「『都の西北 早稲田の森に…』で始まる早稲田大学校歌を歌えますか?」
入学式で歌詞を見ながら早稲田大学校歌を歌ったことで、早稲田大学に入学したことを実感し、感動した人は多くいることと思う。私もその一人である。入学してからこれまでに、校歌を何回くらい歌ったか、思い出してほしい。数えきれないほど、校歌を歌った人もいるだろう。一方で入学式以来、一度も歌ったことがない人や数回しか歌ったことがない人もかなりいるのではないだろうか。卒業式でも校歌を歌うが、入学当時と同じように歌詞を見ないと校歌を歌えない(覚えていない)卒業生がいるのを目にする。早稲田出身の教員として悲しい気持ちになる。
早稲田のライバルである慶應義塾には、「見よ 風に鳴るわが旗を…」で始まる塾歌がある。塾歌は、お酒を飲んだときは歌わないという暗黙のルールがあるらしい。一方、早稲田大学校歌は、入学式や卒業式などの式典だけでなく、早慶戦で勝ったときも負けたときも、お酒を飲むコンパやパーティーの最後にも、あらゆる場面で歌われる。早稲田大学校歌は、校歌でありながら、応援歌でもある。早稲田大学校歌には不思議な力がある。校歌を歌うことで、早稲田の一体感を強める。また、早稲田の学生であることに誇りを持ち、早稲田がより好きになる、それが校歌である。
学生生活のあらゆる場面で、うれしいときも悲しいときも校歌を歌ってみてはどうだろうか。そして、早稲田を卒業する時には、校歌を覚えて社会に旅立とう。卒業式で声高らかに校歌を歌う姿を楽しみにしている。
(S.M.)
第1154回