勉強、サークル活動、アルバイト…と忙しい日々を送る早大生にとって、ランチタイムは楽しみの一つ。早稲田大学周辺には飲食店が数多く集まり、おいしくてボリューム満点のお弁当の名店が点在しています。
地域に長く愛されている老舗の弁当屋や洋食店、カフェに加え、国際色豊かなエリアならではのエスニック系のお店など、選択肢が豊富にあるのが魅力。今回は、バラエティー豊かな人気店の お弁当を早大生が実食してレポート。おなかも心も大満足の10店舗20種類のお弁当を紹介します!
※記事中の価格は全て税込みで、取材時点の情報です。
早稲田キャンパス周辺
安い・早い・うまい・ボリューム満点の
多種多様なお弁当
【エビカツ弁当】
卵焼き
ごはん
スパゲティー
エビカツ
磯辺揚げ
漬物
早稲田大学中央図書館や早稲田キャンパス北門から出てすぐのグランド坂通り沿いにある、「早稲田のこだわり屋」。安い、早い、うまい、ボリュームたっぷりの4拍子がそろった作りたてのお弁当は、その数なんと40種類以上。日替わりメニューから、のり・唐揚げ・カツ系・カレー丼・中華丼まで、和洋中のあらゆるジャンルを網羅しています。
今回お店をレポートしてくれる早稲田ウィークリーレポーターの加藤志織さん(文学部 4年)は、中央図書館で勉強するときによく「こだわり屋」を利用するのだそう。
揚げたてがおいしいカツ系のお弁当は、店前にある早稲田大学留学センターの留学生からも人気だそう。彩りもきれいな「エビカツ」は、衣とエビの身に手作りの濃厚なオーロラソースがよく合う一品です。
【日替わり(油淋鶏)】
昼限定の「日替わり」メニューも人気で、豚肉や鶏肉、オムライス、チャーハンなど1カ月を通して内容が変わるため、毎日食べても飽きません。大きめの容器にぎゅっと詰められたお弁当は、濃い目の味付けとボリューム感で、がっつり食べたいときにぴったりです。
早大生の「心のふるさと」のようなお弁当屋を目指して
店主の高木周二さんは、もともとこの場所にあったお弁当屋を2000年に継承。「外観や内装はほぼ当時のまま」という店舗では、お客さんや歴代の早大生アルバイトたちの声に応えながら、少しずつメニューを進化させてきたのだとか。
図書館で勉強する学生や社会人の来店も多く、昼時には早大生や教職員、近隣で働く人たちの行列ができ、夕方前には全て売り切れることもあるそうです。
早稲田キャンパス周辺
早大生と共に歩む、創業61年の老舗洋食店
【ミキランチ】
ごはん
カレー
ハム・レタス
メンチカツ
チキンカツ
ナポリタン
漬物
「早稲田のこだわり屋」
と同じグランド坂通りに位置し、レンガ調の店構えが目をひく1963年創業の洋食店「キッチンミキ」。テーブル席とカウンター席がある小さな店内では、「ミキランチ」をはじめ、ハンバーグやカツ、ショウガ焼きなど14種類以上のメニューがそろい、そのほとんどが550円。
目の前のキッチンから提供されるできたての料理は、どれも店主の優しさを感じる家庭の味で、おなかも心も満たされます。ほぼ全てのメニューがテイクアウトOKです。
メニューの中でも大半のお客さんがオーダーするのが、名物の「ミキランチ」。濃厚なソースをまとったメンチカツとチキンカツが主役で、ごはんにはカレーが少しかかっていて、盛りだくさんでコスパ抜群のメニュー。名称は「ランチ」ですが、終日オーダーが可能です。
【チーズハンバーグ】
人気No.2は「チーズハンバーグ」。「ハンバーグ(550円)」にチーズが乗って、お値段そのままのサービスメニューです。手ごねハンバーグにチーズと自家製のデミグラスソースを合わせた、濃厚な味わいが魅力です。
9割が学生客で、学生とのコラボメニューも多数
お母様が始めた店舗を30年前に継いだ、2代目店主の山内康行さん。創業時のメニューはハンバーグのみでしたが、お客さんや学生アルバイトとの対話の中で少しずつメニューを拡大していったそうです。
「お客さんの9割は学生で、アルバイトも全員、早大生。アルバイトがいないとうちのお店は成り立ちません」と山内さん。店内には、学生バイトの手描きイラストのメニューが飾られ、昨年開催したという創業60周年のイベントでは、60人もの歴代アルバイトの校友が大集合したという驚きのエピソードも。まさに早稲田大学と共に歩んできた、学生のサポーターといえるお店です。
早稲田キャンパス周辺
ベーグルサンドやボックスランチを
テイクアウトできる人気カフェ
【スモークサーモン&クリームチーズベーグル】
レタス
スモークサーモン
クリームチーズ
ベーグル
大隈講堂の近くで2002年から続く、早稲田大学オフィシャルグッズのショップが併設された Uni.Shop&Café125
(以下、ユニカフェ)。オープンデッキもある開放的なつくりと周囲を緑に囲まれた抜群のロケーションが魅力です。
店内では、80種類以上のドリンクメニューの他、ベーグルサンドや日替わりランチなどの軽食、ガトーショコラやチョコスコーンをはじめとする自家製焼き菓子など、豊富なメニューが楽しめます。晴れた日にテイクアウトして、目の前の大隈庭園や大学構内のベンチなどでランチを楽しむのもお勧めです。
創業時からの看板メニューの一つが、ベーグルサンド。定番の「スモークサーモン&クリームチーズ」は、厚みのあるベーグルとまろやかな食感のクリームチーズ、サーモンの組み合わせがクセになる一品。その他「ローストビーフ&ポテトピューレ」「生ハム&チーズ」「ブルーベリー&クリームチーズ」など、全4種類から選べます。
【ハッシュドビーフ】
日替わりランチは8種類程度あり、中でも通年人気のメニューが「ハッシュドビーフ」。牛肉のうまみとタマネギの甘み、濃厚なデミグラスソースのハーモニーをごはんと絡めて楽しめる一品です。
お客さんの年代や国籍はさまざま。20年以上愛される憩いの場
ユニカフェに20年以上勤めてきたという、店長の小川幸子さんいわく、お客さんは早稲田大学の学生や教職員の他、近隣の住人や観光客も多く、国籍や年代もさまざまだそう。多様な人々が交流する場として、愛されています。
早稲田キャンパス周辺
茄子のうまみ広がる「茄子カラ弁当」が名物
早大生の胃袋をつかむ名店!
