Waseda Weekly早稲田ウィークリー

早稲田の学問

(346)文学理論を通して批判的思考を養う

英文学演習4B(文学批評)(文学部設置科目)

文学部3年 鍛冶 佳穂(かじ かほ)

文学・文化理論というと、具体的な内容が想像しにくく、難解で非実用的なイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし実際には、小説の読解に役立つだけでなく、現代のさまざまな問題を、批判的に思考する力を養ってくれる講義なのです。

この授業は、英米の代表的な批評家の著作をテキストとして用いるため、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、都甲 幸治(とこう こうじ)教授は身近な例を挙げながら専門用語も解説してくださるので、自然に内容を理解することができるようになります。

授業では、小説や特定の主義などを歴史的な文脈の中で捉え直す作業を行います。このような捉え方は、文学と社会状況を結び付け、さらには常識として固定化されてしまっている概念を、相対的なものとして考え直すことを可能にするものです。講義を受けるうち、常識とはあくまで、ある共同体において一時的に広く受け入れられている価値観にすぎず、そこに絶対性は存在しないのだと気付くことができます。常識が相対的なものだと認識することで、固定観念にとらわれない鋭敏な感覚を養うことができるのです。

また、授業の冒頭には、学生から寄せられた日常生活の悩みや疑問に対して、都甲教授がユーモアあふれるアドバイスをしてくださる時間があり、授業の名物にもなっています。このアドバイスは、文学・文化理論的な観点から行われるため、文学・文化理論の習得が私たちの日常生活にも役立つことを実感できる場にもなっています。

本授業を受講して、常識を無批判に受け入れてしまうことの危険性を実感し、以前は何げなく受け入れていた事象に対して問題意識を持ち、自分自身の観点から捉えることができるようになりました。

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