Olympic and Paralympic Project Promotion Section早稲田大学 オリンピック・パラリンピック事業推進室

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東京2020大会組織委員会スポークスパーソン高谷正哲様インタビュー 早稲田祭2021 VIVASEDA Sports festival

2021年11月6日に開催した「VIVASEDASportsFestival」で東京2020大会組織委員会スポークスパーソンである高谷正哲さんに「オリパラ組織委員会の広報の最前線」と題して講演をしていただきました。講演終了後、高谷さんのお話しに感銘を受けたVIVASEDAの学生から高谷さんにオリンピック・パラリンピック大会にかかわる質問はもちろん、留学やキャリア形成にかかわる話題に至るまで、たくさんの質問が寄せられました。その一部をご紹介します。

高谷正哲さん プロフィール

高谷正哲(たかや まさのり) 東京 2020 組織委員会スポークスパーソン

1978 年東京都生まれ。2001 年、マッキャンエリクソン入社。営業に 5 年間従事した後、 渡米。シラキュース大学にて Public Relations(広報)の修士号を取得。帰国後、大阪世界陸上にてインターン。2007 年 11 月より 2016 年オリンピック・パラリンピック招致活動の国際広報に従事。2010 年 2 月、International Triathlon Union(国際トライ アスロン連合)Media Manager の職に就き、本部バンクーバーを拠点に世界トライアスロン選手権シリーズなどの広報業務を担当。2011 年 9 月、東京 2020 オリンピック・パラリンピック招致委員会にて再び招致活動。2014 年 1 月、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会設立と同時に、戦略広報課長に着任。2017 年 8 月より現職。

Q. オリンピックとパラリンピックの2つの組織で動きがバラバラになってしまうことはなかったのですか?

A. 組織委員会はオリンピック・パラリンピックの統合された組織です。20~30年以上前は、オリンピックとパラリンピックの組織委員会が分かれていて、運営上統合が困難でした。しかし、今はひとつの組織委員会が両大会を運営するように組織が完全に統合(インテグレーション)されています。
東京大会は最もインテグレーションが進んでいたとも言え、資源の削減にも注力しました。スタッフのユニフォームありますよね。つい最近の平昌大会でも、ユニフォームはオリンピック・パラリンピック用で分かれていました。東京大会ではオリンピック・パラリンピックともに同じユニフォームにすることで、無駄を削減することができました。

Q. 日本だと社会人の「学び直し」は珍しいと思います。メリットは何ですか?

A. 分野によって違うと思います。経営の道に進むなら、MBAは、最低3~5年の実務経験が必要なので、MBA目指す人には社会人が多いです。分野によっては、大学上がりの人と社会人が入り混じっています。アメリカのコミュニケーションの学部は、(進学組と社会人組が)半々で、アメリカ人は学生出身が多く、留学生は社会人が多かったですね。
でも留学したての頃は、英語力が弱かったので「このままでは死んでしまうのではないか」と思うくらい辛かったです。語学を使う学部なので、大学職員から「一度、夏セメスターをドロップして、語学学校に行きなさい」と言われましたが、何とかくらいついて、卒業できました。留学に行ける状況って、お金があって行けることなので、(学生か社会人かの)正解はないですね。社会人のメリットは、資金があることですね。僕も1000万円貯めて行きましたが、卒業後にもお金を残せれば、留学後に1年タダ働きでも現地でスキルをつけることができます。留学後が大事です。どのタイミングで行けば良いかは正解はないので「行きたいと思う時、行ける環境があれば行ってください」これが、答えになります。

Q. 専門性をつけるために留学して、他の人と違う道を進む決断には何が必要ですか?

A. ゴールにたどり着くまで、やり続けるしかないです。僕はオリンピック・パラリンピックに関わりたかった。口に出して「本気だな」と周囲に思ってもらえたら、20~30代の時は周りが助けてくれる。その時にプロセスを自分で組み立てないといけない。問題が起きたらルートを設定しなおす。僕は最初の5年間、コミュニケーション業界にいて、組織委員会でコミュニケーションに関わる仕事について徹底的に調べました。広告代理店の業務に加えて、メディアを通した発信の仕方を考えないといけないし、英語も話せないとだめだと感じました。なので留学して英語と広報のアカデミックなスキルを身に着けようとした。日本に帰ってきて、大阪で世界陸上大会で仕事をした時もオリパラに関わりたいと言い続けていました。そのおかげで、東京招致においては「そんなにオリパラの仕事をしたいなら、うちで働けいたらどうか?」と思ってもらえた。2016年招致の後、31歳の時「どこかでこの業界の仕事を募集してないかな」と、国際競技団体のありとあらゆるサイトを見て、偶然トライアスロンの国際競技団体が広報を募集していて、使用言語が英語だけだったことと、学生のときにトライアスロンを部活でやっていたことがあって、職を得ることが出来ました。そこからオリンピック・パラリンピックにつながりました。自分が10年後何をしていたいかの、アプローチを戦略的に持てばたどり着くと思います。

Q. プロセスを立てるときは、どうしていますか?

A. “徹底的に調べる” しかないですね。新卒の社会人1年目で「入った会社が思ってた仕事と違う」という「準備をすれば回避できる壁」にぶち当たるケースが多いと感じます。来年自分がしたいことや、会社でどんな仕事をしているのかは、考えたり、調べさえすればわかると思います。私は大学の先輩にスポーツをつうじて広告代理店に関わっている人がいたので、広告代理店に興味を持ちました。必死に調べて、多分30人くらい会いました。入りたいと思った会社の人にはとにかく聞きましたね。やる気がある人の思いを、大人は無下にしないから。「こういう理由があって、この話が聞きたいです」と言えば答えてくれます。インターネットだけじゃなくて、OBに会いに行って話を聞いた方がいいと思います。

Q. 今回のイベントをつうじてオリパラの機運醸成を目指して活動していた学生と交流されましたが組織委員会の中枢でご活躍されていた高谷さんからみて何か感想はありますか?メッセージお願いします。

A. 皆さんに実際にお会いして、初めて(世の中の反応を)実感できましたね。組織委員会で毎日ニュースを見ていましたが、あまり世の中の反応がわからなかったんです。大学でオリパラに関わる人たちがなければ、皆さんが手掛けた寄せ書きプロジェクトやこのようなイベントをつうじて、学内で気持ちを一つにすることもなかったと思います。自分の所属コミュニティに何の価値をもたらすか、自分のコミュニティをどうするか。たとえ所属コミュニティが大きくなっても、忘れずに持っていただければと思います。

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