
2011年度の活動予定・成果目標
1) 昨年度行った国際シンポジウムでの報告論文にもとづいて日本語の出版物を刊行する。そのために,報告した院生の論文を改訂し,必要があれば,お互いに読んで批評しあう。また,出版にかかる校正,索引作りなどの事務作業も分担して行わなければならないと思われる。
2) 昨年度から引き続き,1ヶ月に2回のペースでGrossman and Helpman (2000)のテキストSpecial Interest Politicsを輪読する。今年度注には読了の予定である。これによって,Gibbons(1992)のゲーム理論,Persson and Tabellini(2000)のPolitical Economicsと併せて,政治の経済分析の基本はほぼ押さえたことになるはずである。
3) 1ヶ月に1回のペースで,各参加者が自分の関心にもとづいて政治経済学の最新論文を紹介するBS分科会を実施する。これは,上記のテキストを読んで習うだけでなく,そこで得た知識やツールをどのように生かして政治経済学の文献を読みこなすかという実践のための勉強である。可能ならば英語による報告を強制したい。
4) さらに昨年度に引き続き,1ヶ月に1回のペースで,BS分科会の時間帯を利用して外部から報告者を招いて,政治経済学の論文を報告してもらう。昨年度は,浅古泰史(日本銀行),佐藤主光(一橋大学),別所俊一郎(一橋大学),福元健太郎(学習院大学)の各氏を招聘した。これは,平素BS分科会で培った実力を,実際のセミナーなどで試して,質問したりコメントしたりする力を身につけるために行われている。もちろん,最先端の研究がどのようなものか,どのようにして先達の研究者たちは政治経済学の論文を書いているのか,知るためにも本プロジェクトにとって大変有益な時間と位置づけている。