漫才コンテスト)のボケとツッコミをキャラクター論で読み解いたり、ラブソングにおけるジェンダー表象を扱ったりと、ユニークなテーマに取り組む学生もいました。また、ゼミ発表会ではお昼にピザパーティーを開くこともあり、先生を含め、みんなで楽しみながら学びを深めています。

2019年度秋学期に行われたピザパーティーの一コマ(右がソジエ先生)

量的分析:2014年(表上段)と2017年(表下段)の衆議院選公示前の消費税に関する社説を特徴付ける語(KHコーダーによるJaccard係数)。表のスコアが高い語ほど、対象の新聞社のみで出現する傾向がある(クリックして拡大)

私は昨年度「消費税増税に対する三紙の論調の変化」というテーマで研究を行いました。4人の班員で協力し、朝⽇新聞、読売新聞、日本経済新聞の三紙を分析。2014年と2017年に政府が消費税増税延期から増税へと政策を転換した際に、各新聞社が自らの立場をどう変えたのかを明らかにしようと試みました。

研究は「量的分析」と「質的分析」の二つによって進みました。まず行ったのが、量的分析です。各社のテキストを計量分析ソフトを用いて分析。その社に特有の「特徴語」などを抽出することで、政治的立ち位置に対する仮説を立てました。

その後、仮説を検証するために行ったのが「質的分析」です。客観的基準を設けた上で、班員おのおのが自分たちの目で各社社説を通読し、それぞれの社が主張を正当化する根拠を分類します。こうすることで二つの側面から社説に光を当て、研究を深化させるのです。

質的分析:新聞社の消費税増税への(非)正当化の根拠。読売新聞の例(クリックして拡大)

各新聞社の政治的立ち位置の変化に対する考察。左の犬のイラストが政府に批判的なWatch dog(監視犬型役割)、右の人のイラストが政府に迎合的なServant(召使型役割)を示している

このような本研究で培ったノウハウを生かし、卒業研究では「独居老人」にまつわる新聞報道を分析しようと考えています。コミュニティーの希薄化が叫ばれる現代において、彼らはどう報道されているのか、実社会に照らし合わせて分析することで、社会課題へとアプローチしていきたいです。

ゼミ生の集合写真(2019年度秋学期)

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