
2008年度の活動報告
(1) 株式市場・不動産市場のバブル・テークオーバーに関する実験(広田、蟻川、鈴木、藪下、船木、大熊、相沢):
実施に関して調整中であるが、まだ実験は行われていない。
(2) 金融市場における大規模経済主体(ヘッジファンドなど)が他の経済主体に及ぼす影響(蟻川、竹田、鈴木):
実施に関して調整中であるが、まだ実験は行われていない。
(3) 非対称情報の下での人々の期待形成のあり方の金融市場の効率性に対する影響(晝間、船木、上條、大熊、相沢):
以下の2タイプの実験を実施あるいは計画している。
(a)実験1(時間割引率に関する実験)
個人の財に対する時間割引率が,財の性質や個人の状態によりどのよう変化するのかを検証するため,喫煙者を被験者として集め,一定時間断煙した状態と,そうでない状態における金銭とタバコに対する時間割引率を測定するような実験を行う。基本的な実験デザインは大阪大学で行われた金銭に対する時間割引率の測定に関する実験室実験に習っている。
(b)実験2(信用情報に関する実験)
企業の貸出行動が借りての過去の返済に関する情報(信用情報)によりどのように変化するのかを検証するため,信用情報が貸して間で入手可能なケースとそうでないケースにおける企業の貸し出し行動と借り手の返済行動についての実験を行う。
さらに、2009年1月にGreg Berns教授(エモリー大学)を招へいし、最新の神経科学、神経経済学の成果を報告していただいた。Berns教授はGLOPE2国際シンポジウムでも報告を行っている。今後、高橋泰城(北海道大学社会科学実験研究センター主任研究員)、須齋正幸(長崎大学経済学部教授)をお招きして関連研究の最新成果を報告していただく予定である。
(4) 以上の実験研究の基礎となる理論研究(藪下、広田、晝間、蟻川、竹田、鈴木)
藪下が金融制度と経済発展に関する政治経済的分析、およびテロの政治経済学的分析を行った。そのほか個々の研究を進めている。