Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

“純ジャパ”学生 受験英語を磨いてアメリカでインターンシップ

「“全て自分の鏡” 自分が行動して人・物事を変える」

文化構想学部 4年 丸山 瑞稀(まるやま・みずき)

外務省が実施している、今後の日米関係の主導的な役割を担う人材の育成と、日米の同盟関係強化を目的とした「日本人学生のインターンシップ支援事業」。半年間、米国の政治団体や企業などでインターンシップをするため、高い英語能力と高い志が求められるこのプログラム。留学経験などが全くない“純ジャパ”でありながらも、ハードルの高い選考をクリアし、2016年9月から大学を半年間休学して参加した丸山瑞稀さんに話を聞きました。

――参加したインターンシップについて教えてください。

私が派遣されたのはペンシルバニア州・ピッツバーグにある「Japan-America Society of Pennsylvania(日米協会ペンシルバニア支店)」という地域民間団体で、インターンとしてフルタイムで働いていました。電話を取り次ぎやミーティング資料の作成などの基本的な事務作業をやりながら、寄付を集めるためのサイレントオークションや提携している企業との講演会のセッティングなど時間を要する仕事まで幅広く取り組んでいました。同時に上司が私の関心に沿った長期プロジェクトを任せてくれていました。実はこのインターンシップに参加するまで日本を長期間離れた経験がなかったので、渡航した当初はそんな私がアメリカ人だけのオフィスで長時間働くことができるのか不安でした。

現地メディアの取材に応じる丸山さん

訪問したNPOで現地メディアの取材に応じる丸山さん

――このプログラムに応募したきっかけは?

少しさかのぼることになりますが、実は大学に入学してから、自分の進むべき道は何か悩み、模索する時期がありました。1年生のときです。そんなとき、家族に「早稲田にはもっと期待できる環境があると思っていたのに、全然出会えないな」と泣き言を言ったところ、2人の兄たちから「そういったものに出会えていないのは、自分がまだそこまでの人間ではないからだよ」と言われ、てっきり慰めてもらえると思っていた私はとてもショックを受けたんです。今思えば、そのときがターニングポイントでした。周りに原因を求めてばかりで、自分が変わって動いていかなければ、これまで出会えていない面白い人にも、チャンスにも、この先も出会うことができないだろうということに気付きました。自分が今どんな世界を見て、どんな人とコミュニケーションをしたいのかを考え始め、2年生の5月にWAVOC(平山郁夫記念ボランティアセンター)の「ボルネオプロジェクト」(※)に出会いました。マレーシアでの活動は現地での活動はもちろん、国内での準備期間も含めて自分の中で何かが大きく動き出した素晴らしい経験でした。

マレーシアでのボランティア活動(中央前方オレンジのTシャツが丸山さん)

「ボルネオプロジェクト」では合計で2回マレーシアへ渡航したのですが、2回目の渡航から戻ったとき、大学入学前から考えていた留学をやっぱりしようと決意しました。大学の交換留学も選択肢にはありましたが、ボランティアはチームでの活動だったこともあり、留学を決意した際に、今度は勉強も生活も自分一人でやっていかなければならない環境であること、語学を学ぶことを目的としたものではなく、英語を使う場所であることという2つの基準を設けました。その目的を達成できる、より自分にマッチするものがないかと探していたのです。そのような中、まさに自分の希望と合ったこのプログラムを知りました。しっくりくるものを見つけられずちょうど行き詰まった時の出会いでもあったので、何か運命的なものを感じました。目的意識をもって行動していてもなかなかチャンスが広がらない時もありますが、今自分は“そういう時なのだ”と意識的に受け入れて、焦らずに行動していくことも重要なのではないかと思います。必ず自分に合った道に出会えると思っています。

※公的な教育を受けられないマレーシア・コタキナバルの子どもたちを対象に、教育支援を行うボランティアプロジェクト

 ――選考は大変でしたか?

パスしなければいけない選考はいくつかありました。選考はまず書類審査、そして外務省担当者による英語での面接があり、その通過後ようやく候補生になりました。ただ、その後も就労ビザ取得のための面接や受け入れ先機関との面接などが続き、それぞれパスしなければならないので、渡航の直前まで本当に採用されるか未確定でした。友達に渡米するのを伝えたのは出発の2週間前でしたし、それから家探しもはじめなければならなかったので余裕があまりない状況でした。また、ボランティア活動や旅行の経験はあったもののそれまで海外に長期滞在した経験もなかったので、選考の間は英語に対する不安がありました。参加が決定した後も、そんな自分が異国でかつ社会の一員としてオフィスで長時間働くことができるのかと緊張していました。

――英語はどうやって勉強しましたか?

