2014年03月31日に終了しました
所長:中尾 洋一[なかお よういち]
理工学術院教授
研究テーマ
大震災がもたらす健康被害の予防へ向けた科学的・社会的対応のためのニーズ調査研究
研究概要
研究の学術的背景
大災害は現代社会が創造した人工物を完全に破壊し、生物学的、化学的、物理的、社会的要因が複雑に絡む広域的かつ次世代の健康にも影響する長期持続的で広域な人間生活環境の極度の悪化をもたらす。それが引き起こす健康障害の予防・治療のためには人文社会科学を含めた最新科学・技術の融合による迅速な実態把握と障害発生機構の体系学的解明が不可欠である。しかし、このような課題に様々な領域の専門家が一丸となった対応をすることは現在の学部を中心とした専門領域の細分化で複雑性を増す価値多元社会では必ずしも容易ではなく、設計科学的あるいは持続性科学的な妥当性を持って十分に行われてきたとは言えない。今回の東日本大震災はこの現状に対して多くの教訓と明確な研究課題を提起しており、早稲田大学が社会還元を目指して培ってきた科学的知識・技術を統合させ、融合研究の連結推進をもってこれら課題の解決に向けて対処することが大いに期待される。特に、本プロジェクトのグループリーダーの強いリーダーシップの下、基礎研究の成果を産業界における研究開発ならびに実用化にまでつなげた産学連携の実績と、アカデミアからの時代を先取りした人類・社会への貢献を強く意識した提言や組織作りの展開により、評価をうけている。
研究期間内に何をどこまで明らかにするのか
本重点研究領域では、大災害によって発生した現場からの情報を十分かつ持続的に収集し、現在の東日本大震災と今後予想される大震災に対して必ず必要となる科学的・社会的対応を体系的に整理した後に、それらを実現するための研究を行う指針となるニーズ調査を行うものであり、以下の2つの調査研究ユニットと4つのグループにより研究を行い、大災害に対する科学的知識・技術を俯瞰した対応に向けた分野横断的な学際研究を行う。
研究所員
中尾 洋一(理工学術院教授)
逢坂 哲彌(理工学術院教授)
竹山 春子(理工学術院教授)
朝日 透(理工学術院教授)
寺田 泰比古(理工学術院教授)
井上 貴文(理工学術院教授)
武田 直也(理工学術院准教授)
池田 康夫(理工学術院教授)
瀬川 至朗(政治経済学術院教授)
坂爪 一幸(教育・総合科学学術院教授)
招聘研究員
能勢 博(コラジェン・ファーマ株式会社代表取締役社長)
連絡先
ホームページ