2015年03月31日に終了しました
所長:太田 正孝[おおた まさたか]
商学学術院教授
研究テーマ
アジアにおける共生型サービスビジネスモデルの探求
研究概要
グローバル競争環境の観点で見た時、20世紀と21世紀における最大の相違の一つはアジア(新興市場)の台頭とサービス・ビジネスの国際化である。日本企業には早急にアジアにおける新しい役割を構築することが求められるが、その問題を解くカギ概念はアジアのコンテクストを理解した「共生型サービス・ビジネス・モデル」の構築である。本研究は、商学学術院において過去10年にわたり、別々の系譜によって熟成されてきた3つの研究テーマ、すなわち①アジア・ビジネス研究、②サービス・ビジネス研究、③ビジネス・モデル研究を融合することで、先進的かつ独創的な研究を遂行することにある。アジア・ビジネス研究は、太田正孝らによる「アジア新興市場における知識移転」(2005-2007 科研費基盤B)の研究プロジェクトのもと、ペンシルバニア大学のJitendra Singh、ヨーク大学のEleanor Westney(MIT名誉教授)ならびに本学の杉浦正和らと共同で進められてきた。これを横田一彦による「アジアの市場開拓研究」(科研費基盤C)と市田敏啓の「多国籍企業研究」(科研費基盤C)が、経済学をベースに側面から支えている。第二のサービス・ビジネス研究は、長谷川惠一による「バランスト・スコア・カードの理論と我が国における実践に関する学術研究」(2004-2007 科研費基盤B)と伊藤嘉博の「CSRスコア・カードの意義と可能性に関する研究」(2007-2009 科研費基盤B)を起点に、管理会計的なアプローチから進められてきた。これを補完する形で進められてきたのが木村達也によるサービス・マーケティングの研究であり、管理会計とは逆に価値創造視点からサービス研究が進められてきた。最後のビジネス・モデル研究は、学術研究の面では井上達彦が根来龍之らと共におこなった「ビジネス・モデル概念の批判的発展」(2002-2004 科研費基盤B)を起点に、その後も継続的に研究が進められている。また、実務的研究では内田和成の事業連鎖概念(ビジネス・モデルに等しい)はきわめて高い社会的評価を得ている。井上、内田の研究実績に、ビジネス・モデルに投資するベンチャー・キャピタル(入山章栄)という視点が加わることによって研究に厚みと深さが生まれる。これら3つの研究クラスターは、これまで一定の距離を持って進められてきたが、実際には相互に関連しており、本研究所のミッションである「アジアにおける共生」のベクトルに合わせることで競争優位のある研究拠点を築き上げることができる。
研究所員
太田 正孝(商学学術院教授)
市田 敏啓(商学学術院准教授)
伊藤 嘉博(商学学術院教授)
井上 達彦(商学学術院教授)
内田 和成(商学学術院教授)
大滝 令嗣(商学学術院教授)
木村 達也(商学学術院教授)
杉浦 正和(商学学術院教授)
長谷川 惠一(商学学術院教授)
横田 一彦(商学学術院教授)
大野 高裕(理工学術院教授)
池上 重輔(商学学術院准教授)
招聘研究員
シン ジテンドラ(ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授)
原 忠之(セントラルフロリダ大学ローゼンホスピタリティ経営学部准教授)
テュルパン ドミニク(IMDビジネススクール学長)
シン マンスー(高麗大学ビジネススクール教授)
MAHMOOD Ishtiaq Pasha(シンガポール国立大学准教授)
HART Stuart L.(コーネル大学ジョンソン経営大学院教授)
柯 元達(康師傳ホールディングスコーポレーション総裁室幕僚長、頂通物流会社取締役)
Xiaobo Wu(淅江大学管理学院院長)
井上 葉子(日本大学商学部専任講師)
酒井 章(株式会社電通イージス・ネットワーク事業局)
連絡先