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【活動報告:地域連携ワークショップ】田野畑村のプログラム(2024年度)が終了しました

2024年度 岩手県田野畑村と早稲田大学の地域連携ワークショップが終了しました。2018年に協働連携協定を締結するなど、本学と関係の深い同村とのワークショップは、今回で7回目の実施となりました。

今年度のワークショップは、多数の応募者の中から選考を通過した少数精鋭の10名2チーム編成となり、テーマは『田野畑中学校の授業「仮式会社Comaru」を提案せよ!~子どもたちが地域に誇りと愛着を持つ村づくりを目指して~』でした。
田野畑中学校には「仮式会社Comaru(コマル)という、村の歴史や地域資源を知り、村の魅力を発信することを目的として、全校生徒が社員となり、村の資源を活かしたオリジナル商品を制作し、販売まで手掛ける授業があります。

授業開始から10年目を迎えましたが、田野畑村には高校がなくなってしまったことから、高校進学後に多くの若者が村に戻らないという現実。学生たちは、どのような授業を受けたら子どもたちが自分たちの村に誇りと愛着を持つことができるのかを、約2か月間、考え抜きました。

7月のオリエンテーションでは、学生同士の顔合わせと田野畑村ご担当者から市の魅力やテーマ設定に至った背景などについてご説明頂き、田野畑村の基礎情報について理解を深めました。交流会ではミニゲームを実施するなど、10名の学生たちは一気に仲を深めたところで、ここからは5名ずつ2チームに分かれて、現地へ行くまでの間、事前調査とオンラインヒアリングに取り組みました。

現地フィールドワークは8月19~22日の3泊4日。現地では多数のヒアリングの場や、実際に田野畑中学校のComaruの授業見学をする機会などをご調整いただき、Comaruの現状や、認識、また認知度など、地域の方々の生の声をお聞きすることで新たな課題が見つかった学生もいたようです。また、多忙なフィールドワークの合間をぬって、田野畑村の見どころや早稲田大学の施設「青鹿寮」などもご案内いただきました。

田野畑村滞在中は、全員でひとつ屋根の下、古民家生活を満喫。食事もグループワークも基本、オープンスペースです。朝は周辺のお散歩やラジオ体操からスタートし、夜は家族のように食卓を囲み、気づけば大広間に自然と人が集まってくる。そんな4日間でした。もともと仲の良かった10名(と職員)ですが、さらに結束が深まったのは、この環境のおかげだと感じる学生も多かったようです。

フィールドワークから戻ってから中間報告会まで、わずか2週間足らず。現地から収集した情報の山を整理するため、休む間もなく連日グループワークを実施し、迎えた中間報告会では、両チームとも検討途中の部分は残るものの、なんとか方向性については示すことができました。

短時間でよくぞここまでまとめたとお褒めいただく一方で、このままでは実現性については厳しいという指摘もありましたが、学生はいただいたご意見を真摯に受け止め、さらにそこから自分たちの提案をより魅力的に、そして、より実現可能なものにしたいという想いで、ぎりぎりまで考え抜き、話し合いを重ねて最終報告会に臨みました。

9月17日に実施した最終報告会は、早稲田大学(東京)と田野畑村をオンラインでつなぎ、ハイブリット形式で実施。佐々木靖市長をはじめ、藤岡教育長、田野畑中学校の鎌田校長ほか、ヒアリング含む本ワークショップにご協力いただいた大勢の方々に成果を聞いていただくことができました。今回、授業内容を提案するという、面白くも非常に難しいテーマでしたが、「教育現場の状況もよく理解していただき、田野畑村の子どもたちのことを真剣に考えてくれたことが伝わってくる提案内容で大変ありがたい」といった感想をいただけたことで、学生たちは自分たちの提案にかける想いが村の関係者に伝わったことを実感し、また自分たちの提案の一部でも、授業に活かされることを願わずにはいられない報告会でした。

最終報告会後には、学生同士でお互いのフィードバックをする振り返り会を実施しました。2か月間、苦楽を共にした仲間からのメッセージは心に響いたことでしょう。
多くの学びを得たプログラムは盛況のうちに全行程を終了しましたが、終わってしまうことが寂しい、これからもワークショップでできた縁を大切にしていきたいとの発言や、将来の展望が広がったという学生も多数おり、改めて本連携に関わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。

 