【茄子カラ弁当】
しば漬け
ごはん
唐揚げ
揚げ茄子
早大通りを曲がった所にある、早大生なら誰もが知っているであろう、通称「わせ弁」。オーダーを受けてから作るできたての温かいお弁当を求めて、開店直後から行列ができることもある弁当屋です。40種類以上のお弁当はどれもボリュームたっぷりで、なんとワンコイン以下のものまで。揚げ物や煮物などの手づくり総菜も充実していて、長年のリピーターも多い一軒です。
名物は450円の「茄子カラ弁当」。たっぷり乗った揚げ茄子と大ぶりの唐揚げがインパクト大で、甘めのタレと油、茄子のうまみが口の中に広がる人気の一品です。また、「カラマヨ明太子丼」も人気で、唐揚げにマヨネーズと明太子のソースを合わせた、濃厚な味とボリュームに満足のメニューです。
【カラマヨ明太子丼】
早稲田キャンパス周辺
本場のシェフ自慢のインドカレーと
窯焼きナンを提供
【キーマカレーセット】
サラダ
ナン
キーマカレー
タンドリーチキン
早大通りを曲がったところにあり、本格的なインド料理がリーズナブルに食べられるとあって、学生リピーターも多い「ナマステヒマール」。本場インドのシェフが丹精込めて作る種類豊富なカレーと、本格窯で1枚1枚丁寧に焼き上げたふっくらもちもち食感のナンが自慢です。カレーのお供にはナンかライスが選べて、辛さは甘口から激辛まで5段階の調節ができるため、辛いものが苦手な人も安心です。
老若男女問わず人気が高いのが、挽肉のうまみとスパイスが口いっぱいに広がるキーマカレーと、まろやかなバターの風味が広がるバターチキンカレー。18種類のスパイス入りヨーグルトに漬け込み、タンドールで焼き上げたタンドリーチキン、サラダがついたお得なセットです。
【バターチキンカレーセット】
早稲田キャンパス周辺
「ぼんご」出身の店主が手がける、
定番&変わり種メニュー
【左:肉そぼろ+卵黄醤油漬け 右:ねぎとろ+バター】
卵黄醤油漬け
肉そぼろ
ねぎとろ+バター
のり
ごはん
東京・大塚の老舗おにぎり専門店「ぼんご」出身の店主・川島亮人さんが、2023年にオープンしたおにぎり専門店「おにぎり屋かわしま」。早稲田キャンパス西門を出て、すぐのところにあります。メニューは30種類以上あり、「ぼんご」で人気の肉そぼろや高菜の他に、学生のために考案したヒレカツやウインナーなどの変わり種も。具材ごとの基本の値段にプラス100円で、チーズやバターを加えたり、具材の倍盛りや複数の具材を組み合わせたりと、自分の好みにアレンジすることも可能です。
一番人気の具材の組み合わせは、「肉そぼろ+卵黄醤油漬け」。4時間ほど醤油で漬けたトロトロの卵黄に、たっぷりの肉そぼろがマッチした本格的な味わいです。また、わさび醤油で味付けしたねぎとろに濃厚なバターを組み合わせた
「ねぎとろ+バター」も人気の一品です。
早稲田キャンパス周辺
看板料理はビリヤニ。
インド出身の店主が故郷の味を再現
【チキンビリヤニ】
バスマティライス
香草
ライタ(ヨーグルトソース)
骨付きチキン
フライドオニオン
インド・コルカタ出身の店主が作る、現地さながらの東インド料理が楽しめる「ムガル」。インドカレーの他、炊き込みごはんのようなプラオなどのお米料理がテイクアウト可能です。
中でもぜひ試したいのが、名物のビリヤニ。豊かなスパイスの風味が堪能できる東インドの蒸し混ぜごはんで、茹でたお米とカレーソースを一層一層重ね、鍋で仕上げたコルカタの伝統的なメニューです。
香り高いバスマティライスと具材のハーモニーは、一度食べたらやみつきになりそう。「チキンビリヤニ」の肉は骨付きの状態で入っているので、かじりつけるのがポイント。「マトンビリヤニ」のマトンは油分が少なくタンパク質が豊富で、食べ応えがありながらもヘルシーなのが特徴です。
【マトンビリヤニ】
戸山キャンパス周辺
校友のオーナーが手がける、
