
保健センター 保健管理室 保健師 齋藤(さいとう)
近年、スマートフォンやパソコンを使用する時間が増え、「視力が落ちた気がする」「目が疲れやすい」と感じる学生が増えています。視力低下は学習効率の低下だけでなく、頭痛や肩こりの原因となることも。今回は、視力を維持・向上させるための生活習慣と眼科治療について紹介します。
近視とは?
近視とは、眼球の長さ(眼軸)が伸びたり、角膜や水晶体の屈折力が強くなったりすることで、光の焦点が網膜の手前に合う状態です。一度進行した、眼軸長が伸びたことによる近視を自然に元へ戻すことは、容易ではありません。しかし、進行を抑えたり、見え方を改善させたりすることは可能です。

近視にならないためには?
まず大切なのは、目を休ませる時間を意識的につくることです。スマートフォンやパソコンを長時間使用する場合は、「20-20-20ルール」を取り入れてみましょう。20分ごとに約6m(20フィート)先を20秒見ることで、目のピント調節筋の緊張を和らげることが期待できます。また、画面注視中はまばたきが減るため、意識してまばたきを行い、目の乾燥を防ぎましょう。
さらに、屋外で過ごす時間を増やすことも、近視の予防になります。自然光を浴びながら過ごす時間が長いほど、近視の発症リスクが低下することが報告されています。散歩やスポーツなどで体を動かすことは、目だけでなく全身の健康にも役立つでしょう。
目の健康を維持するためには、食生活にも気を配りましょう。ビタミンA、ルテイン、ビタミンC、オメガ3脂肪酸などは、目の健康維持に大事な栄養素です。緑黄色野菜や果物、青魚をバランス良く摂取し、十分な睡眠を確保してください。

視力低下を感じた場合は、眼科で相談することをお勧めします。主な治療法は以下の通りです。

レーシックやICLは眼鏡やコンタクトレンズの矯正を減らせる一方、ドライアイや感染症などのリスクもあるため、医師による十分な説明を受けた上で検討してください。
また、見えにくさの原因は近視だけではありません。緑内障(※1)や網膜疾患(※2)などの病気が隠れている場合もあります。急な視力低下や視野の異常、目の痛みなどがある場合は、早めに眼科を受診しましょう。
※1 視神経が障害されて視野が徐々に狭くなる症状
※2 眼球の奥にある光を感じる組織「網膜」に異常が生じ、視力低下や視野異常を引き起こす症状

日々のセルフケアと、必要に応じた適切な眼科での診察・治療を組み合わせることが、将来の視力と目の健康を守る第一歩です。大学生活を快適に過ごすためにも、今一度目の使い方を見直してみましょう。
学内で視力検査ができます!
早稲田大学保健センターの保健管理室、西早稲田分室、所沢分室では、随時、視力検査を無料で受けることができます。目の見え方に不安がある人は、気軽に利用してください。開室時間は、保健センターwebサイトで確認を。

【参考文献】
『近視進行抑制』日本眼科学会
『近視とは?』日本近視学会
『日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書』厚生労働省
『Efficacy of outdoor interventions for myopia in children and adolescents: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials(屋外活動介入に関する2024年の系統的レビュー・メタ解析)』Mei Z, Zhang Y, Jiang W, et al.
『The effects of breaks on digital eye strain, dry eye and binocular vision: Testing the 20-20-20 rule. Contact Lens and Anterior Eye. (デジタル眼精疲労・休憩・20-20-20ルール)』García-Lázaro S, Talens-Estarelles C, Cerviño A, et al. Response to the Letter to the Editor)
『Is There Any Association between Nutrition and Myopia? A Systematic Review.(栄養と近視)』Chamarty S, et al.






