Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早稲田の学問

〈学生企画〉社会的な課題を抱える少年少女を兄姉のように支えるBBS運動

少年少女の非行などの現況と、彼らを兄姉のような立場で支援するBBS運動について紹介します。

BBS運動とは

法務省が主唱する“社会を明るくする運動”のポスター

BBS(Big Brothers and Sisters)運動とは、非行や引きこもりなどの社会的な課題を抱えている少年少女たちに同世代の兄や姉のような存在として寄り添い、共に悩み、共に学び、共に楽しむボランティア活動です。100年以上前に米国で始まり、日本では終戦後、戦災孤児の支援を目的として昭和22年に誕生した「京都少年保護学生連盟」が契機となりました。

現在のBBS運動は、犯罪や非行からの立ち直りを支える“更生保護”という活動の一つに位置付けられています。犯罪や非行から立ち直るためには、本人の反省や償いだけでなく、地域社会とのつながりが不可欠です。彼らと関わる社会との接点として、BBS会員のほか、法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員である保護司、ボランティアの更生保護女性会員、協力雇用主、更生保護施設の職員などがいます。BBS会は保護観察所や家庭裁判所、保護司会などから依頼を受け、現在、全国約500の地区BBS会があり、約4,700人が活動しています。2017年9月には、BBS運動発足70周年記念式典が開催されました。

BBSの主な活動(公認サークル「早稲田広域BBS会」の例)

ともだち活動
不登校、引きこもり、非行に走った少年少女たちの話し相手や相談相手になったり、学習支援を行ったりする。保護司や保護観察官の指導の下、活動する。

グループワーク活動
保護観察を受けている少年少女や地域の子どもたちを招待し、料理やスポーツなどのイベントを開催。

健全育成活動
青少年や地域に広く働き掛け、青少年の健全な発達支援や明るい社会環境づくりを行う活動。さまざまな施設で学習支援などを行う。

自己研さん活動
BBS活動を行うために必要な知識や技能を身に付けるため、研修を行う。

兄や姉のような立場で
さまざまな事情を抱えた少年少女の立ち直りや自立を支援

早稲田大学広域BBS会では、非行や引きこもりなどの社会的な課題を抱える少年少女の立ち直りや自立を支援しています。会員として活動する教育学部2年の阿部友樹さんと、法学部2年の刈谷汐里さんに話を聞きました。

左:阿部 友樹(あべ・ともき)さん。右:刈谷 汐里(かりや・しおり)さん

――活動内容について教えてください。

刈谷

早稲田大学広域BBS会は、1997年に設立されたボランティアサークルです。現在113人の会員が所属し、BBS活動を行っています。入会のきっかけはさまざまで、将来、教育に携わりたいと考え、不登校問題に関心を持っている会員もいれば、何かしら人の役に立ちたいという気持ちでボランティアサークルを探し、この分野に興味を持ったという会員もいます。

阿部

ともだち活動では東京保護観察所や自立援助ホームから、健全育成活動では児童相談所などから依頼があり、さまざまな事情を抱えている少年少女のところへ出向き、話し相手になったり、学習支援を行ったりします。彼らのバックグラウンドは知らされないことが多く、こちらから聞くこともありません。私たちが彼らと接するときは、信頼関係を築くため、相手が言うことを絶対に否定しないこと、同じ目線で向き合うことを大切にしています。他愛のない会話をしたり、親や先生には話せないことを打ち明けてもらったりすることで、彼らが他者と心を通わせ、生きづらさを解消することに少しでも貢献したいと願っています。

左:新宿区立戸塚第一小学校「ふるさとまつり」でのお手伝い。子どもと一緒に 折り紙をしました 右:グループワーク活動として料理をつくるイベントを開催

――活動を通してどのようなことを学びましたか。

刈谷

会員にとって、少年少女が置かれているさまざまな境遇に接することにより、視野が広がり、児童福祉に関する広い見識を得る機会にもなっています。例えば、健全育成活動の一環として養育家庭(※)で学習支援を行っていた際には、そうした制度があることを初めて知り、里親と里子の間に通う深い愛情を目の当たりにし、親子の情に血のつながりは関係がないということに気付くことができました。

阿部

非行に走る少年少女は、親との関係が悪く、家庭に居場所がないために家出をしたり、親の関心を得るために罪を犯してしまうという例も多いと聞きます。血がつながっていなくても、同居していなくても、話し相手になって、自分を認めてくれる人がいるだけで、子どもたちに温かい居場所をつくることができると信じて、活動を続けていきます。

※ 養育家庭:さまざまな事情により親元で暮らせない子どもを家庭に迎え入れ、養子縁組を目的とせずに育てている家庭のこと

自己研さん活動の一つとして会員が集まって行われる研修会の様子

早稲田大学広域BBS会とは

1997年に設立された公認サークル。学域BBS会としては国内最大規模を誇る。最近では法務省からの推薦により『家庭の法と裁判 2017年7月号(vol.10)』で活動を紹介する記事が掲載された。また、2017年9月23日に開催された「BBS運動発足70周年記念式典」において、法務大臣感謝状が贈られた。

(『新鐘』No.84掲載記事より)

※記事の内容、登場する学生の所属・学年などは取材当時(2017年度)のものです。

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