彩り鮮やかで栄養満点のお弁当
【ロコモコ弁当】
十五穀米
目玉焼き
ハンバーグ
人参しりしり
梅ひじき
枝豆のおかか和え
さつまいものくるみ味噌和え
2013年、当時早大生だったオーナーがブリュレフレンチトースト専門店としてオープン。現在、フレンチトーストの提供は早稲田本店のみですが、5店舗を展開する人気店です。コーヒーや手作りグラノーラなどの人気メニューの他、厳選の牛もも肉を使ったローストビーフ丼など、素材にこだわったフードも充実。
カフェの隣に併設された厨房(ちゅうぼう)「LABO」では、ケータリングサービスを行っていて、ランチタイムには手作りのロコモコ弁当や鮭の塩麴焼き弁当などのお弁当を販売しています。十五穀米を使用し、メインと総菜をぎゅっと詰めこんだ多品目のお弁当は、見た目も鮮やかで栄養バランスも抜群です。
【鶏の梅味噌照り焼き弁当】
戸山キャンパス周辺
色とりどりの断面が魅力的な
ごま油香るヘルシーキンパ
【ジンミー弁当】
ベジタブルキンパ
プルコギキンパ
キムチ、ナムル
チャプチェ
プルコギ
海鮮チヂミ
2024年4月、穴八幡宮の隣にオープンしたテイクアウトのキンパ専門店。手作りのキンパは、定番人気の「牛肉プルコギ」、野菜がたっぷり入った「ベジタブル」「チーズ」や「明太子」など全8種類。太巻きのキンパにはどれも具材がたっぷりで、栄養バランスも◎。ビビンバ、海鮮チヂミ、チャプチェなどのサイドメニューもあります。
イチオシは、人気メニューをハーフサイズで盛り合わせた「ジンミー弁当」。ヘルシーなベジタブルキンパとタレがおいしい牛肉プルコギキンパに、ゴマの風味が香るチャプチェ、プルコギ、海鮮チヂミが入った盛りだくさんの内容。野菜とお肉、炭水化物のバランスがちょうど良く、お勧めです。
【チーズキンパ】
西早稲田キャンパス周辺
肉本来のうまみが味わえる、
精肉店が作るお弁当
【チキンカツ弁当】
チキンカツ
キャベツ
高菜
レモン
マカロニサラダ
ごはん、梅干し
西早稲田キャンパスの近く、戸山公園入り口の商店街「オレンジコートショッピングセンター」内にある精肉店。国産の鶏肉と豚肉を中心に、お肉を知り尽くした店主が厳選した精肉を用いた作りたてのお弁当と総菜を販売しています。30種類を超えるお弁当は、注文後にあらかじめ用意してある調味料で素早く調理するスタイル。肉本来のおいしさを堪能できるお弁当を求めて、日々客足が絶えません。
売れ筋は、お弁当からはみ出しそうなビッグサイズのカツが乗った「チキンカツ弁当」 と、新鮮な豚肉とキムチのうまみが広がるスタミナ抜群の「豚キムチ弁当」
。がっつりと肉のうまみを味わいたいときに最適のお店です。
【豚キムチ弁当】
番外編
早稲田キャンパス周辺5店舗のお弁当が勢ぞろい!
大学構内の弁当屋
最後に、番外編として早稲田キャンパス7号館1階にある、「マチェリア」を紹介します。マチェリアは、早稲田大学周辺商店連合会(通称、W商連)が開いたお店で、加盟店のできたてのお弁当を販売しています。
「マチ+エリア」から付けられた「マチェリア」は、6号館と7号館の間の通路から入ってすぐ。ポータルオフィスの裏側にある。店舗では、飲み物やお菓子なども販売している
Ile des pain(イルデパン)、十文字、創作中華香港手作り点心チャイ、早稲田のこだわり屋、早稲田モンスターズキッチンの5店舗のお弁当を扱っていて、値段は全て600円! お肉類や丼ものなどのボリュームのあるお弁当が多く、お店によっては日替わり弁当も出しています。
写真は早稲田のこだわり屋のお弁当。揚げ物が多く、ボリューミー
お弁当販売は、11時半頃から。昼休み前の12時前頃から混み出すほど学生に愛されているお弁当屋なので、売り切れ必至! ぜひ早めにのぞいてみてくださいね。
編集・デザイン・コーディング:サムライト株式会社
取材・文:渡辺 満樹子
撮影:橋本 千尋