Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

最強スキー部女子、インカレ6連覇へ挑む

「さらなる高みへ 本当の勝負所が来た」

スキー全日本学生選手権大会(以下、インカレ)で、2012年の第85回大会以来、総合5連覇中の早稲田大学スキー部女子。インカレは、各大学がチームとなって斜面を滑降するアルペン競技、長距離を滑るクロスカントリー競技、飛んだ距離を競うジャンプ競技での合計ポイントを争う大会で、早稲田は圧倒的な強さで勝ち続けています。2017年3月に青森・秋田の両県で行われるインカレでの総合6連覇に向けた抱負を、主力選手のうちの3名、小林諭果さん(スポーツ科学部4年:ジャンプ)、新山凪沙さん(スポーツ科学部3年:アルペン)、滝沢こずえさん(スポーツ科学部3年:クロスカントリー)に聞きました。

――6連覇へ向けて何を思っていますか?

ジャンプ中の小林さん。「空を飛んでいる気分」になれる

小林:
私個人では1年生の時が2位、2年生は1位、3年生は2位となっているので、最後は必ず1位になって終わりたいです。女子のジャンプ競技は、ポイントが他の競技の半分しか取れませんが、大切なポイントですので確実に取りたいです。他大学が強くなっているので6連覇は簡単ではありませんが、アルペンとクロスカントリーと力を合わせて頑張ります。男子は5年連続総合準優勝なので、アベック優勝も達成できたらいいですね。

新山:
早稲田はクロスカントリーが伝統的に強いので、アルペンの選手としては頼ってしまうところがありました。今回は他大学がすごく実力を上げているので、転倒したら無得点のアルペンは気が抜けません。例年以上に頑張ります。貪欲にポイントを狙いに行き、「1点」を大切にしていかなければ6連覇は見えてこないと思います。

滝沢:
クロスカントリーは例年、確実にポイントを取ってきた競技でした。しかし、今年は他大学が強く、かなりの危機感を抱いています。ただ、「6連覇」は殊更言葉で強調しなくても、部員の共通認識となっています。5連覇で途絶えさせるわけにはいきません。ここで勝ちきることができたら、チームとしてもう一段上のレベルにいける、本当の勝負所を迎えたと思っています。

――競技の魅力は何でしょうか?

アルペン競技でスピードに乗って滑降する新山さん

小林:
ジャンプは「空を飛んでいる気分」を味わえることですね。滞空時間はだいたい3秒。シーズン前に久しぶりに飛ぶときはいつも怖さを感じるのですが、この気分が忘れられません。

新山:
アルペンは2本勝負。優勝候補がいたとしても、ちょっとしたミスで順位が変わります。誰が勝つか終わってみないと分からないところが魅力です。一番上の順位になって、その順位のまま競技を見守れると気持ちがいいですね。

滝沢:
クロスカントリーはただ速く走れるだけでは駄目で、戦略がないと勝てない競技です。体重がある選手は下りは速いが上りはきつい、コースの攻め方も分析し、例えば5㎞という距離の中でどのようにベストパフォーマンスを見せるか。勝負のセンス、努力、戦略といった点のバランスがそろっていないと勝てないというところが楽しいです。

――なぜ早稲田大学に入学したのですか?

「クロスカントリーは戦略が重要」と語る滝沢さん

小林:
私が入部するまで早稲田には女子のジャンプ選手がいなくて、当時の倉田秀道監督に声を掛けられ、早稲田大学に進学することになりました。それぞれ2014年ソチ五輪代表となった複合の渡部暁斗さん(わたべ・あきと、2011年スポーツ科学部卒、同五輪銀メダリスト)、渡部善人さん(わたべ・よしと、2014年同学部卒)、距離のレンティング陽さん(れんてぃんぐ・あきら、2013年同学部卒業)がいたスキー部という環境で競技ができるのはありがたいです。

新山:
北海道出身なのですが、高校の先生に「東京でやってみてはどうか」と言われ、考えるようになりました。東京で強い大学というと早稲田でした。のびのびと練習できる環境も気に入りました。

滝沢:
バンクーバー五輪代表の柏原理子さん(かしわばら・みちこ、2013年スポーツ科学部卒)という憧れの選手がいたからです。また、早稲田は連覇中で強い環境に身を置きたいと思いました。練習で選手の自主性を重んじるところにも引かれました。

――早稲田大学のスキー部に入部してよかったことは?

インカレでアベック総合優勝を目指すスキー部

小林:
スポーツ科学部の授業が、競技に直接役に立つ事です。ストレッチングや体幹強化に関する授業は面白くて、練習に生かしています。

新山:
合宿所が学校に近く、練習時間をたくさん確保できるところです。合宿所は男女別の棟になりますが敷地が同じ共同生活で、男子の練習も見る事ができ、アドバイスももらえます。スポーツ科学部の先生にウェイトトレーニングを指導してもらえるところもうれしいです。

滝沢:
大会で授業に出られないことも多いのですが、そういうときは先生が課題を出してくれて、レポートなどできめ細やかに指導してくれます。常識的なルールはもちろんありますが、部の自由な雰囲気も好きです。

――今後の抱負や、応援してくれる学生に向けて一言お願いします。

小林:
現在、女子のジャンプは高梨沙羅選手(ソチ五輪代表)、伊藤有希選手(同)、勢藤優花選手(2015年ノルディックスキー世界選手権出場)、岩渕香里選手(同)の4名がワールドカップの常連組となっていて、ほぼメンバーが固定されています。卒業後も就職先で競技を続けるので、一角を崩せるように頑張ります。

新山:
会場まで応援部が来て、エールを送ってくれます。リーダーとチアで数名なのですが、寒くて震えながら応援してくれる姿をみると胸が熱くなります。競技中に応援が聞こえるわけではないのですが、はるばるやって来て歌ってくれる「紺碧の空」に感謝します。

滝沢:
インカレは独特の雰囲気があって、普段の大会では力を出せない選手が、インカレで急に強くなったりします。スキーは基本的に個人競技なのですが、大学やチームを背負うと突然覚醒するのかもしれません。6連覇の期待に必ず応えたいです。

第659回

【プロフィール】
小林 諭果(こばやし・ゆか)
岩手県出身。盛岡中央高等学校卒業。兄・小林潤志郎さん(雪印メグミルクスキー部)と弟・小林凌侑さん(土屋ホームスキー部)はともにジャンプの選手。夢は兄弟そろってオリンピックに出場すること。

新山 凪沙(にいやま・なぎさ)
北海道出身。双葉高等学校卒業。兄がダイエットのためスキーを始めことがきっかけで、自分も始めた。

滝沢 こずえ(たきざわ・こずえ)
長野県出身。県立長野県飯山高等学校卒業。小学校1年生時の担任がクロスカントリースキー部の顧問。トロフィーが欲しくて学校のマラソン大会に出場したがなかなか勝てなかったところ、先生にクロスカントリースキーに誘われて競技を始めた。

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