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大学という場での対話と真実の追求

私が日本で初めて教壇に立った大学には、外国人留学生が多かった。インドネシアから来た学生は真面目で明るく、私は彼らと親しくなった。その中の1人はクリスチャンで、他はイスラム教徒だった。

ある日、不幸にもインドネシアで一部のイスラム教徒がクリスチャンの教会を襲撃する事件が起きた。クリスチャンのインドネシア人学生は、私に対し、クリスチャンが受けた迫害と脅威について憤りを口にした。その後、あるパーティーでイスラム教徒のインドネシア人学生らと会った時、彼らは、中国系華僑中心のクリスチャンがインドネシアに与えた影響について憤りを込めて語った。

私はテロには断固反対だが、互いの話を聞く必要があると感じた。自分の集団の話だけを聞き、相手の集団の話を聞く機会が少ないために互いの理解が深まらないという状況を目の当たりにし、胸が痛んだ。ロシアとウクライナ、パレスチナとイスラエルの戦争も同様だ。味方の苦痛だけでなく、相手の苦痛も分かるのだろうか。日本と韓国、日本と中国が歴史問題で摩擦を生むとき、その国の国民は自分の都合だけでなく、相手の話もよく聞いているのだろうか。

こういうときに、大学の役割は一層重要だと考える。キャンパスでは全ての真実を机の上に並べ、互いの意見を傾聴し、自由に討論できなければならない。真実を知らずに自分の意見を決めるなら、いつか真実を知ったとき私たちはどれほど恥ずかしく、どれほど後悔することになるのだろうか。

(SB)

第1185回

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