Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

第608回 伝統を守りながら、新たな時代を紡ぐ 74年の歴史を変えた応援部主将と副将

創造理工学部 4年 仁熊 佑太 (にくま ゆうた)
法学部 4年 木暮 美季 (こぐれ みき)
(左から)にくま・ゆうた 東京都出身。早稲田大学本庄高等学院卒業。高校時代はバンドを組み、L'Arc-en-CielやONE OK ROCKなどをコピーしていた。ドラムとギターが得意。 こぐれ・みき 群馬県出身。早稲田大学本庄高等学院卒業。読書が趣味で、特に西洋史にまつわる新書が好き。最近は古代ローマとエジプトの歴史にハマっている。 

(左から)にくま・ゆうた 東京都出身。早稲田大学本庄高等学院卒業。高校時代はバンドを組み、L’Arc-en-CielやONE OK ROCKなどをコピーしていた。ドラムとギターが得意。
こぐれ・みき 群馬県出身。早稲田大学本庄高等学院卒業。読書が趣味で、特に西洋史にまつわる新書が好き。最近は古代ローマとエジプトの歴史にハマっている。

2014年11月4日(火)、東京六大学野球・秋季最後の早慶戦を終え、木暮さんは思わず涙した。「憧れていた舞台に立ち、4年間やり遂げられたことにほっとしちゃいました」。それを見ていた仁熊さんの胸にも、込み上げる思いがあった。「入部した当初は大変なことばかりだったけど、振り返れば寂しいくらいにあっという間でしたね」。

二人は共に本庄高等学院から早稲田大学に進学した。高校の吹奏楽部でパーカッションを担当していた仁熊さんは、かねて憧れていた応援部の吹奏楽団に入部。一方、高校時代にチアリーダーだった木暮さんも、応援部のチアリーダーズに入るつもりだった。しかし、入学した春に早慶戦を観戦し、観客の目の前で威風堂々と声を出して盛り上げるリーダーに心を引かれ、リーダーとしての入部を決断。こうして1940年の創部以来、それまで前例のなかった女性リーダーが誕生した。

しかし、応援部の活動は過酷だ。体育各部から要請があれば基本的にどんな試合会場へも駆け付け、炎天下でも疲れた顔を見せずに応援を続ける。1 日に複数の会場をはしごすることもある。いつしかリーダーの同期は皆退部し、残ったのは木暮さんただ一人だった。「大変で、つらくて、逃げ出そうと思ったことは何度もありました。でも、見捨てずに待ってくれた先輩がいたし、会場でいつも一緒に応援してくれるお客さんのことを思うと、まだ頑張ろうって思えたんです」。

吹奏楽団としてリーダーの活動を間近で見ていた仁熊さんも、木暮さんの奮闘に心動かされ、ある決断をする。「リーダーは荷物を運ぶのも後輩の仕事だし、下級生が入ればその指導もしないといけない。木暮が一人で全ての仕事をこなすのを見て、一緒に支えていきたいと思ったんです」。3年次の春、仁熊さんは先輩を説得して吹奏楽団からリーダーへ移籍。これもまた、応援部の長い歴史の中で初の出来事だった。「自分より経験を積んでいる下級生たちに負けるわけにはいかないし、誰よりも練習しましたね。どうしたら模範的な先輩になれるのか、そればかり考えていました」。創造理工学部で建築を専攻する仁熊さんにとっては、学業との両立も容易ではなかった。合宿先で課題の図面を引き、部室で建築模型を作ったこともある。

数々の苦労を乗り越えて4年生となり、仁熊さんは主将に、木暮さんは副将と東京六大学応援団連盟の委員長に就任。その役割を全うし、74年続く伝統を後輩に引き継ぐ季節となった。

「代々受け継がれる伝統があることも早稲田だと思いますが、革新することもまた早稲田らしさだと思います。女性である私が入部できたのは、変化を受け入れてくれた早稲田の校風のおかげ。今は感謝しかありません」(木暮)。

「校歌に『集り散じて人は変れど・仰ぐは同じき理想の光』という歌詞があるように、試合会場に行くと校友の皆さんの早稲田愛を感じられるんです。その思いを選手や学生たちに伝えたくてずっと活動してきました。僕自身これからも、早稲田で学んだことを忘れずにいたいと思います」(仁熊)。

第608回

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