Organization for University Research Initiatives早稲田大学 重点領域研究機構

News

ニュース

【早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)】戦略的国際科学技術協力推進事業(SICP)において、石渡信一教授らによる課題が、総合評価として最高のS評価を受けました。

早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)

戦略的国際科学技術協力推進事業(SICP)において、早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)の石渡信一教授らによる課題が、総合評価として最高のS評価を受けました。

戦略的国際科学技術協力推進事業(SICP)日本-シンガポール研究交流・研究領域「バイオエレクトロニクス」において、重点領域研究機構・早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)の石渡信一教授(理工学術院先進理工学部物理学科・WABIOS所長)を日本側代表とし、石渡研究室の下村俊樹氏、WABIOSの鈴木団主任研究員、新井敏招聘研究員、および武岡真司教授ら(所属・職位はいずれも研究実施当時)により実施された研究交流課題「昆虫-無線電子デバイス融合システムにおける筋動作のin vivo制御」(研究期間:平成24年9月~平成28年3月)が、事後評価において最高の総合評価Sを受けました。
S評価は、「研究の目標にてらして、極めて優れた成果が得られている(特筆すべきと評価ができる場合に相当する)」場合にのみ与えられることから、きわめて希な高評価であると言えます。
本課題は、シンガポール側代表として、シンガポール国立南洋理工大学機械航空学科(Nanyang Technological University (NTU), School of Mechanical and Aerospace Engineering (MAE))の佐藤裕崇研究室との共同で実施されたものです。

本研究課題では、石渡教授らの光学顕微鏡技術と、佐藤先生が開拓してきた昆虫の解剖や外科的処置技術電機デバイスに関する知見とを交流させることで、昆虫の筋肉を蛍光ラベルし、筋肉のダイナミックな活動状態を、昆虫が生きたまま、光学顕微鏡を用いて観察、計測できる方法を確立することを目標としていました。
bug1

このように日本・シンガポール両国研究者の技術的特徴を連携させる試みが上手く進み、まず当初の計画の通り、蛍光ラベルした昆虫の脚の筋肉を、昆虫が生きたまま顕微鏡で観察(in vivoイメージング)する手法を開発しました。

bug2

これを用いることで、電気刺激した筋肉のカルシウム濃度変化の検出に成功しました。さらに無線操作される昆虫個体の生体各部位の活性を詳細にモニタリングすることを目的として、生きた昆虫個体の活動に伴う温度変化を、赤外カメラでは検出できない空間精度で計測する技術を開発しました。早くに目標を達成したことで、さらに、タンパク質分子集合体の見地から、昆虫飛翔筋の微細構造解析(Spring-8でのX線回折)を進めたり、また外部からの温熱刺激で昆虫個体の歩行や飛翔をダイナミックに制御するための脂質ナノカプセルを用いた技術の開発に成功するなど、両国の国際共同研究の成果として当初の目標以上の成果が得られました。本課題で得られた結果は、最終的に査読付学会プロシーディングス(採択率20%)1報、国際共著論文5報、知財の海外出願1件として結実し、論文の掲載された国際誌の表紙や、化学系英語雑誌などでハイライトされました。

研究期間を通して、本機構の在シンガポール研究機関であるWABIOSが大きな役割を果たしました。日本においてもシンガポール側研究者との共同実験を実施したことに加えて、シンガポール側研究者がWABIOSに常駐して研究活動を行い、常時、議論を行うことができました。こうして、国際的な研究交流を当初の予定と比べて飛躍的に進めたことが、高く評価されたものと言えます。

bug3

JSTによる事後評価報告書(PDF)
Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/ori/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる