
9分野が世界大学ランキングのトップ100にランクイン
2017年3月に発表された研究分野別の世界大学ランキング(※1)で、100位以内に入った研究分野数が、前年の3分野から9分野へと大きく飛躍した早稲田大学。9分野というのは東京大学、京都大学、大阪大学、東京工業大学、東北大学に次いで、国内6位という分野数となります。さらにランキングを200位以内へ広げると24分野となり、早稲田大学は国内4位という、非常に高い評価を受けました。
この躍進の理由は何か? 今週の研究特集では、世界大学ランキングの詳細を紹介するとともに、国内1位・世界19位となった「Sports-related Subjects」の研究を担う「健康スポーツ科学拠点」(拠点長:矢内利政スポーツ科学学術院教授)の最前線を探ってみました。
※1) 英国の教育関連事業者「クアクアレリ・シモンズ社(Quacquarelli Symonds)」(以下、QS)が世界中の大学を評価し、46研究分野を対象とした「QS World University Rankings by Subject 2017(以下、QS分野別ランキング)」として発表した。
スポーツ科学分野は世界19位(国内1位)
早稲田大学は、中長期計画「Waseda Vision 150」において、「研究活動を広く世界へ発信し、その成果を人類社会に還元する『国際研究大学』」を目指すことを掲げて、さまざまな改革を進めています。「国際的に魅力ある大学となっているのかどうか」を知るための一つの方法として「世界大学ランキング」があり、早稲田大学はQS分野別ランキングを指標とし、2023年までに早稲田大学が関わっている18研究分野をトップ100位に入れることを目標としています。その中で2017年版で初めてランキング対象となった「Sports-related Subjects」は、国内1位・世界19位(※2)となり、非常に高い評価を得ることができました。
また、「分野別」より一段上の概念である「領域別」においても、「Arts & Humanities(人文科学)」で世界45位(国内3位)、「Social Sciences & Management(社会科学)」で世界59位(国内3位)、「Natural Sciences(自然科学)」で102位(国内8位)、「Engineering & Technology(工学)」で105位(国内8位)の分野数となりました。人文社会系から理工系まで、幅広く行っている研究が国際的に評価されていることが分かります。

100以内に入った研究分野は、国内屈指の評価を得ている
※2) QS分野別ランキングでは分野ごとに評価手法が異なるが、Sports-related Subjectsは「Academic Reputation(研究者評価)60%」、「Employer Reputation(雇用者評価)10%」、「Citations per Paper(論文引用インパクト)15%」、「h-index(論文の質と量)15%」で評価されている。
「Waseda Ocean構想」7モデル拠点
早稲田大学は文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」(以下「SGU」)の支援を得て、一つにつながっている、世界の七つの海をイメージした「Waseda Ocean構想」を掲げています。この構想は、世界の先導的な大学と早稲田大学が一つにつながり、世界中の優れた研究・教育者と優れた学生たちが自由に往来する大学を目指したものです。
2015年、「Waseda Ocean構想」を実現するために、早稲田大学は、国際的に評価が高い研究分野(1. 国際日本学、2. 実証政治経済学、3. 健康スポーツ科学、4.ICT・ロボット工学、5.ナノ・エネルギー、6.数物系科学)をモデル拠点として選定し、先行的に集中投資を行ってきました。2017年にはこれら6拠点に加えて、和解と持続可能な開発という二つのテーマを学際的に研究し、その成果をアジアから世界に向けて発信することを目的とした「グローバルアジア研究拠点」を設立し、国際的な存在感をさらに高めようとしています。