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特集

皆の応援が歴史をつなぐ 伝統の一戦 早慶戦

2015年度東京六大学野球春季リーグ戦特集

皆の応援が歴史をつなぐ 伝統の一戦 早慶戦 5月30日(土)5月31日(日)開催

4月11日(土)に開幕した2015年度東京六大学野球春季リーグ戦。今年も熱い戦いが行われます。神宮球場へ、応援に行き、110年以上続く歴史の目撃者になりましょう!

<早慶戦の歴史>

「早慶戦」の起源といわれる早稲田大学と慶應義塾大学による野球戦は、全国各地のアマチュア野球の形成・発展、プロ野球の発足へと続く日本野球の発展にも大きく貢献し、その礎となりました。

始まりは挑戦状

同年11月21日、快晴の中、三田綱町の慶應義塾運動場にて第1回早慶戦が行われました。結果は9対11で慶應義塾大学の勝利。これが後に伝統を誇ることになる「野球早慶戦」の始まりです。スポーツやその他分野での「早慶戦」は、ここから始まりました。

第1回早慶戦の早稲田大学・慶應義塾大学野球部の選手たち(大学史資料センター所蔵)

早慶戦の中止

1904年6月と10月、前年に引き続き早慶戦が行われ、翌1905年、日露戦争のさなか、早稲田大学野球部は、日本の野球チームとして初めての米国遠征を実施。野球の母国で最新技術を学び、帰国後、早慶定期戦を開催します。スタンドは常に学生で満席、早慶戦は年を追うごとに盛んになり、両校の対抗意識も並々ならぬものになっていきました。

そして1906年秋、2試合が行われた後、両校応援団が極度に熱狂し、あまりに興奮した彼らの殺気立った空気を憂慮して、慶應義塾大学の鎌田栄吉塾長が大隈重信邸、安部磯雄野球部長を訪問し、両校応援団の衝突を回避するため、早慶戦の中止を決定したのです。

安部 磯雄(1865年~1949年)

その後、明治大学、法政大学、立教大学との試合は行われましたが、早慶戦だけは行われることはありませんでした。早稲田大学側から早慶戦復活の申し入れは何度もなされましたが、早慶両校間の一切の対抗競技が中断され、19年の間、早慶戦の空白が続いたのでした。

天下の模範となることを

その後、東京六大学野球連盟が発足した1925年秋、早慶戦は単独試合として復活し、翌年春からリーグ戦の一部として開催されるようになりました。1925年10月17日、復活第一回早慶戦の試合開始前、安部野球部長は戸塚球場(現在早稲田キャンパス総合学術情報センターのある場所)2塁上にて観衆に対し、早慶戦復活と野球の発展、両校の応援が天下の模範となることを訴えたのに対し、観衆一同は感激し拍手で応え、歴史に残る試合が行われました。

昭和初期の熱狂的な応援席

戦況悪化と「最後の早慶戦」

1943年、六大学野球リーグ戦のともしびは戦況悪化に伴い、一時消えることになりました。10月16日、戸塚球場で実施された「野球の早慶戦」は「最後の早慶戦」といわれ、映画などにもなっています。太平洋戦争の末期、学徒出陣を控えた早慶両校の学生たちが、戦時下最後の早慶戦で、エールを交換し、生きて会える日が来ないことを覚悟しつつ別れていきました。

戦後、1945年10月28日、「早慶戦」が再開され、両校にとっての伝統の一戦として、今日まで行われています。

初代部長は「野球の父」安部 磯雄(あべ・いそお)(1865年~1949年)

野球部の初代部長は、1899年から1927年まで早稲田大学で教壇に立っていた安部磯雄でした。早稲田スポーツの基盤づくりに貢献し、フェアプレーの精神を普及した“野球の父”といわれています。1905年、アメリカ遠征をした野球部は、服装、用具、練習方法など“新しい野球”を学び帰国。安部は、この遠征で得た知識・技術を早稲田大学で独占するのではなく、日本野球界全体の発展のために全てを公開し、日本野球界に大きな革新をもたらしました。安部はこの功績により広く世間に知られ、野球殿堂にも顕彰されています。

教育者として部員を教え導いた安部は、授業が終わると球場のベンチに座り、練習する部員たちを見てから帰ることを日課にしていたといわれています。安部の胸像は、早稲田キャンパス総合学術情報センター入り口と東伏見キャンパスの野球部グラウンドに設置されています。

【監修】
政治経済学術院教授
野球部 第10代部長 川口 浩(かわぐち ひろし)
早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。専門は日本経済思想史。2004年11 月より野球部部長。

<歴史をつないできた学生たち>
1905年、第3回早慶戦で約200名の応援団がえび茶に白く「WU」と抜いた応援旗を打ち振り「フレー・フレー・ワセダ」と声を張り上げました。これが日本で最初の組織的な応援といわれています。

