2018年3月に早稲田大学を卒業する皆さんへ、各学術院長・学校長からのメッセージを贈ります。
これらの言葉を胸に、夢に向かって歩んでください。
人生意気に感ず、功名誰か復た論ぜん
政治経済学術院長
須賀 晃一(すが こういち)
人間は、意気に感じる人との出会いによって突き動かされ、そこに自分の進むべき道を見出すものです。功名に気を取られていては、自己の発見もおぼつかないでしょう。意気に感じる出会いを通じて自己を確立し、社会に貢献してくれることを期待します。
「考えるのを放棄してしまいたい」という誘惑にまけるな!
法学学術院長
楜澤 能生(くるみさわ よしき)
大学で修得した知識が豊かであればあるほど、社会との矛盾葛藤を強く感じ悩みは深まるばかり。この苦悩から逃避し、考えるのをやめて何事も諦めて受け入れようという誘惑が退けがたいものとして襲ってくるのです。諦めないでほしい。
小事は大事に通ず
文学学術院長
大藪 泰(おおやぶ やすし)
大きな目標をもってほしい。しかし、大きな成果を夢見るあまり、土台を築くことを忘れてはなりません。小さな仕事のたゆまぬ積み重ねが、大きな成果を生み出してくるからです。日々の仕事を疎かにすることなく、誠実にそして丁寧に取り組んでいってください。
大学は地上で最も美しい場所である。
教育・総合科学学術院長
松本 直樹(まつもと なおき)
「この地上世界に大学ほど美しいものはない」。英国の詩人ジョン・メイスフィールドの言葉です。それは真理を追求する者が集う場所だからだと彼は説きます。どこに真実があるか、何が正しいことか、常に心を美しく保ち、いつまでも心の中の大学にいたいものです。
観と見
商学学術院長
藤田 誠 (ふじた まこと)
大局的な歴史観・社会観(観)を持つとともに、物事の細部に注意をはらうこと(見)の重要性を説いた言葉。卒業生諸君のご健勝とご活躍をお祈りします。
さあ、科学と社会の最前線へ!
理工学術院長
竹内 淳(たけうち あつし)
大学で学んだこと、そして自己の中に組み立てた科学的論理性を持って科学と社会の最前線に挑戦しましょう。明るい未来を切り開く夢と熱意も忘れずに!
人間万事塞翁が馬
社会科学総合学術院長
山田 満(やまだ みつる)
「人生の禍福は転々として予測できない」ことのたとえです。国際社会が転換期を迎え、誰もが先を読めない不透明さを感じています。だからこそ、危機に直面しても、むしろ危機をチャンスに変える強い気持ちを持って、次の展望を切り開いてください。
関係とは有るか無いかではなく、付けられるか付けられないかである
人間科学学術院長
藤本 浩志(ふじもと ひろし)
私が大学院生だった頃、尊敬する先生の授業中での一言です。何かに出会ったとき、「それって関係無いな」で終わらせるのは簡単なことです。でも自分独自の拘りで物事を関係付け、結び付けることができたら、世界が拡がり新たに繋がって行くように思えます。
人生が何をわれわれから期待しているかが問題なのである
スポーツ科学学術院長
土屋 純(つちや じゅん)
あまりにも有名なV.E.フランクルの「夜と霧」から。与えられることを期待するのではなく、常に自分らしく、誠実に、あなたの人生からの問いに応えていってください。ご活躍を!
To thine own self be true
己に誠実であれ
国際学術院長
Adrian Pinnington(エイドリアン ピニングトン)
『ハムレット』より。あなたが大学で育んだ最も重要な能力は、自分自身の考えを持ち、それを客観的に検証する力です。民主主義を守るには、市民各自が、メディアや世論に流されず社会の行く道を熟慮しなければなりません。これからも常に自分に誠実であり続けてください。
幸福な国民に精神はない
芸術学校長
赤坂 喜顕(あかさか よしあき)
時代に潜む危機に対して、我々は未来に後退りして進んでいくと警告したフランス“知”の詩人ポール・ヴァレリーの言葉。精神とは凡庸を反復する恒常からの離脱を図り、現状を変革し冒険へと向かう努力する意志である。君達の新精神(エスプリ・ヌーボー/ル・コルビュジエ)をつくろう!