【今週の相談】
平日の睡眠不足を補うために、週末に10時間以上寝ると、ますます体がだるくなるような気がします。「寝だめ」はできないのでしょうか?
(先進理工学研究科修士課程2年 女性)
保健センター戸山分室
保健師 佐藤 貴以子 (さとう きいこ)
朝晩めっきり涼しくなり、寝心地の良い季節になりました。一方、勉強やサークル活動、アルバイトなど多忙な日々を送っている早大生の皆さんは、慢性的に睡眠不足気味の方も多いのではないでしょうか。睡眠不足が続くと心身ともに疲労がたまり、感情のコントロールができなくなったり、集中力の欠如、免疫力の低下などさまざまな影響が出てきます。今回の相 談は「寝だめ」についてですが、長く寝たからといって、それまでの睡眠不足を補うことができたり、その後の睡眠時間が短くて済むということはありません。 その日の睡眠の質と量は前日の睡眠によって決まり、眠らずにいた時間が長くなるほど、その翌日眠る時にいつもより深い眠りが多くなります。睡眠不足だった 日の翌日は、寝入り始めの3時間に集中して熟睡できるように調節され、量の不足を質で補うようになっています。ですから、それ以上たくさん寝ても、質の悪 い浅い眠りばかりになり、起きた時に体がだるく、気分も悪くなり、かえって疲れてしまいます。さらに寝だめをすると、睡眠リズムが乱れてしまい、眠りたい 時間に眠れない、朝起きたい時間に起きられないなどその後の睡眠の質を悪くします。つまり、週末の寝だめは月曜日の疲れにつながります。睡眠時間にこだわ らず、毎朝同じ時刻に起床するよう心掛けましょう。
「なかなか寝付けない」「昼夜逆転」「朝起きられない」など日常生活に支障が出てくるような場合は、大学の保健センターや精神科・心療内科に相談してみましょう。
✔質の良い睡眠をとるための心構え
□睡眠時間にこだわらない (日中の眠気がなければOK)
□眠くなってからベッドに入る
□毎日同じ時刻に起床する (太陽光を浴びて、体内時計をリセット)
□眠る目的以外でベッドの中で過ごさない
□昼寝は短めに、遅くとも15時前までに
参考資料: 『睡眠学』(日本睡眠学会編、朝倉書店)、『みんなのメンタルヘルス』(厚生労働省Webサイト)