Waseda Weekly早稲田ウィークリー

News

ニュース

手軽にできる加湿の方法

保健センター早稲田分室 看護師 木下(きのした)

乾燥するとウイルスが広範に拡散

気温が下がり、空気の乾燥を感じる季節になりました。空気が乾燥するとウイルス感染症が流行しますが、これは空気中の湿度が関係しています。

湿度が適度に保たれている状態であれば、咳やくしゃみなどで飛んだウイルスを含む飛沫(ひまつ)は、空気中の水分と共にすぐに地面に落下します。しかし、空気が乾燥し湿度が40%以下になると、ウイルスを含んだ飛沫の水分が蒸発し軽くなるため、ウイルスの拡散範囲が広がってしまいます。そのため湿度を40%以上に保つことで、風邪やインフルエンザの感染予防効果が期待できると言われています。

鼻や喉、気管の炎症、肌荒れや髪のパサつきにも

また、湿度が低いと、鼻や喉、気管の粘膜や、粘膜に生えているせん毛も乾燥しやすくなってしまいます。粘膜やせん毛は、本来、外部から侵入してくるウイルスや細菌などの異物を捕まえ、体の外へ追い出そうとする働きがあります。しかし、これらは乾燥すると働きが悪くなってしまい、その結果、鼻や喉、気管に炎症が引き起こされ、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなってしまうのです。

さらに大気が乾燥していると、肌の水分が蒸散してしまい肌を守るバリア機能がなくなり、肌荒れや肌のかゆみ、髪のパサつきなどを起こすこともあります。

手軽にできる加湿対策

これらのトラブルの解消法ですが、まずは手軽にできる加湿方法を紹介しましょう。

  • 水を入れたコップなどをテーブルに置く
  • ぬれたタオルや洗濯物を部屋の中に干す
  • 入浴後、浴室のドアを開けておく
  • 寝るときにマスクを付ける(ウエットフィルター付きなどのマスクは、より加湿効果があります)
  • 霧吹きやルームミストをカーテンなどに吹きかける

鼻や喉などの粘膜を保護するには直接的な水分摂取も有効です。冬は喉が渇きにくく水分摂取量が減ってしまうので、意識して水分を取ることが重要です。

加湿する場合の注意点

加湿をしすぎることで窓や壁に結露ができてしまうと、室内にカビが発生する場合があります。カビは悪臭やアレルギーなどの原因になりやすいため、適度な湿度(60%まで)を保つよう心掛けましょう。

加湿器がなくても手軽に加湿をする方法はあるので、感染症予防や皮膚トラブル等回避のためにも試してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
AIR Lab. JOURNAL
・Harper.G.J.: Airborne micro-organisms: survival tests with four viruses
J.Hyg.,Camb.(1961) 59, 479-486.
「健康・快適居住環境の指針」 17分野と37指針について(東京都保健医療局)

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる