2019年3月に早稲田大学を卒業する皆さんへ、各学術院長・学校長からのメッセージを贈ります。
これらの言葉を胸に、夢に向かって歩んでください。
Where there is a will, there is a way.
政治経済学術院長
川岸 令和(かわぎし のりかず)
新たに踏み出す人生行路は順風満帆ばかりとは限りません。挫折も経験することでしょうし、思いがけない困難に見舞われるかも知れません。しかし窮境(きゅうきょう)においてこそ、人間としての力量が問われるものです。意志あるところ、道は必ず通じるはずだと信じます。
勇気を失うことは、すべてを失うことである。
法学学術院長
箱井 崇史(はこい たかし)
「金を失うのは小さいが、名誉を失うのは大きい。」に続く部分で、チャーチルからの引用だがオリジナルは不詳。金や名誉と違い、勇気は与えられるのではなく自身の内面にある。今後の人生で出くわす分かれ道や壁を、早稲田魂をもって進み、乗り越えてほしい。
明日のことを思い煩うことなかれ(『新約聖書』)
文学学術院長
川尻 秋生(かわじり あきお)
複雑な現代社会、皆さんの前には、多くの困難が待ち受けていることでしょう。だからこそ、未来のことをくよくよ考えても始まりません。正しい道を進んでいるならば、何とかなるさという、時には楽観的な気持ちも大事だと思います。
君たちの人生は、23歳までに何を学び、考えたかで決まります。
教育・総合科学学術院長
若林 幹夫(わかばやし みきお)
大学1年の時、高名な経済の教授が最初の講義でこう言いました。
大学で学び、考えたことは、これからの人生を支える糧や力となりうるでしょう。
けれどもそれを活かし、実りあるものにできるかは、皆さんのこれからの生き方にかかっています。
よき人生を!
人にして信なくんば、其の可(か)なることを知らざるなり。
商学学術院長
藤田 誠 (ふじた まこと)
「人として信義がなければ、うまくやっていけるはずがない」という意味。信義を重んじることで、自分に対する信頼も高まるはずです。信頼される人物になってください。
さあ、科学と社会の最前線へ!
理工学術院長
竹内 淳(たけうち あつし)
大学で学んだこと、そして自己の中に組み立てた科学的論理性を持って科学と社会の最前線に挑戦しましょう。明るい未来を切り開く夢と熱意も忘れずに!
我三人行、必得我師(我れ三人行なえば、必ず我が師を得)
社会科学総合学術院長
劉 傑(りゅう けつ)
皆さんは、早稲田で共に学んだ友人に別れを告げ、未知の大舞台での活躍を始めますが、文化や価値観の違いを越えて語らう友人を作ってください。
彼らとの対話のなかで毎日のように新しい発見ができるはずです。そして、この発見はあなたの人生を豊かにします。
関係とは有るか無いかではなく、付けられるか付けられないかである
人間科学学術院長
藤本 浩志(ふじもと ひろし)
私が大学院生だった頃、尊敬する先生の授業中での一言です。何かに出会ったとき、「それって関係無いな」で終わらせるのは簡単なことです。でも自分独自の拘りで物事を関係付け、結び付けることができたら、世界が拡がり新たに繋がって行くように思えます。
人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである
スポーツ科学学術院長
土屋 純(つちや じゅん)
あまりにも有名なV.E.フランクルの「夜と霧」から。与えられることを期待するのではなく、常に自分らしく、誠実に、あなたの人生からの問いに応えていってください。ご活躍を!
Without veracity and sincerity, politeness is a farce and a show.
国際学術院長
池島 大策(いけしま たいさく)
新渡戸稲造の『武士道』(原書はInazo Nitobe, Bushido: The Soul of Japan.)第Ⅶ章より。誠実さは、古今東西を問わず人間関係の基本とされ、孔子も『中庸』で誠を説いています。今後も信義誠実 (bona fides)をもって人との信頼関係を構築していきましょう。
手考足思
芸術学校長
赤坂 喜顕(あかさか よしあき)
芸術と哲学を作陶の中に統合した名工河井寛次郎は「此(この)世(よ)は自分を見にきたところ」という悟りと、「手で考え、足で思う」という行為を通して、前衛的な造形美を追求しました。これは芸術学校の前身早稲田工手学校の精神と同じです。どうぞお元気で!