Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早稲田の学問

「うまい棒ゲーム」から学ぶ、一生役立つ経済学

実験経済学A【政治経済学部設置科目】

政治経済学部 4年 金澤 希(かなざわ・のぞみ)

「経済学」というと、とっつきにくく難しい学問と感じる人がいるかもしれません。「お金もうけについての学問」「難しい数式やグラフがいっぱいあってよく分からない」。私も最初はそんな印象を持っていました。しかし実は「経済学」は、私たちの生活や行動に深く根付いています。どんな物を買うか、どういう職業に就くか、夏休みの宿題にコツコツ取り組むか締め切りギリギリに着手するか…。このような私たちの意思決定や行動は、全部経済学なのです。竹内幹先生(政治経済学術院 非常勤講師)の授業の特徴は、教室内で行う学生参加型の実験を通して、人間の意思決定にまつわる経済理論を、身を持って「体験する」ことです。

うまい棒ゲームの参加者を募る竹内先生

私が昨年受けた授業の中で特に印象的だったのは、「サンクトペテルブルクのパラドクス」を体験する「うまい棒ゲーム」です。このゲームはコイン投げをして、連続して表が出た回数が多いほど、たくさんのうまい棒(スナック菓子)をもらうことができます。表が出ればコインを投げ続けることができますが、裏が出た時点でゲームは終了です。

経済理論的な計算では、このゲームに参加することでもらえると期待できるうまい棒の数は無限大なので、人はお金をいくら払ってでもゲームに参加したがってもいいはずです。しかし教室にいた多くの学生は、このゲームにほとんどお金を払おうとしませんでした。この経済理論と現実の矛盾が「サンクトペテルブルクのパラドクス」です。竹内先生はうまい棒を使って、なぜパラドクスが起きるのかまで分かりやすく説明してくださいます。数学があまり得意でなくても、経済理論を実際に「体験」しながら楽しく学べる点が、竹内先生の授業の最大の魅力です。

(写真左)抽選になるほど人気の授業のため、学生も多数
(写真右)竹内先生と学生の三目並べ対決。「学生参加型」が竹内先生の授業スタイル

竹内先生は一橋大学大学院経済学研究科の准教授

また、さまざまな社会問題を実験に基づく経済学的な視点から読み解いていくのも、この授業ならではの特徴だと感じています。例えば性差の問題。一般的に、男性の方が自信過剰のため「リスク愛好的」、女性は自己を過小評価するため「リスク回避的」であると言われています。しかし授業で紹介される経済学実験では、このような性向は必ずしも先天的なものではなく、社会環境によってジェンダー規範が刷り込まれることによる後天的なものであることが示されます。

このように、私たちが当たり前だと考えている常識を、経済学的な切り口から分析することはとても興味深いです。社会の常識が本当に正しいものか判断する。複雑化する社会の中で自分の判断軸を持ち、よりよく生きる。そのために必要な「一生役に立つ経済学」が身に付く授業です。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる