制度構築の政治経済学−期待実現社会に向けて−
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プロジェクト紹介

制度選択の政治経済実験

2010年度の活動報告

(1)絶対的基準と相対的基準による罰則制度の比較(参加者 船木、上條、竹内あい、二本杉)
社会的ジレンマ状況において協力行動を導くには、懲罰が効果的なことが知られている。本研究では中央集権的罰則制度において、罰則適用が絶対的基準(ある閾値以下の全員が罰せられる)に基づくか、相対的基準(ある閾値以下でかつ、最も貢献度の少ない者が罰せられる)に基づくか、により人々の行動・協力度がどのように変化するかの大規模な実験を行った。現在、実験結果の分析を終了し、論文がほぼ完成した。この内容は内外の学会で報告されている。同時にメンバーの上條助教が昨年12月に行われたGLOPE2国際コンファレンスで報告を行った。これは当初のこのプロジェクトの目的の一つであった。なお、実験には11号館の60人収容のPC室で行い、そのために実験用個人ブースを作るための分離パネルなども作成した。

(2)制度導入の手続き的公平性による影響(参加者 船木、上條、竹内あい、二本杉)
本研究は21COE-GLOPEの研究の直接的な発展研究である。社会的ジレンマ状況に分権的懲罰あるいは報酬制度を導入することにより、協力度が変化することはすでに多くの先行研究がある。21COE-GLOPEにおける実験研究においてこの分権的制度決定のタイミングおよび選択の手続きの公平性(多数決か独裁か)についていくつかの興味深い実験結果を見ることができたが、最終的な結論は得られていない。その研究を続行するための実験デザインについて何度かミーティングを行い議論した。実際の実験は2011年度に行う予定である。

(3)混雑状況緩和に関する制度選択(参加者 船木、Fortat)
様々な混雑状況において、皆が行列を作り秩序を保って行動する場合と我先に駆け込み混沌となる状況が生ずることがある。この状況を鹿狩りゲームのモデルを用いて分析し、そこにおいて、様々な制度(罰則、示唆、顔写真の提示など)を導入してその効果を比較するための実験を行った。さらに、フランスにおいても同様の実験を実施し、その比較を行った。これとは別に、エネルギーの利用に関する混雑状況を分析するためのゲームモデルを構築し、実験を行った。これに関してもさまざまな制度の効果を比較した。

(4)アイトラッカーによる分析(参加者 船木、河野、二本杉)
実験の準備作業を進めた。

上記に関連してセミナーを、現代政治経済研究所 船木部会(略称 月・金セミナー)・他のプロジェクトと共催で合計15回行った。さらに、実験経済学に関する多数の論文があるCharles Noussair教授を招聘し、セミナーおよび、この実験や関連する実験の結果を説明し、多くの有意義なコメントを頂いた。

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