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人間科学部eスクール代表・強瀬元子「よりよく生きることの追求を」

2019年度卒業 代表メッセージ【2020年度入学記念号】

人間科学部eスクール代表・強瀬 元子(こわせ・もとこ)さん

2年次からの編入を経て、4月から大学院に進学

在学中はマーケティング関係の仕事をしていた関係で、働きながら学ぶことができる早稲田大学人間科学部eスクール(通信教育課程)は私にぴったりの学びの場でした。2020年度からは大学院教育学研究科に進み、今度は一般の大学院生と同じ学生生活を送ることになります。引き続き心理学を中心に周辺領域を含めてより深く学んでいきたいと思っています。

私は2年次からの編入学だったので、人間科学部での学生生活は実際には3年間になります。同学部で選んだ学科は、人間が健やかに暮らしていくための支援方法や社会システムの在り方などをさまざまな角度から学ぶ「健康福祉科学」です。心理学に軸足を置きつつ医療、福祉、教育、脳科学など関連領域へと学びの幅を広げていきました。多くの授業科目が用意されている人間科学部の利点を有効活用した形になりました。こうした学習を重ねた結果、一つの事象に対しても複数の観点から捉える習慣を身に付けられたような気がしています。

育児に関わる根の深い問題を考えさせられた

人間科学部での学習を通じ、最も考えさせられたのは、障がい児と家族が抱えるストレスと、育児に関わる根の深い問題が、解決されることなく社会に存在するということです。学部在学中は、精神疾患や発達障がいなどに伴う心理行動面の問題を研究の対象とする行動医学ゼミに所属しました。一般学生と一緒に週1回の授業に出席し、そこでの活動の総仕上げとして、「就学前の自閉スペクトラム症児の母親の育児ストレス測定法の開発」をテーマに研究をまとめました。

この研究を通じ、子どもの行動問題や発達の遅れ、障がい受容の過程で母親にかかる重いストレス、それに苦しみ葛藤する厳しい現実を目の前に突き付けられたのです。そうしたこともあって、発達に偏りのある子どもとその家族が幸せに暮らせる日々を応援する活動に、ライフワークとして取り組みたいと思うようになりました。このことは私自身のwell-being(よりよく生きること)の追求でもあります。

ゼミメンバーで行ったボウリング大会

行動医学ゼミでは、ゼミの仲間が分け隔てなく接してくれ、食事会や旅行にも声を掛けてくれました。苦しいときも、研究に全力で取り組む仲間の姿に励まされました。3年の春学期最後のゼミの日に、レクリエーションとしてみんなでボウリングに出掛けたのですが、3チーム対抗戦を行って大いに盛り上がりました。一生忘れることができない思い出になるでしょう。

「クールヘッド&ウォームハート」で乗り越えて

私はいつも、英経済学者アルフレッド・マーシャルの著作にちなんだ「クールヘッド&ウォームハート」という言葉を心に留め置いています。人類は今、新型コロナウイルスという未曽有の危機に直面しています。今回の出来事によって、私たちは当たり前の日常がすごく幸せなことだと気付かされたのではないでしょうか。新入生の皆さんはこういうときだからこそ時間を有効に使い、今回の危機を教訓に、たくましさに加え、冷静さと他人を思いやる温かい心を身に付け、世界に羽ばたいて行ってほしいと思っています。

取材・文:武田範夫

撮影:石垣星児

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