Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

本気の遊び「かくれんぼ世界選手権」 日本人初出場で入賞した理系ワセ女

「良い研究をするために、リラックスが大切」

大学院創造理工学研究科 博士後期課程 3年 岡村 尚美(おかむら・なおみ)

「かくれんぼ世界選手権」に臨む岡村さん

毎年イタリアで開催されている「かくれんぼ世界選手権」に2017年9月、日本人として初めて出場し、上位入賞を果たした大学院創造理工学研究科博士後期課程3年の岡村尚美さん。早稲田大学の奨励金が支給される5年一貫教育を前提とした博士課程コース(※)で英国留学中、同選手権の存在を知りました。普段の研究では筋肉の動きを計測する最先端のロボット開発を行いながら、2018年大会の優勝を目指している岡村さんは、なぜ「かくれんぼ」の魅力に取りつかれたのでしょうか。

※)早稲田大学博士課程教育リーディングプログラム「実体情報学博士プログラム」。機械技術(=実体)と情報・通信技術の融合学として「実体情報学」を構築し、この新しい領域で技術や産業のイノベーションを先導することができる先見力、構想力、突破力を兼備した産学官いずれの立場からも産業創出を支えることのできる人材の育成を目指しているプログラム。

――競技として「かくれんぼ」を始めたきっかけは?

大隈庭園内で隠れている岡村さんを撮影。この状態でもはっきりとカメラが見えているという

かくれんぼの前に、私は2013年12月から国内にある一般社団法人「鬼ごっこ協会」によるスポーツ鬼ごっこに参加していました。学部4年生だった2013年の冬、私は卒論執筆がつらすぎてパソコンの前に座っているだけで時間が過ぎていく日々を送っていました。ネットサーフィンをしていたところスポーツ鬼ごっこの存在を知り、研究のストレス解消のために月1回、渋谷区の代々木公園で行われる活動に参加するようになりました。2014年6月から、私は鬼ごっこでも日本代表になったんです。

――「鬼ごっこ日本代表」が、なぜ「かくれんぼ世界選手権」に?

かくれんぼ世界選手権の参加者と撮影する岡村さん(左)。チームごとにTシャツの色が決まっている

2017年4月から9月にかけてスポーツ関連の研究が進んでいる英国・レスターシャーにあるラフバラ-大学に留学していました。鬼ごっこ文化をヨーロッパでも広げたいと思っていたところ、鬼ごっこ協会会長である城西国際大学の羽崎泰男教授が偶然、ラフバラ-大学に研究で訪問していた時期があり、現地での足掛かりについて相談したら、「かくれんぼ世界選手権」を行っている団体「Nascondino World Championship」を紹介してくれたのです。5月の初めに連絡を取ってみたら参加チームを募集している時期だったので、5人からなる日本チームを結成して参加することにしたのです。メンバーのうち、3人は日本から呼び、1人は同じ時期にオランダに留学していた大阪大学の友人に声を掛けました。

――「かくれんぼ世界選手権」とはどのような競技なのでしょうか。

かくれんぼ世界選手権の会場。プレーヤーは手前にある「ホーム」を目指す

ルールは「缶蹴り」に似ています。運営側が用意した「鬼」が、フィールド内に隠れているプレーヤーを探すのですが、見つけられた時点で終わるのではありません。鬼が1分間目をつぶっている間に、1チーム5人、チームごとのTシャツで色分けされたプレーヤーが隠れます。鬼が目を開けてから5分以内に、設定された「ホーム」に戻ります。ホームに戻った順位に応じて点数が割り当てられており、その合計点を競います。2017年大会は80チームが参加し、日本チームは第9位の成績を収めました。

――かくれんぼの魅力って、何なのでしょうか。

心身の開放感ですね。身一つで、大人たちが真剣に野山を駆け回って遊ぶかくれんぼは、最高に気持ちがいい開放感を味わえるんです。球技のような高い技術力も要求されません。足が遅くても体の小さいことが有利になる。いつの間にか、遊びが無条件に肯定される「子どもの最大の仕事は遊び」という感覚が呼び起こされて、全力でかくれんぼの世界に飛び込めます。留学して分かったのは、ラフバラ-大学は学生がストレスを解消できる仕組みが整っていたことです。試験前は別ですが、学生の帰宅時間も早く、研究活動後はいろんなレクリエーションに参加していました。一般学生や教職員用のテニスコートもサッカー場もあるし、初心者向けの車いすバスケのチームやランニングクラブもあってボランティアの学生コーチもいる。日本の研究室のメンバーの多くは運動不足でストレスもたまりがちなので、よい研究を続けるためにもストレスの解消法を持つということは重要なことだと思います。

――2018年の目標は?

5人の力を合わせて優勝を目指す

今年も日本代表チームリーダーとして、イタリア北部で8月24日から26日にかけて行われる「かくれんぼ世界選手権」に参加します。初参加の前回も優勝を狙える位置にいたのですが、天候悪化で決勝ラウンドが中止となってしまった上での第9位でした。今回は優勝を目指します。また、日本国内にも「かくれんぼ世界選手権」の認知を広めて、全国を元気にしたいです。研究面では「筋肉の固さ」を計測するウェアラブルデバイスを開発しています。医療応用のために人間の動きを計測する研究です。人間は力を入れることよりも、意識して「力を抜く」方が難しいのですが、うまく筋肉を緩めることができないと筋肉痛や炎症、けがにもつながります。開発中のデバイスは、ストレッチなどをしたとき、どれだけ筋肉が緩んでいるのかなどを計測します。心身共にリラックスすることはとても大切なことなので、研究とかくれんぼ・鬼ごっこは、私の学生生活の両輪ですね。

第700回

【プロフィール】長野県出身。群馬県立高崎女子高等学校卒業。「『かくれんぼ世界選手権』に参加する大人たちは、クレイジーなほど気さく。話したわけではないのに、チーム同士いつの間にか仲良くなってしまうという不思議な空間です」。「WASEDAものづくりプログラム2013」ものづくり大賞、「WASEDAものづくりプログラム2014」技術奨励賞。2016年9月、「Wheel Chair Shooting」で超人スポーツ協会(事務局:慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科内)による「第3回超人スポーツハッカソン優秀賞」受賞。2018年6月2日(土)には、日本初上陸となる「かくれんぼ世界選手権」体験会を開催する。
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