Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

Twitter社CEOはスピーチが苦手!? 早大で講演「botは日本で始まった」

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Twitter社のジャック・ドーシーCEO

全世界で3億人以上が利用する短文投稿サイトを運営する米・Twitter社の共同創業者でCEO(最高経営責任者)、ジャック・ドーシー氏が11月13日、早稲田大学西早稲田キャンパスで講演しました。理工学術院の学生向けに企画された講演会で、会場の63号館には定員300人を超える理工学術院の学生らが詰めかけました。学生はその言葉に熱心に耳を傾け、質疑応答は白熱しました。

「@」「#」で使いやすく、世界に発信

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満席となった会場

ドーシー氏は「身の回りに何が起きているかを世界にブロードキャストしたい」との思いから2006年にTwitterを始めたとし、「当初は私たちに起きることを共有していたものが、次第に人々=ユーザー間でのやりとりに使われるようになり、言葉に@(アットマーク)をつけることでリプライ(返答)があるという仕組みを作りました」と話しました。

また、Twitterには言葉に#(ハッシュタグ)をつけて検索機能を持たせていますが、「これにより、ユーザーの興味ごとにトピックをまとめることができるようになりました。皆さんがどういう使い方をしているかを常に学び、そこからより使いやすくしようと努力する中で、Twitterはより多くの人に使われるようになりました」と、ユーザーが広まっていった経緯を説明しました。

Twitter社にとって日本は米国に次ぐ市場で、ドーシー氏は「10年以上にわたり日本の市場やユーザーに注目している」と発言。「初期のころ、日本のユーザーはTwitterのbot(ボット ※自動発信プログラム)を使う最初の例として、『たまごっち』(※携帯ゲーム)のbotにえさをあげたり、死ぬとよみがえらせるといったことを始めました。私たちの想定外の使い方がでした。今ではこうした日本生まれのbotが、世界で見られるようになりました」などと、日本のユーザーがTwitterの発展に重要な役割を果たしていることを明かしました。

大風呂敷を広げず、小さなことから

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学生と記念撮影するドーシー氏

司会者からの「理工学を専攻する学生が、世界に向けてサービスやソリューションをどう発信していけばよいか」との質問に、ドーシー氏は「最初から大きな風呂敷を広げてはいけない」と語り、「自分が立ち向かう問題がすぐにグローバルなスケールになるようなことはありません。最初は小さなものを自分で作り、それがある程度完成形に近づいてきたな、と思ったら友達に紹介する。使い勝手がよければその友達はさらに別の友達に紹介してくれる。Twitterもそういう形で広がっていきました」と答えました。

そして、将来のエンジニアである学生らに対してドーシー氏は「AI(人工知能)や機械学習、深層学習、さらにはビットコインなど、自分たちが事業を始めたころにはなかった技術を、皆さんは使うことができる。この先も好奇心を持ち続け、常に『Why?』という質問をし続けて学ぶこと、特に短時間でたくさん学ぶことが必要です」とアドバイスしました。

講演後は学生との質疑応答が行われ、多くの学生が挙手して全員が英語で質問。ドーシー氏は自ら希望し、時間を延長して質問を受けていました。最後にドーシー氏は「日本の社会、文化から常に刺激を受けてきました。特にデザインの面では『わび』『さび』から学んできました。あらためて感謝したいです」と締めくくり、学生たちと記念撮影をして会場を後にしました。

なぜ目立たない? 弱点は? 凍結は?-学生との質疑応答-

Q.Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏に比べて、ドーシー氏は世界的起業家なのに露出が少ないと思います。なぜでしょうか。

地味がいい、地味が気に入っています(笑)。われわれはサービスを利用してくれる人を重視しているのであって、ユーザーが社会にどうインスピレーションを与えているのか、常にユーザーのことを気にしていたいと思います。自分が目立つ必要性はありません。

Q.ユーザーを増やすためにどういうことをしていますか。

毎日世界で何が起きているか、それについてどう考えているか。Twitterに入ればそれを知ることができますが、ユーザーにはなかなか自分が知りたいことにたどり着けないというフラストレーションがあります。それを少なくしたい。新規のユーザー開拓とともに、既存ユーザーに向けてより良いサービスを提供すればそれが話題になり、効果を上げると考えています。

Q.自分の弱点はどこでしょうか。

自分の強みは忍耐力と柔軟性、冷静さ。そして成長したいという気持ちを持っていること。弱みはシャイなところでしょう。人前で話すことが苦手で30年前にスピーチセラピストやディベートクラブに通ったこともある。あれがなかったら、今、この場でこれだけ大勢を前に講演することもできなかったでしょう。弱みがある場合は、克服していく努力が必要です。

Q.Twitterの使用は中国で規制されています。規制について(中国)政府と交渉する考えはありますか。

いつの日か規制がなくなるのを期待しています。中国政府と何度か話し合いもしてきていますが、なかなか前に進めません。われわれは、自分たちが持つ原則や哲学を曲げて、中身について検閲するようなことはしません。

Q.多くのアカウントが凍結されていることについてどう考えますか。

Twitterには守るべきルールがあります。それはユーザーにも守ってほしいことです。凍結はルールを破ったためです。過去2年を振り返ると、嫌がらせや安全性に問題がある、他人に虐待的な言葉を繰り返してツイートするケースが増えていると感じています。その先にアカウントの凍結もある、ということは認識してもらいたい。常に安全に使ってもらえることが、会社としての責任です。

@jackは“地味にスゴい!”

大学院政治学研究科 1年(早稲田ウィークリーインターン生)
徐 真然(ジョ・シンゼン)

私は4年ほど前にTwitterを始めました。Twitterの共同創業者、ジャック・ドーシーさんが早稲田大学に来ると聞いて、わくわくして講演会に参加しました。開始前から西早稲田キャンパス63号館2階は教室に入れない学生であふれかえっていて、300席ある大教室は後ろのスペースも横の通路も、立ち見の学生で“すし詰め”のようになっていました。

ドーシーさんを初めて見たとき、左腕にあったタトゥーに目を引かれました。真っ黒の音符のようなデザインでインパクトが強く、世界的な成功を収めたIT系の経営者だけどパンク音楽好きだと知って、面白そうな人物だと思いました。

参加学生からはいろいろな質問がありました。ドーシーさんは一つ一つ、謙虚に答えていました。一番印象に残ったのは「ザッカーバーグ氏(Facebook創業者)よりも地味ではないか?」との質問に対して、「地味なのが気に入っている(笑)。われわれはサービスを使ってくれている人のことを第一に考えているんです」というユーモアを交えて答えていたことです。

確かにドーシー氏は、ザッカーバーグ氏のような派手さはありません。私は昨年秋に放送されていた日本テレビ系列のドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』を思い出しました。裏方だけれども、実はとても重要な役割を果たしている主人公。ユーザーの利便性を最優先にする謙虚な姿勢や考え方を持つ「@jack」に、校閲のような“地味なスゴさ”を感じました。

Twitter創業者 ジャック・ドーシー氏講演会
共    催:
早稲田大学理工学術院基幹理工学部表現工学科
早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援「ICT・ロボット工学拠点」
早稲田大学実体情報学博士プログラム

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