Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早稲田の学問

【未来予測】経験に頼っていた仕事は コンピュータに置き換わる

ビッグデータ誕生~ビッグデータを使いこなす~ビッグデータと教育

理工学術院 教授 山名 早人(やまな・はやと)

1964年山口県生まれ。1993年早稲田大学理工学研究科博士課程修了、通商産業省工業技術院電子技術総合研究所に入所。1996年通商産業省機械情報産業局電子機器課付。2000年本学助教授、2005年より現職。博士(工学)。早稲田大学2014年度e-Teaching Award受賞。専門は大規模データ解析。http://www.yama.info.waseda.ac.jp/

ビッグデータは今後どのように発展し、ビジネスや人の行動をどう変えていくかのだろうか?

ビッグデータ誕生

「ビッグデータ」という言葉が世に登場したのは2001年。それから15年間、デジタルデータは誰にも予測できないほど急激に増加した。米国IDC社の予測によれば、2013年時点で4.4ZB(ゼッタバイト)あったデジタルデータは、2020年には10倍の44ZBになるそうだ。44ZBといってもピンとこないが、1台128GBのiPadで換算すると、月まで積み重ねて3往復以上。ブルーレイにデータを入れて積み重ねたとすると、その高さは富士山約30万個分になる。

ビッグデータを使いこなす

人間は、過去の経験を通してさまざまなことを学べる。コンピュータも学ぶことができるだろうか。膨大なデータがこれを可能にしつつある。グーグル傘下のDeepMind社が開発した「AlphaGo」と呼ばれる囲碁プログラムが2016年3月にプロ棋士9段に4勝1敗で勝利した。それに先立ち2011年にはIBM社の「DeepQA(ワトソン君)」が全米人気クイズ番組の「ジェパディ!」で2人のチャンピオンに勝った。どれも膨大なデータからコンピュータが学習した結果だ。

近い将来、それまで経験に頼っていたさまざまな仕事はコンピュータに置き換わることが予想される。こうした未来、人間の能力を何に求めるかについて、われわれは考えていかなければならないし、ビッグデータを使いこなすことのできる人材にならなければならない。いわゆるデータサイエンティストだ。データサイエンティストとまではいかなくとも、基本的なデータ処理について学んでおくべきである。

ビッグデータと教育

私たちの研究室では、さまざまなビッグデータを対象に研究を行っている。その一つ、教育関係では「電子ペンで漢字を書くとその漢字の記憶度を推定するシステム」を構築した。多くの被験者から得られる筆圧、スピードなどのデータから事前に学習し、それを基に推定する仕組みだ。現在は、幾何学を対象に「さまざまな解法を試す能力があるかどうかを判定するシステム」を構築している。これも多くの被験者から得られるデータを基にしている。このように、ビッグデータは、さまざまな分野で新しい展開をみせている。

漢字記憶度推定を利用した「漢字暗記支援システム」(特許審査請求中)。漢字の書き取りを行うと記憶度順に並べてくれるので、記憶度が低い漢字から順番に書き取り練習するなど、効率的に漢字を学習できる。 デモURL:http://hme.mybluemix.net/

(『新鐘』No.83掲載記事より)

※記事の内容、教員の職位などは取材当時(2016年)のものです。

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