Waseda Weekly早稲田ウィークリー

学生注目!

第595回 身の丈に合った支援で継続を! 学生目線で福島の魅力を発信する

政治経済学部4年
金成 詠美 (かなり えみ)
福島県出身。県立安積高等学校卒業。「福島に恋をしよう」をテーマに福島のPR活動を行う「あいべ福島プロジェクト」の副代表。「あいべ」とは会津弁で「行こう」の意味。お薦めの郷土料理は、須賀川名物の「かっぱ麺」。

福島県出身。県立安積高等学校卒業。「福島に恋をしよう」をテーマに福島のPR活動を行う「あいべ福島プロジェクト」の副代表。「あいべ」とは会津弁で「行こう」の意味。お薦めの郷土料理は、須賀川名物の「かっぱ麺」。

「もともと、ボランティア活動にはあまり興味がなかったんです」。そう話すのは福島の復興支援を行う学生団体「あいべ福島プロジェクト」の金成さん。都内の大学生を中心に約15人が参加する同団体は、学生目線で見つけた福島の魅力をFacebookなどのSNSを通じて発信している。同世代に親しみやすい形で表現するのが彼らのモットーだ。

東日本大震災の発生時、金成さんは実家のある福島県須賀川(すかがわ)市にいた。しかし大学進学を翌月に控えていたため、数日後に上京。当然、早稲田大学に入学してからも、福島に対してできることを常に探していた。被災地でのボランティア活動に誘われたこともあったが、いまいちピンとこなかったそうだ。「何となく参加するのではなく、地元が被災地だからこそ、自分が心から納得できる形で活動していきたいなと。自分らしいボランティアの形をずっと探していました」。

そんな金成さんが「あいべ福島」を知ったのは、震災から1年ほどがたった大学2年次のとき。地元の市役所に勤める知人から「東京にこんな活動をしている大学生がいるよ」と、見学を勧められたのだ。「東京の学生たちが、東京にいながらにして福島を支援していたのがすごく新鮮でした。その様子を見て、これなら自分でも続けられるんじゃないかと思ったんです」。東京の大学生だからこそできる、身の丈に合った活動スタイルを知り、すぐに参加を決意した。継続支援の必要性を感じていた金成さんにとって“無理なく続けられる”というのはとても大事なことだったのだ。

福島の「勝手に応援団」を名乗る金成さんたちは、“まず福島を知ってもらう”活動に注力している。その一つが福島県産の新鮮な食材や郷土料理をアピールする「福♡カフェ」だ。これまで3回行われ、メニューに生産者からのメッセージを添えるなど、消費者の不安解消に努めた。「生産者の方に食材の話を聞いて、私たちの言葉できちんと伝えることを心掛けました」。

続いて“福島に行ってもらう”ためのイベントとして企画したのが「農村ステイ」。人のつながりを意識し、福島に興味を持つ関東の大学生とそこに暮らす人々とが農村体験を通じて触れ合う機会を設けた。福島のおいしいものをたっぷり食べてもらうのがツアーの目玉だ。「参加者から『ステイ先のおばあちゃんと話していると、本当の自分のおばあちゃんみたいでほっとする』と言われたのが一番うれしかったです。福島県人の温かさを少しでも多くの人に知ってもらいたかったので」。

4年次になり副代表は後輩に引き継ぐ予定だが、金成さんの等身大の支援はこれからも続く。「勝手に応援団とはいえ、私たちの活動は多くの方の応援によって支えられていることを日々実感しています。むしろこちらが元気をもらっているくらいです。自分たちが好き勝手にやっていることだからこそ、責任感や自覚を忘れずに今後も取り組んでいきたい」。無理をせず、できることを楽しみながら続ける――。そんな身の丈に合った支援が、震災の風化を防ぐ一つの鍵になりそうだ。

 

第595回

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