Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

早稲田を支える人 早稲田の歴史をつなぐ人

春、新入生の晴れの日に花を添える桜。お花見を楽しむ家族連れや学生のグループも多く見られる

今年の創立記念日は祝うだけでなく、今までを振り返り、これからを考える良い機会としませんか?私たちの学生生活は、多くの人たちの仕事によって支えられています。そのことに気付き、感謝の気持ちを持つことで、一日一日を大切に学生生活を送りましょう。

●木々や草花で心癒やすひと時を…
城北造園社長 清水安正さん

「これほどの庭園を持つ大学は、そうないのでは?外国からの来賓があったときには、必ずこの庭園を案内される先生もいらっしゃいます」。そう言って、自身の仕事場である大隈庭園に柔らかなまなざしを向ける清水さん。早稲田大学の樹木管理を預かる城北造園の代表取締役として、先代から数えて65年以上にわたり、緑豊かな庭園を守り続けてきました。

城北造園社長 清水安正さん

 

大隈庭園の由来は、江戸時代、彦根藩井伊家・高松藩松平家の下屋敷に造られた和様四条家風の庭園で、後にこの土地に邸宅を構えた大隈重信が自然律に従い改造し、大隈の没後は、大学に寄贈・公開されました。戦災で全壊に近い被害を受けたものの、大隈庭園を愛する多くの人々の努力により、ほぼ昔の景観どおりに復元されました。

「ガーデンハウス前から韓鐘閣(韓国在住の卒業生を中心とする韓国校友会により寄贈)にかけて植えてあるモミジは、皇居の苗を分けていただいたもの。巨大なソテツを支える芝生は、元は高麗芝でしたが、繁殖力の強い野芝が生えそろうようになりました。大隈会館の脇にある“大隈重信手植えのクスノキ”は、旧大隈会館の結婚式場前にあったものを、リーガロイヤルホテル東京の建設に伴い、今の場所に移植したのですが、総量約24tもの大木がよくぞ根付いてくれました」。

四季折々に変化し成長する木々や草花。焼けるように暑い日も、凍えるように寒い日も、清水さんの姿は大隈庭園にあります。「この仕事は決して重労働ではありません。ただ、高い木を手入れするには、はしごを掛け、さらに木の途中からはしごをつなぐ必要があり、ビルでいうと、6階の高さほどになります。そういった意味で、緊張感のある仕事だと思います。でも、雨の日の湿った土の匂いや、日々の季節の移ろいを感じられることは、庭師の特権でしょうね」。

冬、ソテツには「霜よけ」がかぶせられる。「本来の目的以外に、庭園の点景物としても必要ですね」(清水さん)

城北造園の角本和子さんによって、一年中隅々まで奇麗に掃除がなされている庭園

清水さんが庭師の仕事を始めたとき、日本は高度経済成長期にあったといいます。変わりゆく東京の街並みの中で、変わらない場所─。「ここは、学生の皆さんが楽しんでこその庭園。この先も、たくさんの人に見てもらえたらと思います」。

清水さんの早大生“今昔”考
グローバル化が進む今、一昔前の日本人特有の奥ゆかしさに代わり、感情表現が豊かで、しっかり自己主張できる早大生が増えたように思います。この変化は、その時々の置かれた状況によって良くも悪くも働くのではないでしょうか。思慮深さを併せ持つことが、これまで以上に求められるかもしれませんね。

早大生へメッセージ
芝生は“蒸れ”に弱いので、大隈庭園ではシートを敷かずに座り、手入れした芝の感触を味わってください。

安全な学生生活のために…
早稲田大学プロパティマネジメントの皆さん
右から千早聡さん、小倉優社長、小野克己さん、早坂鉄兵さん

早稲田大学プロパティマネジメントの皆さん 右から千早聡さん、小倉優社長、小野克己さん、早坂鉄兵さん

大学の不動産管理の他、キャンパスの清掃・警備・施設運営、入学式や卒業式といった大学行事のサポートなど、仕事の内容は多岐にわたります。まさに、学生生活を支える縁の下の力持ちであり、もしものときに駆け付けてくれる存在です。早稲田キャンパス28号館にある事務所を拠点に、それぞれの持ち場で仕事をされています。

早大生へメッセージ
急病など緊急時に対応できる体制を整えていますが、深刻な事態を防ぐためにも、まずは自分の健康を大切に!

