Olympic and Paralympic Project Promotion Section早稲田大学 オリンピック・パラリンピック事業推進室

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トライアスロン選手・古谷純平選手 インタビュー   東京2020大会に向かって

努力は才能に勝てる。

トライアスロンで世界の頂を目指す

三井住友海上火災保険株式会社

古谷 純平(トライアスロン部所属)

佐久間 美奈子(人事部能力開発担当部長 兼 トライアスロン部長)

2018年アジア競技大会で優勝を果たしたトライアスロン選手の古谷純平選手と、その活動をバックアップする佐久間美奈子さん。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて挑戦する二人に、その意気込みを語ってもらいました。

【プロフィール】

ふるや・じゅんぺい/1991年大阪府生まれ。2014年政治経済学部卒業。幼少時から水泳や陸上などに打ち込み、高校2年生からトライアスロンを始める。早稲田大学在学中に日本学生選手権で2連覇を達成。三井住友海上火災保険株式会社では古谷選手の入社を機にトライアスロン部が創設され、各種大会に出場。2018 NTTジャパンランキング(日本ランキング)1位。

さくま・みなこ/1991年商学部卒業。1991年に三井海上(現三井住友海上)に入社後、火災新種商品企画部、営業推進部などを経て、 2017年より人事部能力開発担当部長兼トライアスロン部長。トライアスロン部長として同社所属選手の広報活動、大会支援を担当している。

努力が才能に勝てる“鉄人競技” (語り手:古谷選手)

「世界のトップレベルで戦えるかもしれない」。高校2年生で初めてトライアスロン大会に出場した時にそう思いました。小学校6年生までは水泳、中学校からは陸上をやっていたのですが、いつも必ず「到底かなわない」と思わせる選手がいました。才能が違うし、努力だけでは太刀打ちできない。その点、トライアスロンはスイム(水泳)・バイク(自転車)・ラン(ランニング)の3種目の合計所要タイムを競うスポーツなので、一つの種目で“超一流”じゃなくても戦えます。得意な種目で遅れをカバーしたり、全種目の平均レベルを高めたりと、努力と工夫で才能を上回ることができると分かってから、トライアスロンに魅せられていきました。

早稲田大学では部活やサークルに所属せず、兵庫県のクラブチームに籍を置きながら練習を続けました。学生選手権で2度の優勝をつかみとり、「やりきった感覚」を味わったころ、徐々に「トライアスロンは大学で終わりにしよう」という感情も芽生えてきて……。三井住友海上への就職も決まった4年生の時、卒業と同時に引退しようと決めました。

その分、競技生活の最後となる大学4年の1年間は、後悔しないためこれまで以上に本気で競技に取り組みました。すると成績がどんどん向上し、日本ランキング4位まで上がりました。そんな中、2020年のオリンピックが東京で開催されることが決定。トライアスロンをもっとやりたい思いがふつふつと湧き上がってきて、三井住友海上の人事の方に駄目もとで「入社後もトライアスロンを続けたいので『トライアスロン部』をつくってください」と相談すると、当時の人事部長の方が聞き入れてくれ、部が創設されることになりました。正直なところ私も驚きましたね(笑)。私のために、毎日練習に打ち込める環境をつくっていただいて。会社のサポートは常々感じていますし、部を創っていただいたことにとても感謝しています。

※三井住友海上はスポーツ振興に取り組んでおり、アトランタオリンピック金メダリストの惠本裕子選手などを輩出した女子柔道部やアテネオリンピックで5位入賞の土佐礼子選手などを輩出した女子陸上競技部があり、3つ目の部として2014年にトライアスロン部が誕生した。

苦しいからこそ勝つ喜びが大きくなる(語り手:古谷選手)

トライアスロンは 練習も試合も“キツい”スポーツ。トレーニングは1日に3種目(スイム・バイク・ラン)、さらに基本的なフィジカル強化も行うので、膨大な練習量になります。しかし、苦しいからこそ、ゴールした時の達成感の大きさは言葉では言い表せないほどです。だからどんな練習でも妥協しません。自分に負けそうになることもありますが、それは「なりたい自分」に対する思いが弱い時だと思います。私は水泳や陸上で超一流にはなれなかったけれど、努力を続ける力は世界でもトップレベルだと思っています。

