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【早稲田大学アスリート特集①才藤歩夢選手】2020東京、そして2024パリへ 近代五種とフェンシングでの出場を果たしたい

早稲田大学から世界へ。注目のアスリートに、これまでの歩みや現在の競技にかける思い、そして今後の目標を訊きます。第1回目は、本学フェンシング部の女子主将を務め、近代五種とフェンシングの“二刀流”で東京2020大会、そしてその次のパリ大会での活躍を目指す、才藤歩夢選手の登場です。

オリンピアンの父の影響で始めたスポーツ

憧れの早稲田大学でフェンシングに打ち込む

——まずは競技を始めたきっかけから教えてください。

近代五種でソウルオリンピックに出場した父(才藤浩さん)の影響で、小学生の頃からいろいろなスポーツを楽しんでいました。もちろんそのときは「近代五種」は知りませんでしたから、泳いだり、走ったりをただ一生懸命やっていただけでしたが(笑)。

自分自身で競技のことを意識したのは、中学2年生で国際大会に出たときです。初めて海外の同年代の選手と対峙したのですが、体格差や競技への気持ちの温度差に圧倒されてしまって…。でもそれがモチベーションとなって、本格的に取り組んでみようと考えるようになりました。

 

——高校時代は、どんな練習をしていたのですか?

フェンシングの強豪・埼玉栄高校に入学し、部活で汗を流していました。朝から毎日10時間、日曜日も含めてみっちり練習。夏休みなどの長期休暇には、フェンシング以外の競技をまとめて練習しました。もちろん授業もありますから体力的にはキツかったですが、私が所属していた「保健体育科」は全員が運動部員でしたから、周りの友人たちからも良い刺激をもらって、とても充実していました。

――その後の進路として早稲田大学を選んだのは、どんな理由だったのですか?

早稲田大学に入学することは小さい頃からの憧れだったんです。それと、高校時代に海外遠征で一緒になった早稲田大学の選手はとても良い方ばかりでしたし、練習や試合を見学に行ったときも、その雰囲気の良さで「やっぱりここでやりたいな」という気持ちになりました。
実際に入部してみても、先輩と後輩が自由に意見を交わせる、風通しの良いクラブ部活だと感じました。「先輩の言うことは絶対!」というのではなく、みんな思ったことを言い合える関係性だと思います。

勝つことの難しさを知ったことが

これからの教訓になる

——フェンシング部では女子主将として、どんなことを心がけましたか?

後輩に「こんな先輩になりたいな」と思ってもらえる、見本にならなければと思っていました。試合では個人としてより、団体として結果を残すことに注力しましたし、普段の練習では、怪我を防ぐために欠かせないストレッチを入念に行う姿を意識的に見せて、その大切さを伝えようとしました。

——早稲田での4年間の競技生活に対する、ご自身の評価はどうですか?

1、2年生のときは、「うまくいきすぎ」と感じるほど結果を出せていたのですが、3年生になったら途端にチームが勝てなくなって…。私の種目(エペ)には4年生がいなかったので、自分がいきなり一番上の年代になったことで、気負ってしまった部分があると思います。「良いメンバーは揃っているのに、なぜ勝てないの…」と周りからも言われて、少し悩みました。

自分たちでも原因がよくわからなかったので、とにかくチーム内でたくさん話し合いながら解決していきました。その甲斐あってか、その年の全日本選手権では優勝することができました。このときに知った「勝つことの難しさ」は、今も良い教訓になっています。

——やはり困難を乗り越えたのは、チーム内でのコミュニケーションだったわけですね。

それもありますし、たくさんのOB・OGの方に相談して、アドバイスをもらえたことが大きかったです。早稲田は全国に卒業生がいるので、それぞれの遠征先でいろいろな人に会い、相談できる。それは早稲田の大きなアドバンテージかもしれません。

——競技以外でも、得たこと、学んだことは多かったのではないですか?

自分が学びたかった、スポーツ科学の勉強がしっかりできたことは良かったです。効率的な体の作り方や怪我の予防法などの知識をたくさん得ることができました。これらをフェンシングの技術とうまく組み合わせれば、今後に活かせることは多いと思います。

卒業しても早稲田の一員

母校に貢献できる活躍がしたい

——大学を卒業し、これから社会人としてのアスリート生活がスタートします。

学生のとき以上に競技で結果を出すことはもちろんですが、卒業しても「早稲田の一員」としての自覚を持ち続けて取り組んでいきたいなと思います。そうすることで、母校の評判を少しでも高めることができれば嬉しいです。

——そしていよいよ来年には東京2020大会が控えています。オリンピックへの目標を聞かせてください。

まずは出場することが第一。それが叶ったならばしっかり戦って、自分が目標としている次回パリ大会へつながるような良い経験がしたいと思っています。

——パリ大会に標準を合わせているのですね。

パリではメダルを獲りたい。それまでにたくさんの国際試合に出場して、常に上位にいるような選手になろうと思っています。

東京2020大会ではスポーツ界に多くの注目が集まるでしょうが、終わってしまったあとはどうなるのだろうという不安はあります。特に近代五種も、フェンシングも、あまりメジャーな競技ではないので、特にそれは心配です。私が活躍し続けることで、競技をメディアなどで多く取り上げてもらえればと思っています。

——出場を目指しているのは、近代五種、フェンシングのどちらですか?

両方です! 過去に近代五種とフェンシングで出場した選手がいると聞いたことがあります。であれば、私も目指してみたいです。

また両方を練習することで、近代五種、フェンシングのそれぞれにプラスの面があります。私にとってフェンシングは近代五種の種目の中で得点が稼げる競技ですから、それを磨けば勝利に近づきます。反対に近代五種の馬術や射撃を磨くことで、フェンシングに必要なバランス感覚や集中力のトレーニングにもなります。それが良い相乗効果になって、両方が効率的に強化できればと思っています。

——その夢の実現ために、今の自分に必要なものは何ですか?

まずは海外選手にも負けない体づくりですね。食事に気を配り、筋力トレーニングも精力的に行って、強い体を得たいと思います。

精神面では、ONとOFFの切り替えが上手にできるようになりたいです。近代五種はトライアスロンのように続けて複数の競技をするのではなく、種目ごとにインターバルがあり、行う会場も変わります。そこでの対応力をつけて、得意種目で確実に力が発揮できる選手になりたいです。

——アスリートとして、競技以外での今後の目標はありますか?

近代五種とフェンシングという競技を、もっとメジャーにしたいですね。まだこの競技を知らない人にも見てもらいたいですし、できればもっと多くの人に体験してもらいたいです。そうすることで人気がでれば、今の選手たちの練習環境も改善されるでしょうから、その意味でも普及活動は大切だと思います。

また、小さな子供たちやお年寄りに体を動かすことの楽しさを知ってもらうために、スポーツを通した社会貢献活動にも携わっていきたいですね。

 

※インタビューは2019年3月19日に行われました。

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