学生応援団をリードする 応援部

左:社会科学部4年 林 怜矢(はやし れいや)、右:創造理工学部4年 中谷 篤人(なかや あつと)

1940年創部。体育各部。早慶戦をはじめ、早稲田スポーツの勝利を目指し、リーダー・吹奏楽団・チアリーダーズの3パート編成で日々応援に励んでいる。早稲田大学体育各部を応援するほか、大学行事に参加し、校歌指導を行う。また、学内外でも多くのイベントを主催している。

私たちは年間を通してさまざまな体育各部の早慶戦を応援しますが、その中でも、野球部の早慶戦の盛り上がりはすさまじいものです。野球の早慶戦は110年を超える伝統を持ち、新入生は「早慶戦に行って初めて早大生となる」ともいわれています。特に4月に入学した新入生には春の早慶戦が行われる神宮球場に足を運び、早稲田を感じて、本当の意味での早大生になってほしいと思います。早慶戦を本気で体験できるのは早稲田と慶應義塾の学生だけです。その幸せをかみしめ、一緒に早稲田の勝利のため声をからしましょう!

歴史的瞬間は逃さない! 早稲田スポーツ新聞会

左:教育学部3年 三井田 雄一(みいだ ゆういち)、右:文化構想学部3年 芦沢 仁美(あしざわ ひとみ)

1959年創立。公認サークル(学生の会)。取材・撮影・執筆・編集の全てを学生のみで行う、学生スポーツ新聞の先駆け的存在。体育各部全44部の活躍を報道している。新聞は年12回発行、Webサイトは毎日更新。通常号は無料配布だが、早慶野球号のみ1部100円で販売している。

早稲田スポーツ新聞会(早スポ)では、春秋の早慶戦に向け『早慶野球号』を制作し、神宮球場で販売しています。時間をかけて準備してきた新聞を、多くのお客さんが広げて読んでくださっているのを目にしたときの感動は、言葉では表し切れません。六大学野球に憧れて早稲田大学を受験した私たちにとって、こうして関わっているのは夢のようです。リーグ戦全試合を取材のため訪れる私たちにとっても、早慶戦の雰囲気はやはり格別です。最高の瞬間をよりたくさんの人に伝えられるよう、早スポも共に走り続けます。

観客の入場整理・誘導はお任せ 早慶戦支援会

左:法学部3年 黒須 健幸(くろす たけゆき)、右:文学部3年 佐藤 絢香(さとう あやか)

1986年創立。公認サークル(学生の会)。秩序ある早慶戦を行うため、早大生が自然に集まり発足。早慶戦の観戦やPR、当日の観客入場整理および誘導を行う。早慶戦当日の活動に加え、球場周辺の清掃活動や、観客動員数を増やすための広報活動にも力を入れている。

早慶戦は、さまざまな方が見に来られます。学生はもちろんのこと、毎年、朝一番にえんじ色のシャツに角帽をかぶって並ばれるOB・OGの方もいます。特に春の早慶戦は、多くのサークルが新入生を連れて観戦に訪れるため、集合場所となるいちょう並木には長蛇の列ができ、入場までの待ち時間は活気にあふれています。私たちは列整理、誘導を行う傍ら、そんな早慶戦独特の雰囲気を楽しんでいます。早慶戦に足を運ぶ全ての方が気持ちよく入場できるよう、皆さんのご協力の下、われわれもベストを尽くします!

<新たな歴史をつくる 早稲田大学野球部>

監督 高橋 広(たかはし ひろし)

他大学とのカードと異なり、わが部にとって早慶戦での勝利は宿命であるといえます。早稲田大学野球部の誇りを懸け、何としても負けることはできません。学生野球最高峰の舞台である早慶戦のお客様の熱気、球場の雰囲気を自らの肌で感じ、自分たちの目指す野球を存分にお見せできるよう、全力を尽くします。

主将 スポーツ科学部4年 河原 右京(かわはら うきょう)

昨年は春秋ともに、早慶戦が優勝の懸かった対戦カードでした。しかし結果は両カードとも勝ち点を落としてしまい、優勝にはあと一歩届かず、勝ち点1を挙げることの難しさを痛感しました。昨年の悔しさを晴らすべく、一から出直した新チーム。早稲田の意地と誇りを懸け、全力で慶應義塾大学にぶつかります。

写真提供:早稲田スポーツ新聞会

【試合概要とチケット販売について】
◆試合日程
1回戦 5月30日(土)13:00 ~
2回戦 5月31日(日)13:00 ~
◆会場
明治神宮野球場
◆応援席券(1枚500円)販売場所
各キャンパス早稲田大学生活協同組合店舗
http://www.wcoop.ne.jp/sokei/
◆販売期間
5月21日(木)~チケット無くなり次第終了

*学生部より 野球観戦に際してのお願い*
マナーを欠いた行動は控え、早大生として節度ある行動を心掛けてください。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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