Olympic and Paralympic Project Promotion Section早稲田大学 オリンピック・パラリンピック事業推進室

イタリア選手団 事前トレーニングキャンプ

2021年7月13日から8月3日にかけて、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたイタリア共和国の代表選手団による事前トレーニングキャンプが本学所沢キャンパスで行われ、本学と所沢市が、受け入れ対応を行った。

東京2020大会における事前トレーニングキャンプ受け入れについては、複数の国のオリンピック委員会から本学に対し、施設に関する問い合わせがあった。2017年、イタリアオリンピック委員会から所沢市へ、事前トレーニングキャンプ受け入れに関する打診があり、所沢キャンパスへの視察や協議を重ねた結果、2017年10月に本学、埼玉県、所沢市、イタリアオリンピック委員会の間で事前トレーニングキャンプに係る覚書を締結。2018年10月にイタリア大使館において、正式契約を締結した。

事前トレーニングキャンプに向けては、イタリアオリンピック委員会や所沢市との連携強化をはじめ、イタリアとの学術・文化面での交流や、学生が多様な文化に触れることを目的として、様々な取り組みを行った。本学と所沢市は、事前トレーニングキャンプを周知するためのWEBサイトを共同で制作。「VIVA!ITALIA」をキーワードに、事前トレーニングキャンプに向けた機運醸成や周辺住民への情報周知を行った。また、所沢市内の駅構内や商業施設、所沢キャンパス内にフラッグやポスターを掲示。所沢市では、イタリアとの交流事業の一環としてイベントを開催しており、本学の学生オリパラプロジェクトVIVASEDAが協力し、ブースを出展した。

事前トレーニングキャンプの運営として参加する学生ボランティアの募集は、所沢市とオリンピック・パラリンピック事業推進室が中心となって、募集告知や志望者へのオリエンテーション、研修などを行った。また、施設面では、海外から招聘する研究員や体育各部学生の宿泊を目的とした「所沢紺碧寮」が、2020年6月に竣工し、キャンプ期間中のイタリア選手の宿泊施設として調整が進められた。さらに、実際の合宿のシミュレーションを兼ねて、2019年の夏期に、所沢市内と所沢キャンパスでイタリア競歩・競泳選手団が国際大会に向けたトレーニングキャンプを実施するなど、準備を重ねた。

2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、東京2020大会の開催が1年延期されて以降は、その対応に注力した。所沢市がホストタウンとして「イタリアチーム事前トレーニングキャンプ受け入れマニュアル」を策定。本学、所沢市、イタリアオリンピック委員会の合意のもと、感染対策が進められた。本学は、所沢市のマニュアルに基づき、プールや陸上競技場など、各施設ごとに具体的な対応策を提示し、協力を行った。また、学生ボランティアの参加メンバーや役割にも大きな変化が生じ、再募集や運営計画の変更が必要となった。

こうした準備のもと、2021年7月9日からイタリア代表選手団の選手・スタッフが来日。計233名が所沢キャンパスを訪れた。日本側からも、20名の運営スタッフとボランティア150名(うち本学学生120名)が、選手の誘導や競技器具の設置など、受け入れの対応をした。事前トレーニングキャンプ中、選手たちは以下の施設を利用した。

イタリア選手団 参加者概要

水泳選手・コーチ・・・49名
陸上競技選手・コーチ・・・106名
フェンシング選手・コーチ・・・51名
ゴルフ選手・コーチ・・・9名
トライアスロン選手・コーチ・・・2名
レスリング選手・コーチ・・・6名
イタリアオリンピック委員会・・・10名
計233名

イタリア選手団使用施設

施設名称
1 陸上競技場
2 アクアアリーナ
3 スポーツホール1
4 柔道場
5 ポーツホール2のうちトレーニングジム
6 101号館113室(理学療法室として使用)
7 所沢紺碧