やるからには世界のトップを目指したい。そんな思いでスイム・バイク・ラン、そしてフィジカルのすべての力を高めています。中でも重点的に取り組んでいるのがランです。どれだけスイムとバイクが速くても、選手間で差がつきやすいランで競り勝たなければメダルには届きません。スイム、バイクで先頭集団についておいて、最後のランで勝負を仕掛ける。そのために根本的な走力の向上に励んでいます。

夢の舞台でも“平常心”を忘れない(語り手:古谷選手)

現在の目標は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会でメダルを取ることです。東京開催が決まったからこそトライアスロンを続けたという経緯もありますし、小さいころから見ていたオリンピックが日本で開催されるわけですから、特別な思いがあります。その通過点として、アジア競技大会(ジャカルタ・パレンバンアジア競技大会2018)で金メダルを獲得したことは大きかったです。日本オリンピック委員会(JOC)に派遣される形で出場するのは同大会が初めてで、「日の丸を背負う」意味も分かった気がしました。メディアの注目と強いプレッシャーの中で動揺せずに自分のレースを展開できたことは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて大きな励みになりました。

私は2016年のリオデジャネイロオリンピックでは出場権を逃し、補欠として現地に帯同しています。出場できなかったことは悔しかったですが、オリンピックを生で見るという経験は貴重なものでした。「オリンピックには魔物がいる」と言われますが、実力のある選手が普段通りのパフォーマンスを発揮できないのは、会場の雰囲気やプレッシャーにのまれて平常心を失ってしまうのが理由だと思います。いかなる大会でも「平常心を保つ」というのは自分のテーマにしていますし、オリンピックに対しても“数ある大会の中の一つ”といった捉え方も必要だと思っています。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会ではこれまで積んできた練習、経験を生かして、全力を出し切りたいです。トップで帰ってきて、応援してくださる方々とゴール前でハイタッチできれば最高ですね。

選手が挑戦する姿が社員を勇気づける(語り手:佐久間様)

現在、三井住友海上のトライアスロン部には3名のアスリートが所属しており、世界のトップを目指して日々練習に励んでいます。部長としての私の仕事は選手をサポートすること。選手の活動を社内・社外に発信する広報的な仕事や、練習に打ち込める環境の整備に努めています。

海外で開催される大会には、現地のスタッフが応援に駆けつけてくれます。彼らに参加している選手が自分たちの同僚であることを伝えると、とても喜んでくれるんです。古谷選手には、そういった世界中の同僚スタッフたちのことを思いながら、レースに臨んでほしいと思っています。

私は常々、選手たちには夢を実現してほしいと思っています。古谷選手の言葉にもありましたが、トライアスロンは努力次第で夢をかなえるチャンスが大きい競技。妥協しない姿勢は古谷選手を見ていて常に感じますし、だからこそ結果が出せているのだと感じます。その姿勢に社員も勇気づけられますし、私も生で観戦して感動することが多々ありました。

トライアスロンに熱中していた古谷選手のように、学生の皆さんも大学時代に好きなことをやり抜いてほしいと思います。早稲田大学には各地から学生が集まりますし、多様な個性にあふれています。そういった環境で日々刺激を受けながら、やりたいことを思い切りやることが、後に大きな財産になるでしょう。

学生時代の経験は今の自分を形づくるもの(語り手:古谷選手)

学生時代、所属するクラブ(兵庫県)で練習できるのは夏休みと春休みだけで、それ以外の時期は一人で練習していました。今思うと本当にトライアスロンに明け暮れていましたね。早稲田で一人で積み重ねた鍛錬の日々は、確実に今の自分を支えています。

現在の早稲田にも、アスリートとして東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を目指す学生が多くいると思います。そんな皆さんには、私と同じ思いでオリンピック出場、メダル獲得を狙って頑張ってほしいですし、大会が終わった時に後悔しないような日々を送ってほしいですね。また、ボランティアという関わり方もあると思います。自国で開催されるオリンピックに携わるということは、限られた人しか体験できない貴重なこと。ぜひ積極的に参加してほしいと思います。

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