●大隈講堂の鐘の音を守る
共栄音響社員 菅野光浩さん

共栄音響_社員 菅野 光浩

学内放送設備の保守と、大学行事で使用するマイクの調整など音声業務を担当している菅野さん。早稲田での25年の仕事人生に、7年前から大規模改修後の大隈講堂の時計と鐘のメンテナンスが加わりました。国の重要文化財であり、90年近く地域住民に正確な時間を告げてきた早稲田のシンボルに携わる苦心は、想像に難くありません。
早大生へメッセージ
この職場は私の自慢。それほど素晴らしい大学なのです。その自覚を持って早稲田の気風を大切にしてください。

●早稲田古書店街活性化に尽力
安藤書店店主 安藤彰彦さん

安藤書店 店主 安藤 彰彦さん

1969年、早稲田通り沿いに古書店として開業した安藤書店。かつては早大生だけでなく、寺山修司ら著名作家も店を訪れたそうです。現在、早稲田古書店街連合会の会長でもある安藤さんは、早稲田キャンパスにて毎年5月に開催される「青空古本掘り出し市」を取りまとめるなど、古書と学生をつなぐ活動も行っています。
早大生へのメッセージ
大学生なら本は読んでほしいね。面白い本はいくらでもあるから、何を読んだらいいか迷ったら尋ねてみて。

●思い出をペナントに残す
記念ペナントオギワラ店主 荻原久昭さん
サークルやゼミ、卒業や結婚の記念としてオリジナルペナントを制作。2代目店主の荻原さんは、文字・イラストのデザインから生地の切り出し、縫い付けに至るまで全てを一人で手掛けています。早大生やOB・OGはもちろん、政治家からの注文も多く、ブッシュ元大統領やクリントン元大統領へのペナントも制作したそうです。

記念ペナントオギワラ 店主 荻原 久昭さん

早大生へのメッセージ
学生のうちはやる気になれば何でもできる!つらい経験も実社会で生かされるから、何にでも挑戦してほしい。

 

宝泉寺_住職 大塚 亮英さん

●地域に開かれた寺を目指す
天台宗宝泉寺住職 大塚亮英さん
南門通り沿いの地に、約1,200年の長い歴史を刻む宝泉寺。江戸時代には早稲田キャンパスのほとんどが宝泉寺の寺領だったといいます。住職の大塚さんは、早稲田のサークルが企画するイベントに境内を提供するなど、宝泉寺初の試みに挑戦。地域に開かれ、人が集まる寺を目指して、早大生と積極的に交流を行っています。

早大生へメッセージ
大学と地域が協力することで共に活性化されます。遠慮せず、面白い企画やアイデアを話に来てください。
http://www.waseda-housenji.or.jp/

●安くておいしいお弁当を販売
イル・デ・パン店主 白井達昌さん

イルデパン_店主 白石 達昌さん

早大通り沿いにあるイタリアン&ハワイアンレストラン、イル・デ・パンでは、授業期間中ほぼ毎日、70食のお弁当を6号館1階で販売しています。「学生が楽しみに来てくれるのが何よりうれしい」という白井さん。一般販売用よりご飯やお肉を増量した作りたてのお弁当を、1個400 ~450円でご提供いただいています。

早大生へメッセージ
食に対してもっと興味を持ってほしい。早稲田には良い店がたくさんあるから、食べ歩き・飲み歩きをしてみて。

 

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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