【参加学生の声】

  • 2ヶ月のワークショップを通してたくさんのことを学びました。中でも、大きく分けると2つのことを学びました。まず、仮説を立てることの大切さです。闇雲に案を出していくのではなく、仮説を立ててそれを検証していくことで、効率よく論理的に考えを組み立てることができたと思います。インタビューを重ねるごとに会話の中ですぐに仮説を考えたり、それを検証することができるようになっていき、成長を感じました。次に、チームで取り組むことのやりがいです。学部も学年もばらばらで専攻も違うメンバーがそれぞれの強みを活かし、自分なりにチームに貢献することで、1人では辿り付かなかった質の高い提案になったと思います。チームで取り組む中で困難なこともありましたが、同時に、どんどんと案が深まって行った時には大きな喜びを感じました。そして何より、田野畑村という人と自然の魅力溢れる素敵な村について学ぶことができ、忘れられない貴重な経験になりました。素敵な村と繋がりができ、人としても大きく成長できた2ヶ月間だったと思います。(文学部  2年)
  • 私は、これまでずっと、一つの地域が実際に抱えてる問題について考え、解決策を提案するこのワークショップに興味がありました。実際に、ワークショップに参加して、地域の実情を知ったり、自分たちで解決策を考えるという活動は、とても楽しかったです。また、自分達の案が実際に採用されるかもしれないと思うと、とてもワクワクし、同時に、生半可なものではいけないというプレッシャーもありました。提案を考える際には、実際に外部アクターとなって地域のことを考える難しさを痛感しました。自分では精一杯その地域のことを考えているつもりでも、ヒアリングを重ねるにつれて、自分の考えの甘さに気付かされたり、様々な人の思いを知り、誰の思いに対しての提案を作れば良いのか悩むことも多くありました。また、議論の際には、チームのメンバーには、皆それぞれ意見があって、皆の意見と同じだととても安心するし、違うととても不安になって、どうしたらいいのかわからなくなることもありました。それに、どのように、メンバー全員の意見をまとめ、どのように伝えればいいのか思い悩むこともありました。ですが、今回の経験から、相手の意見を含めて、自分の意見を整理する力が大切だと気づくことができました。それに、自分の意見をきちんと言語化し、誰に対してもわかりやすく伝える力の大切さにも気づくことができました。また、自分の偏見や資料だけの情報でなく、地域の人々の意見も含めた様々な視点から問題を見ることができる力も地方創生に取り組む上で重要だと感じました。地域が実際に抱えている問題の解決策を提案するのはとても難しいことでした。でも、それを考える過程で、とても優しく私たちを支えてくださる職員さんたちのもと、地方創生に関心のあるチームのメンバーと協力して解決策を考えるのはとても楽しかったです!このワークショップは、私の人生において、かけがえの無い財産になりました!(文学部 2年)
  • 本ワークショップを通じて、たくさんのことを学ばせていただきました。その中でも特に印象に残った点は2つあります。1つ目は、現地に足を運ぶことの大切さです。これまでに地域や社会の課題を考察するときには、書籍や論文、インターネットなどを使用して情報収集することが多かったのですが、実際に田野畑村を訪れて、豊かな自然に触れ、現地の方々から直接お話を伺えたこと、また現地でしか得られない気づきを提案にまとめあげたことは、かけがえのない貴重な経験となりました。2つ目は、チームとして成果物を完成させることの達成感です。苦労や反省点もありましたが、最終報告会での施策の提案に向けて、多様なバックグラウンドを有するチームメンバーとともに対面とオンラインで何度も議論を重ねた2か月間は、想像以上にとても濃く充実した期間でした。大学院生として応募することには少し迷いもありましたが、今では参加させていただけて本当によかったと考えています。少しでもご興味がある方は、本ワークショップへのご応募を強くお勧めします。(経済学研究科 2年)
  • こんなに長期間、同じメンバーで一つのテーマについて会議をすることはなかった。時間がたつにつれて、個々のメンバーの強みが見えてきて、いいグループワークができたと思う。私一人では思いつかなかったようなアイデアが出てきて、これまでは一人で活動することの方が好きだったが、グループで活動するのもいいなと思えた。今回はメンバーに恵まれたので、今回のグループワークは私にとっての理想となった。今後もこれを思い出してグループで活動したい。(商学部 1年)

【活動概要】

連携先:岩手県田野畑村
テーマ:
『田野畑中学校の授業「仮式会社Comaru」を提案せよ!
~子どもたちが地域に誇りと愛着を持つ村づくりを目指して~』
参加学生数:10名
活動期間:2024年8月19日~8月22日
募集要項はこちら

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