受け入れスタッフ・ボランティア等使用施設

施設名称 用途
1 102号館ゼミ室(1) ボランティア休憩室
2 102号館112室 ボランティア統括スタッフ控室
3 102号館109室 シャトルバス運転手控室
4 102号館231室 バブル外スタッフ・ヘッドクォーター
5 102号館232室 バブル外スタッフ・ヘッドクォーター
6 101号館111室(倉庫) 101号館113室の什器等を保管
7 所沢ゲストハウス 近距離接触スタッフ隔離宿泊用
8 正門駐車場、北門駐車場 一部をスタッフ・関係者、ボランティア用に使用
9 テニスコート前駐車場 スタッフ

懸念点であった新型コロナウイルス感染対策については、所沢市が作成したマニュアルに基づいて対応した。キャンパス内の北門駐車場にPCR検査用の仮設ハウス2室を設置。代表選手や近距離で接触するボランティアスタッフは、毎日PCR検査を行い、感染の早期発見に努めた。接触度の少ないスタッフは、合流時に1回、合流期間中4日から7日に1回、離脱時に1回PCR検査を行った。また、キャンパス内で選手と学生・教職員が接触しないように動線を設定。交通整理が必要な地点には、ボランティアを配置して誘導を行った。選手、コーチ等の感染事例は大会中は報告されなかった。

事前トレーニングキャンプの様子は、イタリアオリンピック委員会のホームページでも紹介された。720日には、イタリアオリンピック委員会事務総長のカルロ・モルナーティ氏が事前トレーニングキャンプ中の所沢キャンパスを訪れ、選手への激励とスタッフ・ボランティアへの感謝の言葉を贈った。

東京2020大会の期間を通して、イタリア選手団はこれまでのオリンピックで最多の40個のメダル(金10、銀10、銅20)を獲得した。特に所沢キャンパスでトレーニングを行った陸上競技では、男子走高跳び、男子100m走、男子4×100m走リレー、男子20㎞競歩、女子20㎞競歩でイタリア選手が優勝し、金メダル5個という結果を残した。また、競泳チームも銀メダル1個、銅メダル4個と多くのメダルを獲得した。イタリアオリンピック委員会からは、「過去30年の事前トレーニングキャンプ会場の中で最高の環境だった。緑が多く過ごしやすい。施設も使いやすく、非常に優れている。しっかりと事前トレーニングキャンプを行えたことが、今回の史上最高のメダル数という結果に結びついた」との評価を得た。

選手との交流事業の一環として、7月18日には、オンラインで歓迎プロジェクトが開催された。イタリア選手団からは、フェンシングの選手4名が参加し、日本側からは、ゲームコーナーに参加した三ヶ島小学校の児童9名をはじめ、学生や市民合わせて約120名が配信を視聴した。7月26日には、本学のグラウンドで陸上代表選手団が公開練習を実施。応募した学生・教職員・市民約100名が、世界レベルの陸上競技の練習を見学した。

事前トレーニングキャンプは8月3日で終了し、宿舎となった所沢紺碧寮には、1階壁面にイタリア選手団のサインが残されることになった。また、所沢紺碧寮の入口には、記念のレリーフが設置され、学生たちがいつでも見られるようになった。イタリア側からは、今後アジアで競技大会が開催される際には、また所沢キャンパスでキャンプを行いたいといった話もあり、学術的な連携も含め、今後もイタリアと本学の間での交流が続いていくことが期待される。また、所沢市・イタリアオリンピック委員会で三者間の密な連携がとれたことも大きな成果であり、コロナ禍ではあったものの、オンライン交流会や公開練習会など十分な交流を行うこともできた。今回の事前トレーニングキャンプによって生み出された有形・無形のレガシーを継承していきたい。

練習を行うイタリア競泳代表選手団

公開練習が行われた所沢キャンパスの陸上競技場

公開練習が行われた所沢キャンパスの陸上競技場

イタリア代表選手団のサイン

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