Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

初作品で学生演劇日本一 コント系短編でマイルドな空気放つ2人ユニット

「にこにこ、届けます」

演劇ユニット もちもち
文学部 4年 上牧 晏奈(うえまき・あんな)
文化構想学部 4年 高村 颯志(たかむら・そうし)

(左から)上牧晏奈さん、高村颯志さん

大学生演劇の日本一を決定する大会「第7回全日本大学生演劇選手権 大学生演劇インターカレッジ2018(以下、演劇インカレ)」(主催:全日本学生演劇協会)で演劇大賞に輝いた「演劇ユニット  もちもち」。それぞれ別の演劇サークルに所属する上牧晏奈さんと高村颯志さんがユニットを組んだ経緯や演劇インカレ、旗揚げ公演『もたもた』、学生生活のことなどについて話を聞きました。

―「演劇ユニット もちもち」結成のきっかけを教えてください。お二人は別々の演劇サークルに所属していますが、どのように知り合ったのでしょうか。

上牧 もともとお笑いをやりたかったので公認サークル「お笑い工房LUDO(以下、LUDO)」に入りました。演技もツッコミもできる相方を探していたところ、ある演劇ワークショップで彼を見つけ、話をした雰囲気で「この人はできそう!」と思って誘いました。

高村 そのワークショップで別の人からもお笑いに誘われて、どちらにも「いいよ」と返事をしたのですが、連絡がきたのは上牧だけでした。演劇サークル「(劇団)てあとろ50’」の活動が大変だったことなどもあってLUDOはすぐ辞めてしまい、疎遠になっていたのですが、2年生と3年生のときに上牧が所属する演劇サークル「(劇団)森」の公演に出演したことをきっかけに仲直りをして(笑)。そこから一緒に演劇の台本を書いたりするようになりました。

上牧 ユニットの構想はずっとあったのですが、演劇インカレの出場にあたって高村から「(ユニットに)入れないの?」と聞かれ、そこで結成に至りました。私は自分が舞台に立つより、役者さんの力を引き出す方が好きなので、主に脚本や演出を手掛けています。

――「もちもち」という名前の由来や、ユニットの特徴について教えてください。

上牧 当初、ユニットの相方候補は女の子だったんです。その人と「もちもち」という響きがかわいいし、柔らかい音になるからいいね、と話していたことを演劇インカレに申し込むときに思い出して、じゃあ「もちもち」にしてしまえ! と。

高村 特徴は「マイルドさ」ですね。僕が主宰している団体でしていることを、稽古の際にアドリブで出したら、「ちょっと激しい!! アウト!!!」と、上牧の検閲にかかりました。

上牧 はい、「もちもち基準」があります。公演を見た方から「人懐っこい」と言っていただいて、検閲の効果があったなと思いました。

――9月開催の演劇インカレでは、初公演で見事演劇大賞を受賞しました。手応えはありましたか?

高村 決勝本戦に出た14団体のうち、僕たちの出番は終盤でした。客席が温まっていたこともあり何とか朗らかに終わって(笑)、その反応から箸にも棒にも掛からないことはないだろうと思いました。昨年は早稲田の別の団体が特別賞を受賞していたので大賞への気持ちが強く、表彰式では「大賞以外では呼ばないで!」と願っていました。

上牧 私も、発表されたときは「やったー!」という喜びよりは、「よしっ」という安堵(あんど)の気持ちが大きかったです。私たちの作品『別れ話たのしい』は、別れ話を楽しくしたい女の子の話なのですが、客席が温まっていたのと同時に、お客さんが少し疲れてきたところで、割と軽めな演目だったのも良かったのだと思います。

演劇インカレ授賞式後、「安堵」した表情の2人(左から上牧さん、高村さん)

――11月に早稲田小劇場どらま館で行った旗揚げ公演『もたもた』では、『別れ話たのしい』を含め6作の短編を上演したと聞きました。

『もたもた』のフライヤーはLUDOのメンバーが作成

上牧 演劇インカレ稽古中に勢いで公演を決めて時間もなかったので、今回は全て私が脚本を手掛けました。短編にしたのは、もともとお笑いをやっていたこともありますが、いろんなタッチの作品を見ていただけるかなという考えがあったからです。

高村 今回は準備期間が短く、意見やアイデアを出すことは少なかったです。ただ、台本のせりふが空欄になっていて「好きにツッコんで」と書かれていたりして(笑)。だから2割くらいは一緒に作っている感覚がありました。

上牧 「何か一言面白いことを言ってくれ」という欄も作りました。答えてくれるんですよ、これが(笑)。

――SNSで観劇した人の感想を見ると、「面白かった」「笑った」という感想が多いようですが、やはりベースには「笑い」があるのでしょうか?

