【今週の相談】
保健センター 保健師 嶋田(しまだ)
夏休みに海外旅行やサマープログラム、留学などで海外への渡航を予定している早大生も多いかと思います。海外には日本国内でかかる可能性の低い感染症もたくさんありますし、気候や衛生環境が日本と大きく異なりますので、感染症に対する準備が必要です。
1.海外で注意しなければならない主な感染症と渡航先での予防方法
【主な感染源と疾患】
水や食べ物を介するもの ⇒ A型肝炎、赤痢、ノロウイルスなど
- 動物や虫などを介するもの ⇒ 狂犬病、マラリア、デング熱など
- 人を介するもの ⇒ 麻しん、風しんなど
【主な予防方法】
- こまめに手洗いする
- 生水、氷、カットフルーツは避ける
- 食べ物は十分に加熱したものを選ぶ
- 肌の露出をできるだけ避ける
- 虫よけの使用(※)
※DEET濃度(虫よけ剤の有効成分)が濃いほど、効果持続時間が長くなります。使用にあたっては、説明書をよく読みましょう。
2. 事前にできる予防方法(予防接種について)
予防接種により、予防できる病気は限られており、また予防効果は100%とは言えませんが、接種することで大幅に感染のリスクを下げることができます。ただし副反応がゼロではないことも留意しておきましょう。
【予防接種のメリット】
- 感染を予防
- 感染による重症化や合併症を防ぐ(感染した場合のお金や時間、労力の負担を軽減することにもつながる)など
【準備について】
- 渡航先の感染症発生状況とその地域で必要とされる予防接種について厚生労働省検疫所Webサイトなどで確認する
- 自分の予防接種記録を母子健康手帳で確認する
- トラベルクリニック(※)に接種の相談をする (※母子健康手帳の持参を忘れずに)
※海外渡航に伴う健康相談、ワクチン接種や予防薬の処方を行う医療機関・日本渡航医学会 トラベルクリニックリスト参照
【注意事項】
複数の予防接種を行う際には接種間隔を開ける場合があり、また抗体値が付くまで時間がかかります。効果を確認してから出発できるよう、出発3カ月以上前から、遅くとも1~2カ月前にはトラベルクリニックへ相談に行きましょう。
感染症予防に対する正しい知識を持ち、楽しく安全な海外渡航を心掛けましょう。