国際会議参加メンバーとの集合写真

大学入学までずっと故郷の長野で生活し、高校も普通の公立高校でした。海外への渡航経験は旅行ですらもなかったので、私の英語は大学の受験勉強がベースになっているように思います。ただ、家族の影響で幼い頃から洋楽や洋画に囲まれて育ち、日常的に英語を耳にする機会が多かったのも良かったのかもしれません。大学に入ってからは、思っていたよりも英語を使う授業にスムーズに入っていくことができました。2年生の12月からは、先輩からの推薦で「国際学生会議」のディスカッションのチーフを務めることになり、運営に携わりました。

リーダーとしてディスカッションを進めます

リーダーとしてディスカッションを進める丸山さん

世界各国から学生が集まり、5つの国際問題のテーマに分かれて英語で議論を進めるもので、私は「持続可能な社会と女性のエンパワーメント」について議論するグループのチーフを務めました。仲間のチーフは帰国子女や留学経験者ばかりであったことや、自分の英語にまだまだ自信が持てなかったので、期待されているチーフとしての役割が果たせるか不安でした。本会議まではとにかく事前の準備を念入りに行っていました。会議中は、その準備が功を奏したのか、海外の学生が発言をして脱線しがちな議論を軌道に乗せることや、日本人学生へのフォローをしつつ議論をまとめていくことができ、自信を持てたように思います。挑戦できる環境を与えてもらえたことに感謝しています。

――このプログラムに参加して学んだことはどんなことですか?
現地の小学校への訪問した際には小学生とランチ

現地の小学校への訪問したときには小学生とランチ

他のインターン生の中にはワシントンD.C.やサンフランシスコなどの大都市に派遣された人も多くいました。それらの場所に比べてピッツバーグはソーシャルパーティーなども少ないので、プログラムの目標を達成していくことが難しい状況であることを、到着してすぐに感じました。自分から動いていかないと何も進まないと思い、意外にもポジティブな気持ちで「よし、この厳しい環境の中でも一人で頑張ろう!」という感じでした。そこで、インターンの仕事の時間外には現地にあるカーネギーメロン大学に日本語のボランティアとして通ったり、現地の小学校や高校を訪問し、日本文化を紹介するなど自分から主体的に活動するようにしました。そうした活動から人の輪も広がっていったように思います。今回の米国滞在で自分から進んで行動することの大切さをあらためて学びました。それは、主体的に物事を捉えなければ周りからは何も得られないという意味で、人や物事は自分の鏡だと思っています。うまくいくときも、うまくいかないときも全て自分自身を映し出しているのだということをアメリカでもあらためて学びました。

――ピッツバーグ滞在時には米国大統領選挙もありました。外国人として感じたことはありますか?
帰国後に在日米国大使館で行われた成果発表会

帰国後に在日米国大使館で行われた成果発表会

ホームステイしていた家のご主人が政治学者で、トランプ氏の熱烈な支持者でした。自分がジャーナリズムに興味を持っていることも話していたので、選挙集会などにもよく連れて行ってもらいました。時にはヒラリー氏側の集会に一人で参加したり、外でプロテストしているトランプ支持者と会話したり、ピッツバーグはもちろん旅行先の都市のカフェなどでも話し掛けられた人たちと大統領選の話をすることもありました。日本ではその場で会った人とカジュアルな会話から政治の話まで発展する機会はあまりないので、アメリカ人と政治の距離の近さを感じました。私は外国人という立場でありながら、君はどう思うのか?と意見を求められることも多くあり、その中でいろいろな視点をもった人たちと意見交換をすることができたのは貴重な経験だったと思います。一方で、大統領選についてSNSでの日本の友人の反応やネット上での報道を見ると、アメリカで実際に起きていることとの温度差を感じる場面もあり、考えさせられることが多かったです。また、一連の経験を通して情報があふれる世の中でそれを自分自信がどう選択し、受け止めていくのかということの難しさもあらためて痛感しました。

――将来の目標を教えてください。

まだ模索している段階ですが、学生時代の経験を通じて学んだことをこれからのキャリアに生かしていきたいですし、自分の見たことを正確に発信して、社会にインパクトを与えられるような社会人になりたいです。どんな形で働くにしても、たとえ一回でも関わった人に良い影響を与えられる人間になること、そして自分のする仕事が、全ての人にとって目的意識や役割を感じて働ける社会づくりにつながっているものとなることが今の自分の目標です。

第686回

(撮影=商学部 5年 笹津 敏暉)

【プロフィール】
長野県出身。長野吉田高等学校卒業。高校1年の夏にオープンキャンパスで早稲田大学を初めて訪れ、在学生の話を聞く中で早稲田に入りたいと思うように。これまでの経験を生かし、現在は「Women’s Leaders Summit」の運営に携わる。入学当初に住んだ国際学生寮(WISH)には留学生や帰国子女が多く、カルチャーショックを受ける。長野の高校生だった自分の想像の域をはるかに超える自由さが早稲田にはあると語る。
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