Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早稲田の学問

【未来予測】宇宙飛行士のような心理的スキルが求められる

グローバルな社会の中で求められる、心理学的特性とは?

環境の変化に対応しやすい人とは

グローバルと言われて何を思い浮かべるだろうか。国際的、地球規模、多様性、コミュニケーション、情報など。多くのことを思い浮かべることができるのは、日頃から多くのことに興味関心を向け、知的好奇心を発揮しているからであろう。周囲の人、もの、現象に注目し、何が起きているのか、何が起こりそうなのか観察し、マインドフルに感じよう。人間は日常生活での出来事や出会う人について、仮説、検証し、行動修正しながら生きている。評価基準が多いと環境の変化に対応しやすく、不安に陥ることが少ない。

宇宙飛行士に必要な素質

2016年、七夕の日にソユーズでISS(国際宇宙ステーション)に出発した大西卓哉宇宙飛行士。その大西さんは、2008年にJAXAが実施した宇宙飛行士候補者選抜で、1,000名近くの応募者から選抜された最終候補者3名の一人(他に、油井亀美也さん、金井宣茂さん)である。

その募集要項には、①幅広い分野の宇宙飛行活動等に円滑かつ柔軟に対応できる能力(科学知識、技術等)を有すること。 ②円滑な意思の疎通が図れる英語能力を有すること。 ③日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養等(美しい日本語、日本文化や国際社会・異文化等への造詣、自己の経験を活き活きと伝える豊かな表現力、人文科学分野の教養等)を有すること。 ④宇宙飛行士としての訓練活動、長期宇宙滞在等に適応することのできる医学的、心理学的特性を有すること、などだ。

グローバル社会で求められる心理学的特性

身体的な健康はもちろんであるが、募集要項の「心理学的特性」内容も重要で、「協調性、適応性、情緒安定性、意志力等国際的なチームの一員として長期間の宇宙飛行士業務に従事できること」であった。世界各国から選ばれた宇宙飛行士と協働してISSで作業ができるためには上の表に示されるような能力が必要とされている。これらの他に、ユーモア能力、数多くのストレス対処方略、いろいろなものを楽しめる余裕、なども必要とされる。

これらは、宇宙飛行士だけに必要な能力ではない。グローバルなこの地球にいるあなたにも必要である。「Universal space」という概念を提示した建築家Ludwig Mies van der Rohe氏の言葉「God is in the details」(神は細部に宿る)も浮かんでくる。

人間科学学術院 教授 鈴木 晶夫(すずき・まさお)

早稲田大学文学部卒。同大学院文学研究科博士後期課程修了。文学部助手、人間科学部講師、助教授、教授(現職)。他にVisiting Scholar at University of California, Riverside、放送大学大学院環境システム科学群客員教授、人事院国家公務員採用総合職試験(人間科学)試験専門委員など歴任。博士(人間科学/早稲田大学)。http://www.f.waseda.jp/masaosuz/

(『新鐘』No.83掲載記事より)

※記事の内容、教員の職位などは取材当時(2016年)のものです。

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