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特集

なりたい自分を目指す! 体と心のコンディショニング術

大学生活にもなれてきて、つい気が緩みがちなこの時。心身を健康に保つためにも、体と心のコンディションはしっかりと整えておきたいものです。ここでは、健康な体と心を保つためのスポーツの有用性と体育各部に学ぶトレーニングを紹介します。

▲体育各部の学生は日頃どのように体と心を鍛えているのか。一般学生でも始められる体育各部の基礎トレーニングなどを紹介しています。

1.体編

健康維持・増進に重要な運動、栄養、休養のバランス
スポーツ科学学術院 教授 坂本静男

▲スポーツ科学学術院 教授 坂本 静男

“若年者にとっても、中高年者にとっても必要な、高度にバランスのとれた運動、栄養、休養”。この考えは、アスリートにとっても、一般人(非アスリート)にとっても、コンディショニングあるいは健康管理の上で重要なことです。

アスリートは、他のことを無視してでもトレーニングを多く行えば行うほど、競技成績が良くなると考えがちです。そのため、睡眠などの休養を減少させてでも、トレーニング時間を多く取ろうとします。また、減量すれば動きがスムーズになると考え、食事摂取量を必要以上に制限する傾向にあります。十分な休養を取り、適切な食事を摂った上で、適切なトレーニング(量も質も)を行うならば、アスリートは十二分に競技能力を発揮し、素晴らしい競技成績を残すことが可能です。

一般人では食事摂取量は10年ほど前と比較してもそれほど多くなっていませんが、運動量が徐々に減少していると報告されています。厚生労働省が以前より推奨している“1日歩数を1,000~1,500歩は増やそう”も実践されるどころか、逆に歩数は減少しているとのことです。ウォーキングのような“中等度強度”(一般的に多くの人にとって、きついとは感じない)の運動を定期的に行うことは、現在問題視されている“メタボリックシンドローム”の予防、あるいは治療を行っていく上で非常に効果的なことです。一般人の休養や栄養摂取は大きな問題はないようですので、定期的な運動習慣を持つことが、学生を含めて一般人にとって最も重要なことと考えます。健康維持・増進のために、ぜひ運動を日常生活の中に取り入れましょう。
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■さかもと・しずお
医師、医学博士。専門はスポーツ医学、健康医学。日本体育協会スポーツドクター、日本体力医学会理事、アジアスポーツ医学連盟理事などを務める。

■今日から実践! 体育各部に学ぶ基礎トレーニング

普段スポーツをしない学生でも、気軽に取り組める基礎トレーニング方法を紹介。

早稲田大学ラクロス部監修:ヒップアップに効果的なトレーニング

(1)息をゆっくり吐き、お腹を凹ませながら力を入れます。

Point! お腹に手を当てて、力が入っているかを確認しましょう。

(2)(1)のまま肩、腰、膝が一直線になるようにお尻を上げて3秒間キープします。

Point! 3秒間キープ10回を1セットとし、1日1〜3セット程度行うと効果的です。

少しずつ毎日継続し、なれてきたら回数を増やしてみましょう。

 ★さらにヒップアップ効果を高めたい人は、2の体勢で片足を上げてみましょう!

※詳しい実践方法は画像を確認してください。

ラクロス部の学生トレーナー
スポーツ科学部4年 竹林裕也

▲ラクロス部学生トレーナー スポーツ科学部4年 竹林裕也

このトレーニングではお尻や腿の裏の筋肉を鍛えることができます。重りを使ったトレーニングと違いお尻や腿が大きくなる心配はなく、むしろ引き締まったヒップラインの獲得や、階段の昇降時などに必要な基礎筋力がつきます。

 

 

 

早稲田大学ア式蹴球部監修:脂肪燃焼できるトレーニング

(1)プッシュアップ(腕立て伏せ)10回。

お腹に力を入れながら体幹部(胴体)を固定して行います。
Point! お尻が上がらないように注意しましょう。

(2)クランチ(腹筋)10回。お腹に力を入れ、息を吐きながら行います。

(3)スクワット10回。腰が曲がらないように腹圧を入れながら行います。
Point! (1)(2)(3)を1セットとし、1日2セット程度行うと効果的です。

なれてきたら回数を増やしてみましょう。

※詳しい実践方法は画像を確認してください。

ア式蹴球部の学生トレーナー
スポーツ科学部4年 中井  翔太

▲ア式蹴球部学生トレーナー スポーツ科学部4年 中井 翔太

上記のような筋肉トレーニングを継続的に行えば、消費エネルギーが増えるだけでなく、体内の筋肉量が増え、基礎代謝量が増えます。基礎代謝量が増えると脂肪燃焼の能力が上がる効果があります。皆さんぜひお試しください。

2.心編

トップ選手同士の戦いで最後に勝敗を決するものは?
スポーツ科学学術院 准教授 堀野博幸

▲スポーツ科学学術院 准教授 堀野 博幸

この問いに、多くの選手たちが「こころの力」と答えます。「こころの力」はどのように鍛えられるのでしょうか? サッカーの長谷部誠選手は、『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』(幻冬舎)で、自身の実践する「心がけ」を次のように紹介しています。「ストレスやプレッシャーを前向きに捉え行動すること」や「他人を尊重し自身の考え方に固執しないこと」を意識し、トップレベルで戦い続けるため「苦しいことには真っ向から立ち向かう」ことを大切にしています。我々は、彼が心がけていることの重要性は理解していても、その実践が非常に困難なことを知っています。トップアスリートは、厳しい戦いの中で、自明のことですが実践が困難なことに日々取り組んでいます。彼らは、その過程で失敗を繰り返しながら自分に向き合い、そして「こころの力」を成長させているのです。皆さんも、自身が心がけることをつくり実践してみてはいかがでしょうか?
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■ほりの・ひろゆき 人間科学博士、コーチング心理学、JFA公認S級コーチ、JFAアカデミー福島アスレチックカウンセラー。

■日常生活で実践! 体育各部に学ぶ心のトレーニング

学生アスリートはどのようなことを心がけ、勝負・訓練を行っているのでしょうか?
日常生活に応用できるよう、シチュエーション別に紹介。

・女子バスケ部
“本番”で動じない方法  ~就活への応用~
スポーツ科学部3年 藤生  喜代美

▲スポーツ科学部3年 藤生 喜代美

本番に普段以上の力が出るということはまれです。普段の自分で勝負できるところまで、力をつけることがポイントです。いいパフォーマンスを発揮するためには土台(揺るがない意志や考え)がきちんとしていること、経験(場数)があることも重要です。本番では背伸びをせず、自分のことを客観視しているもう一人の自分をつくると、冷静になれると思います。

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■ふじう・きよみ 福井県立足羽高等学校卒業後、女子日本リーグのシャンソンVマジック主力選手として活躍。昨季創部以来初の全日本インカレ優勝。

・弓道部
目標を達成する方法  ~学業への応用~
基幹理工学部3年 佐々木  貴広

▲基幹理工学部3年 佐々木 貴広

弓道の練習は、ただやみくもに行うだけでは効率の良さには欠けます。大事なことの一つに、現時点で自分のやるべきこと・できそうなことをしっかりと整理する必要があります。勉強についても同じことがいえるのではないでしょうか。焦らず今自分にできそうなことを把握し着実にやっていくことこそが、確実に目標を達成する唯一の方法だと確信しています。
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■ささき・たかひろ 早稲田高等学校卒業。昨季全日本学生弓道選手権大会個人7位入賞。

・弓道部
技術を向上させる方法  ~恋愛への応用~
商学部2年 皆川  彩

▲商学部2年 皆川 彩

弓道は自分の技術や気持ちを正しく理解することがとても大切です。良い面をどのように生かすか、悪い面をどのように変化させるかを考え、より“正しい射”を目指します。この考えは恋愛にも生かすことができると思います。難しい事ですが、自分を理解しようと努力すると、人としての魅力が増し、より良い相手に巡り合えるのではないでしょうか。
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■みながわ・あや 早稲田実業学校高等部卒業。今季新人戦新人賞獲得。

1278号 2012年6月7日掲載

 

 

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