高村 「お笑い」の場合は、笑えないと失敗なんですけど、笑いだけではなくて、舞台上の雰囲気を踏まえた面白さを意識しています。

上牧 「笑い」について意識はしますが、お笑いサークルではなく「もちもち」としての活動なので、質は違います。ただ、お客さんは「コント」と言ったり、「短編」と位置付けて演劇として見ている人などさまざまでした。それはそれで有りですし、とにかく面白いと感じてくれればと思っています。お客さんの反応は大事にしたいです。

(写真左から)公認サークル「鶴の一声」プロデュース『もたもた』の出演者・スタッフとの集合写真、本番の一コマ(写真撮影:竹本まるり)

――ところで、そもそも早稲田大学に入学した理由は何でしょうか? また、学生生活はいかがですか?

 高村 漫画や映画が好きで中学2年生のときから創作活動は始めていたため、専門学校へ進むことも考えました。でも、文化構想学部には創作を学べるゼミがあると知り、そこで創作を学びつつ学歴を手に入れ、制作会社に就職して、最終的に作家になれたらと考えて早稲田大学に進みました。結局、希望のゼミには入れなかったのですが、面白い授業が多くて学びがいはあります。

上牧 私は地元、北海道の国立大学と早稲田大学とで迷いました。地元ではその国立大学があがめられていて(笑)、学費も安いのに、あえて東京に行くのかと、学校の先生にも反対されました。でもお笑いをやりたくて、言葉で人を笑わせることについて、早稲田の文学部でなら勉強できると考えて早稲田を選びました。今、「おかしみを生む言語表現としての『たとえ』」をテーマに卒業論文をまとめています。

高村 周りには絵が描ける人、演技ができる人、物を書ける人…本当にいろんな人がいて、早稲田には何かできる人がいる、そういう早稲田だからこそできることがある、と感じながら充実した学生生活を送っています。

上牧 そうですね。他大学で演劇をしている人でも、それを期待して連絡して来る人もいます。

――今後のお二人やユニットの活動について教えてください。

高村 趣味としてではなく、演劇だけで生きていけるプロを目指したいです。伝統ある演劇サークルが多い早稲田に来たからこそ、やりたいことを見つけることができました。

上牧 卒業後は編集の仕事に就きながら、演劇の活動も続けて行きます。言葉や体で人を楽しませるものを作るという点ではどちらも同じです。今は自分がやりたいものを書いて、人に出演をお願いしている状態ですが、「書いてほしい」「出演したい」と、人に必要とされるものを書ける人になりたいです。もちろんお客さんにも、ですね。

高村 もちもちとしては、せっかく旗揚げしたので、火が消えないうちに何かしたい気持ちはあります。

上牧 もちもちの舞台を見て、にこにこして帰って行くお客さんを増やしたいです。幼稚園児みたいになっちゃいましたが、当分の目標ですね。

第718回

【プロフィール】

上牧 晏奈
北海道出身。北星学園女子中学高等学校卒業。公認サークル「お笑い工房LUDO」「(劇団)森」に所属。小学校から高校までバドミントンをしていた。特技はゆで卵を絶対半熟にできること。歩くことが好きで、よく馬場歩きをしているが、つい余計なものも買ってしまうそう。

高村 颯志
東京都出身。早稲田中学校・高等学校卒業。公認サークル「(劇団)てあとろ50’」に所属(現在は引退)。「演劇ユニット 家のカギ」主宰。幼稚園年長から7年間サッカーをしていたが、現在は観戦とゲームが中心。中学・高校では吹奏楽部に所属。映画鑑賞も好きと多趣味。

「演劇ユニット もちもち」は、正月に家で食べるお餅のように優しくて、人間がいとおしくなるコントやコメディー作品を届けたいと活動中。Twitter:@nenjuOMOTI

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